必殺シリーズ総合31 どうせあの世も地獄と決めた

このエントリーをはてなブックマークに追加
817ミステリ板住人
3 品川・台場近くにある小さな寺
寺の境内にある桜の木の下に倒れている主水。
庭掃除をしていた住職(大滝秀治氏を希望)が驚いた様でかけつける。
住職「これ、どうされた、これ、これ・・、仁内!仁内!、ええっ、
   こんな時に何処へ行っておるのじゃ」

4 寺の本堂
経文を詠んでいる住職。背後から主水が入って来る。
住職「体の調子は、もうよろしいのですかな?」
主水「はあ、もうすっかりと、お勤めのお邪魔をしてしまったようで、すいませんなあ」
住職「なあーに、もう終りですから、気にすることはない」
住職が、主水の方に振り向き、笑いかける。
主水「あの…これ以上御迷惑をおかけしてばかりでは、そろそろ失礼せねばと・・」
住職「この寺のことなら気にすることはない。好きなだけいなされ、
   それとも、何処か行かねばならないとこでも、おありかな?」
主水「いやぁ、行かねばならないところと言われましても…」
主水が困惑した表情になる。
住職「なら、いいではないですか。どうせ、寺男をひとり置くだけのボロ寺、
   なにも気兼ねすることなど無いですぞ」
主水「はあ、ところで・・」 主水が周囲を見回す。
住職「仁内ですか…あれは困った奴です。」
住職の顔から笑みが消え、困惑の表情に変る。
                            つづく