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ミステリ板住人:
「仕掛人藤枝梅安講義 第2回殺しの四人」 講師 ミステリ板住人先生
映画「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」のメーンの原作になった「殺しの四人」は、
本の表題作にもなったスリリングな傑作短編です。
これを一編を見れば、まさに江戸時代を舞台にしたノワールそのものです。
短編小説と長編の劇映画をダイレクトに比較するのは困難なのですが、
殺しのシーンひとつ見ても、本作に関しては原作の圧勝です。
原作では、梅安を女仇と狙う浪人者とその仲間を、梅安と彦次郎が梅安宅に
おびき寄せ、各人の得意技である針と吹き矢で始末します。
映画では人物配置が異なり、梅安と小杉十五郎(とは言ってもテレビにおける西村左内的なキャラ、演じるのも同じ林与一、ただし独り者である。)が同様にして対決。
小杉の殺陣が決まり過ぎていて面白みを欠く展開になってしまいました。
2人の武士に襲撃され危機に陥る梅安、「私がお相手いたそう」と騎兵隊的に(w
唐突に現れる十五郎。正直言って、迫力を感じるよりは白けました。
原作には武士という江戸時代のウォリアーズを、殺しのプロとは言え、
刃物を持つことが出来ない町民の梅安と彦次郎が知恵と見事な連携プレーで倒していく
面白さがあります。
つづく