334 :
ミステリ板住人:
>必殺の個々の演出家についてのミステリさんの卓抜な論考が読みたいです。
各監督・脚本家の作品群を機会をとらえて追々語っていきたいと思っています。
>山根氏の「活劇の行方」は読まれましたか?
読みました。本書の東映集団時代劇に関する論考は秀逸かと思います。
山根先生と必殺シリーズに関しても機会を捉えて語りたいと思っています。
>笠原和夫の「昭和の劇」についての感想もぜひ聞かせて下さい。
残念ながら未読です。
>スレ違いですが、ミステリさんにとって笠原氏の脚本はどうですか?
昨日の特集番組をご覧になって(w、その一端がおわかりになるとおり、
まさに筆者の「気」が入った「ホン」。これが笠原作品かと思います。
いずれ適当な場を借りて詳細に語ります。
>>332 >「おんなごろし」は池波正太郎氏の短編小説であり、必殺シリーズではありません(必殺仕>掛人のエピソードは「おんな殺し」です)。
テレビシリーズ「必殺仕掛人」の原作は池波正太郎「仕掛人藤枝梅安」シリーズであり、
「おんな殺し」の原作は、同シリーズ第一作「おんなごろし」です。
従って、原作の話題は板違いでもスレ違いでもありません。
また、私は原作を起点として常にテレビ・映画等の映像化作品との比較論を心掛けており、
この点からも全く問題ありません。
お前のレスは、およそ時代劇の話題とは言えない明らかな板違いであるパチンコやゲームの
話題は不問に付し、特定の個人攻撃を目的としたものと理解します。
今後もこのスレで、仕掛人の原作と絡めての必殺シリーズの話題を続けることとします。
335 :
ミステリ板住人:03/05/04 08:29 ID:3YrkhzY3
今日も軽い話題から入りましょう。
原作の仕掛人シリーズに一番テイストが近い作品は何かと考えてみた。
緒形拳つながりではないが、「必殺必中仕事屋稼業」かなと思う。
緒形氏は、この作品における知らぬ顔の半兵衛くらい渋く梅安を演じると
良かったのではないかと思う。
336 :
名乗る程の者ではござらん:03/05/04 10:09 ID:B+sIFxZk
必殺仕掛人「人殺し人助け」
津川雅彦が演じるキャラクターがイイね。
斧で音羽屋の店を破壊しているときの表情が最高!
337 :
ミステリ板住人:03/05/04 10:23 ID:k8RRz6fa
仕置人第9話「利用する奴される奴」の津川もイイ。
あの厭らしさ、情無さ最高だ。
前にも書いたが、橋掛人の津川は印象薄い。
仕掛人や仕置人に悪役で出た時の感じで殺し屋をやれば面白かったと
思うのだが。
338 :
ミステリ板住人:03/05/04 10:25 ID:k8RRz6fa
「おんなごろし」に関する比較論
梅安の上半身と両手が、まるで別人のようなす早さでうごいた。
左手で畳の上のぬれ半紙をはらりとつまみあげ、
これを、おみのの寝顔へかぶせたときには、早くも右手がうごいて、掛蒲団を
おみのの腹あたりまでめくり、同時にその右手は、くわえていた殺し針をつまみ
取っている。
ぬれ半紙を顔に貼りつけられ、おみのがはっと目ざめたとき、梅安の親指がぐいと、
殺し針をおみのの心ノ蔵へ埋めこんでいた。
おみのが、ぴくぴくっとした。それきりであった。
声も叫びもなく、即死した。
(中略)
廊下へ出てから藤枝梅安は、微かに舌打ちを鳴らした。
読書習慣が無い人にもおわかりかと思う。梅安が今や毒婦と化した実妹を殺害する
シーンである。
前述したとおり、田宮ニ郎主演の映画版では、あたかも現実の殺害現場に立ち会って
いるかの如くビビッドに映像化されていた。(映画では同床していた情夫も殺害)
テレビシリーズでは、いくらかソフトな描写だった記憶があるが、おみの役は
映画では野際陽子、テレビでは岩下志麻という今も活躍する女優が、妖艶な魅力を
ふりまき好演している。
339 :
ミステリ板住人:03/05/04 10:25 ID:k8RRz6fa
テレビシリーズと原作の大きな相違点は、原作では仕掛後に、
料亭「井筒」で彦次郎と一献傾けながら、梅安が、仕掛の相手おみのが実妹であった
ことを語るという展開である。
テレビでは、梅安は事前に千蔵にこの事実を語っている。
原作及びその物語展開を忠実に再現した映像化作品は、最後に意外な事実が明らかに
なるというミステリ的な興趣に富む。
テレビシリーズ版では、あえて、いわゆるネタバレをすることにより、
原作とは異なる興趣を狙ったと言える。殺しのシーンで視聴者は、
おみのが梅安の実妹であることを既に知っているわけであるから、
肉親殺しというギリシア古典劇のような悲劇性を帯びた痛切なドラマを目にするわけ
である。
妹殺害後の展開もテレビシリーズは異なる。
原作とは人物配置が異なるため、梅安には、彦次郎のような心の内を明かせる同じ
独り者の壮年の殺し屋仲間はいない。
仕掛の後、江戸の繁華街をひとりぶらつく梅安、顔に浮べた笑みの陰にやるせなさと
孤独がかいま見えるようだ。
他にも物語展開が大きく異なる点はある。
蔓の羽沢の嘉兵衛の手落ちにより、罪も無い女(「万七」前の内儀おしず)を殺して
しまった梅安。
テレビでは、いかにも悪人面の嘉兵衛に食ってかかり、
音羽屋半右衛門(原作には登場しない)に呼び捨てでたしなめられる梅安だが、
原作の梅安は、もっとオトナだ。
再度、嘉兵衛からの仕掛けを引き受けるのと引き換えに、おしず殺しの「起り」の
名前を聞き出す梅安。
仕掛の相手は、れっきとした二本差し、仕掛料は百五十両。
これは、また別の話ってことで。
340 :
名乗る程の者ではござらん:03/05/04 10:29 ID:AQ96R6CU
秋風二人旅の小林昭二萌え〜
341 :
実は沖雅也ファン:03/05/04 10:31 ID:tVGPrmYa
おー、昨晩はキャップ付き上級削除人さんがおみえになっていたんですね。
何か、よほど重要な通達で参上されたんでしょうか?
>>314 亀レスでスンマソン。
>氏の脚本デビュー作、荒野の素浪人「女郎花 暁の脱走」
尾中さんから頂いた資料によると、デビュー作は『大江戸捜査網』(71年・東京12ch)
だそうですよ。脚本タイトルは「スリ替え」(オンエア版は違うと思われ)。
ちなみに『荒野の素浪人』(72年)の該当作の脚本タイトルは「女郎一揆」(!!)です。
>>333 >仕事人2話 以降こういうのがなくなっちゃったのが残念。
腹をくくる仕事師の決意というのは見ていて(・∀・)カコイイ!ですね。
ちょっと表現は違いますが『仕置屋』1話でも、悲惨な死を遂げた一家のため
主水が仕置を請け負う決意のシーンもイイっスよ。
おこうが恨みの筋を説明しようとすると、それをさえぎった主水が
カネだけくれればいい…という流れ。沸々と仕置人の血がたぎる熱さを
感じさせる名場面です。
加賀まりこの必殺出演は仕掛人だけ?
343 :
名乗る程の者ではござらん:03/05/04 10:40 ID:AQ96R6CU
久しぶりに仕置屋1話が見たくなったよ。
ホームドラマチャンネル、仕置人の後番組は仕置屋だっけ?
加賀まりこ、新からくり人3話に被害者役で出演してたね。
あと、剣劇人のナレーターか。
レギュラー出演してほしかったなぁ・・・。
345 :
ミステリ板住人:03/05/04 11:04 ID:k8RRz6fa
実は沖雅也ファンというコテの厨房度がアップして来てて、何気に笑えるものがある。
確固たる元締制度存在する物語は別として、
殺し屋ティーム編成のくだりは結局仕置人の焼き直し、バリエーションに過ぎない。
「一緒にやらねえなら、どっか消えちまえ」、鉄が錠に投げかけるこの言葉に代表される
親しい中にもおける厳しさは後の作品からは失われて行く。
仕置屋には竹下景子が二度出ているのがいい。
しかも、一回目のゲストの「一筆啓上仕掛が見えた」には大滝秀治や山本学が出ている。
山本学の横恋慕ぶりはいい!
>>333 だいたい同意なんだけど、仕事人2話以降でもいいのがありますぜ。
っていうか全エピソードを見渡しても、闇社会への決意の「説得力」は、
渡し人の大吉が一番だと思っているんです。
ま、近いうち「必殺渡し人を勝手に総括する」で発表したいと思います。(w
348 :
ミステリ板住人:03/05/04 11:34 ID:/6h5qV6/
「仕掛人藤枝梅安講義 第2回殺しの四人」 講師 ミステリ板住人先生
映画「必殺仕掛人 梅安蟻地獄」のメーンの原作になった「殺しの四人」は、
本の表題作にもなったスリリングな傑作短編です。
これを一編を見れば、まさに江戸時代を舞台にしたノワールそのものです。
短編小説と長編の劇映画をダイレクトに比較するのは困難なのですが、
殺しのシーンひとつ見ても、本作に関しては原作の圧勝です。
原作では、梅安を女仇と狙う浪人者とその仲間を、梅安と彦次郎が梅安宅に
おびき寄せ、各人の得意技である針と吹き矢で始末します。
映画では人物配置が異なり、梅安と小杉十五郎(とは言ってもテレビにおける西村左内的なキャラ、演じるのも同じ林与一、ただし独り者である。)が同様にして対決。
小杉の殺陣が決まり過ぎていて面白みを欠く展開になってしまいました。
2人の武士に襲撃され危機に陥る梅安、「私がお相手いたそう」と騎兵隊的に(w
唐突に現れる十五郎。正直言って、迫力を感じるよりは白けました。
原作には武士という江戸時代のウォリアーズを、殺しのプロとは言え、
刃物を持つことが出来ない町民の梅安と彦次郎が知恵と見事な連携プレーで倒していく
面白さがあります。
つづく
これからパチンコに行こうと思います。
やっぱ、勇次と秀の方がよかったな。
350 :
ミステリ板住人:03/05/04 12:07 ID:/6h5qV6/