187 :
名無しさん@3周年:
>>186の続きです。
さて、では4.から1.までの圧力差を回収することを考えます。
比較を簡単にするため、以降はディーゼルサイクルの話で説明します。
4.の位置をより低く、1.と同じ圧力になるようにPV線図を書き換えると、ブライトンサイクルになります。
ブライトンサイクル
ttp://www.ms-5.mech.kobe-u.ac.jp/weblec/frame/main/054/054.htm#1 見ての通り、ブライトンサイクルはディーゼルサイクルの4.を1.と同じ圧力まで伸ばしたものです。
2.-3.の燃焼行程は同じであるため、熱の出入りはブライトンサイクルとディーゼルサイクルで同じとなります。
では、同じ熱入力、つまり2.-3.の長さが同じ場合、どちらのほうが効率が高いのでしょうか?
このPV曲線の特徴は、1.-2.-3.-4.-1.曲線の囲む面積が機関出力になる事です。
P×VがV=S×L、F=P×SよりF×Lになる事はすぐご理解いただけると思います。
これより、2.-3.の長さが同じ場合、ディーゼルサイクルよりもブライトンサイクルのほうが
面積が広い=出力が高い=効率が高い、となるのです。
ターボチャージャーはディーゼルエンジンの排気圧をもとにして吸気を圧縮し、
ディーゼルサイクルをブライトンサイクルにすることで効率と出力を上げることができます。
ちなみに、実際にターボチャージャーで上がる熱効率は3%程度と言われているようです。
排気圧損失を極小化するにはロングストローク化等によって燃焼ガスを
十分膨張させて(=十分仕事させて)気筒内気圧が下がってからリリース
するのが一般的では?
過給によって空気と燃料を2倍ぶち込んで、ストロークが同じなら
下死点での気筒内圧力は上がりそうに思えるので??ですが
続きを拝聴しましょう・・・
ブライトンサイクルについて上記のHPを見てみましたが、ガスタービンの
解説ですな・・・
[1]ブライトンサイクル
ガスタービン機関は回転圧縮機で圧縮した空気を加熱し,
高温高圧のガスでタービンを回して回転軸から出力を取り
出します.圧縮機とタービン回転軸でつながっており,タ
ービン出力の一部で圧縮機を駆動します.往復式内燃機関
と異なり,連続して定常的に流しますから大出力を取り出
せますが,空気の圧縮に大きな仕事を必要としますので,
熱効率には問題があります.
このガスタービンの基本サイクルがブライトンサイクルです.
と書いてあります。で、
ターボチャージャーはディーゼルエンジンの排気圧をもとにして吸気を圧縮し、
ディーゼルサイクルをブライトンサイクルにすることで効率と出力を上げることができます。
???????????
人気の無い刷れではなく多くの人の見ている前で同様の解説賜りたく。
190 :
名無しさん@3周年:03/03/18 17:54 ID:xSJkwHzm
>>188-189 失礼、初めにお断りするべきでしたが、
>>186-187はターボチャージャーによる熱効率の変化を
理論サイクルの側面から説明したもので、実際の機関内部での現象の一部を略した説明となっています。
とりあえず、そういう事ですから「ディーゼルサイクルをブライトンサイクルの形に変えるので
ターボチャージャーの追加により熱効率が上がる」ということについてはご理解を頂きたいです。
>空気の圧縮に大きな仕事を必要としますので,
>
>熱効率には問題があります.
これはターボコンプレッサーには理論的に逃れられない弱点があることが理由です。
先程御紹介したサイトより、実際のガスタービンサイクルについての説明があります。
実際のガスタービンサイクル
ttp://www.ms-5.mech.kobe-u.ac.jp/weblec/frame/main/054/054.htm#3 あちらのサイトには詳しくは述べていませんが、この圧縮・膨張損失はタービンコンプレッサーが
中で流体を「流して」いる事が大きな原因となっています。コンプレッサー内で流れが生じているため、
その流れによる摩擦損失が生じ、この摩擦熱が気体の挙動に作用しています。
これはターボチャージャーでも同様で、同じように摩擦損失が生じます。
なお、ピストン中の気体は全体としては殆んど「流れ」ていないため、このような摩擦損失は
殆んど無視して良いぐらいに小さいものとなっています。