177 :
名無しさん@1周年:
テリーは疲れていた。
深夜の執務室でタバコの火をつけて、直ぐに消した。
やめていたタバコを彼はまた吸いはじめていた。
窓から見える赤坂の夜景を眺め、彼はぼんやりと考えた。
確かにここまでよく存続してきたな。
だがこの会社の10年後を思うと、大いなる不安をなぜ私は感じる?
魂の抜けた空疎な言葉が社内を飛び交うのみで肥大化した組織からは、
責任逃れのエクスキューズの合唱のみが騒がしい。
前向きな理念が私には見えない・・・。
一体皆どう会社を発展させたいのか?どう仕事を通じて自己実現したいのか?
2ちゃんねるとやらの掲示板で、文句を垂れるだけの手合いは、
では自身で会社を変えてやろうと云う、前向きな意見は無いのか?
そもそもベンチャーに毛が生えたような我が社に、何故安定を求める?
テリーは我知らず、呟いた。
俺は昔どのような人間になりたかったのか?
今の俺はどこまで辿りつけたのか?
苦い思いが心の中を広がっていく。