6/5(月)の日刊スポーツ
【日刊スポーツ評論家・中野浩一のファイナルプレーバック】〜文句なしの優勝〜
山崎が強かった。
競りなしで回った佐藤を封じての優勝は文句なしだ。
山崎の良さは、トップスピードの持続力とレース運びに優れていること。
3日間、走った感触から自信もあっただろう。
決勝は打鐘すぎの2センターで踏み出し、
バックはそのスピードを保ちながら、無駄な力を使わず、ペダルを回していた。
実際、山崎は楽に走っているように見えただろう?
その余裕が直線の踏み直しにつながった。
あの踏み方をされると、後ろにつく選手は抜きに行くタイミングが難しい。
真後ろの兵藤を確認していた佐藤にとって二重の迷いだ。
焦った結果、ハンドルを投げるのが早かった。
先行1車の展開を生かし、うまく走った山崎はもっとタイトルを狙える。
山崎の番手は結果論でなく、最も1着に近い位置。
なぜ、誰もそこを攻めないのか。
井上にしても岡部の方が攻めやすい気持ちは分かる。
だが、最初から3番手狙いでは、踏み出すスピードが遅く、競り負けてしまう。
2番手に飛びつくつもりで3番手を狙うぐらいの気持ちが必要だった。
3着の兵藤も人任せのレースという印象だった。
存在感がなかった村本もそう。
ファンが見たいのは誰もが1着を狙って走るレースだ。
88期からタイトルホルダーが出たことで、若手がガムシャラに走り、より世代交代が進むことを期待したい。