ジョッキーバトルロワイヤル

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227( ´з`)
後藤が血のついた木刀を洗っていると、オークススクエアの一角にある
PRコーナーの中に入っていく影が見えた。
背格好からして後藤がこの世で一番忌み嫌っている人物…吉田豊であろう。
彼は何故わざわざ見つかり易いガラス張りの建物が多い場所を選んだのか、
はっきり言って自殺行為なんじゃねーのか。
まあいい、俺のこの木刀の餌食がまた一人増えた訳だ。
後藤は木刀を握る手の力を強め、影の後を追った。

「誰だ?そこにいるのは?!」
しんと静まり返ったPRコーナー一面に後藤の怒鳴り声が響く。実は入った時点で
受付の机の下に潜り込んでいる吉田を見つけたのだが、あえて気付かない振りをして
わざと声を張り上げた。
吉田は息を殺して沈黙を押し通そうとしたが、不意に身を起こした瞬間、
机の間に入っていたチラシがバサバサと音を立てて頭の上に降り注いだ。
「そこかああああっっっ!!!」
吉田が顔を挙げるや否や、木刀を持った後藤が机の上に飛び乗った。