ジョッキーバトルロワイヤル

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19名無しさん@お馬で人生アウト
「威嚇射撃!」
尾形の号令が飛んだ。
それに合わせて、兵士達が一斉に床へ向けてマシンガンを発射する。
ただならぬ轟音とともに、床面のコンクリートが削られ、破片が宙に舞う。
圧倒的な『実弾』の恐怖。
その威力の前に、泣き叫んでいた騎手達の動きが一瞬にして止まった。
そして、数秒間の掃射が終わる直前――
床に跳ね返された弾の一発が、横山典の左膝をかすめた。
「痛っ!」
横山は傷口を押さえ、その場にうずくまった。
「――ノリちゃん!!」
その様子を見た蛯名は、慌てて横山のもとへと駆け寄る。
「大丈夫か!?ノリちゃん!」
蛯名はそう言うと、ポケットからハンカチを取り出し、それを横山の膝へと巻き付けた。
「大丈夫。かすり傷だから……ありがとう」
横山典は苦痛に顔を歪めながらも、蛯名に礼を言った。