【競馬】芝を走るコイノボリ★2【小説】 [転載禁止]©2ch.net
1 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :
('仄')パイパイ('仄')パイパイ
3 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/07(金) 10:40:17.17 ID:yWT1m8Hi0
それから三日後、いよいよトロサーモンの2戦目、札幌二歳ステークスが行われる日が来た。
各新聞紙はこぞってトロサーモンを絶賛。オッズは二倍台前半であり、佐山のコメントめ気持ちがいいぐらい自信満々。あとは勇気に任せますと書かれていた。
勇気は最近の調子の良さ、負けても全力をつくし、それでいて馬を想いやるスタイルが競馬ファンから評価され、かなりの人気者になっていた。
この日も3レースのパドックで
「おい勇気ー! お前うちの娘もろてくれー!」と叫ばれる始末だ。
もちろん勇気は苦笑いですますのだが。
「今日はトロサーモンえらい人気しとるなー」
11レース前、竹田が勇気に話しかけてくる。勇気はその言葉にいつものように苦笑いしながら、そうですね。と答えた。
「今日もトロサーモンは逃げか?」
「それは……」
勇気は正直に言おうか迷った。竹田ほどの騎手なら、トロサーモンは逃げしかできないことに気がついているはずであり、今の質問は今日は勝ちにいくのか、教育するのか、といった類の意図が隠れている。
もちろん逃げるための調教しかしていないため、答えはYesなのだが。
「すまん、すまん。言いにくい質問したな。ただ逃げならあいつに気をつけろって言っときたかっただけや」
あいつーー勇気は名前を聞く前に理解した。
逃げの天才、瀬島信成。
4 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/07(金) 11:27:18.93 ID:yWT1m8Hi0
「瀬島さんも札幌二歳ステークス乗るんですね……乗り馬もデビュー戦逃げからの引きつけて離す競馬ですし恐いですね」
勇気は瀬島の恐さを十分に理解していた。瀬島は差し馬でも追い込み馬でも、どんな馬でも逃げ馬に変えてしまう。
もともと本質が逃げであったが、血統的に追い込みをさせようとしていたトロサーモンとは違い、追い込みしかできないような馬でも逃げさせたりするのだ。
「僕の話ですか?」
話をしている勇気と竹田の間に、瀬島はぬっと顔を出してきた。
すらっとした高い身長に全く覇気のない表情。目の下にはくまがはっきりと出来ている。背が高いということは、それだけ減量も辛いということなのだろう。
「おい瀬島! お前は今日も逃げるのか?」
「当たり前じゃないですか竹田さん。僕が逃げ馬で逃げないわけがないでしょう」
勇気は本当か?と思った。レース前のジョッキーどうしの会話は探り合い、心理戦の世界だ。誰もが逃げると思っている今回、逃げないという作戦に出てくるかもしれない。
必死に考え込んでいる勇気の鼻を、瀬島はとんとん、とつついた。
勇気は驚き、後ずさる。
「勇気くん、余計なことは考えたらだめだよ。僕は逃げる。僕は僕のやり方に自信があるからね」
5 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/07(金) 17:46:15.35 ID:yWT1m8Hi0
瀬島はそう言い残して去って行く。
「あいつほんま不気味やな」
まぁあんまり気にするな。逃げなあかんなら逃げるしかないんやから。
竹田は勇気にそう励まして、背中を押す。
そうだ。
瀬島さんがどういう競馬をしようが、この馬には逃げるしかない。
パドックで歩いているトロサーモンの見える位置に来た勇気は気持ちを高め、レースをイメージする。
パドックでの様子はまだ落ち着いているとまでは言えないが、新馬戦のときよりも静かだ。
跨った感触も、前よりも大きく感じる。
返し馬に入ると、トロサーモンは行きたがった。さすがにここはと勇気は抑える。それにたいしても反抗などはない。
落ち着いてるな。
観客はそんな風に見ていたが、逆に勇気はそれを不安に思っていた。
ゲート入り前になってもトロサーモンは全然テンションが上がってこない。
このテンションで戦えるのか? 瀬島さんの逃げ馬と。
そんなことを考えていてもレースの時は来る。ゲートに入り他馬を待つ。そして全馬が入った時、隣の馬が暴れ出した。
6 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/07(金) 18:04:55.09 ID:yWT1m8Hi0
それを見たトロサーモンも突如立ち上がる。
「今かよ!」
勇気は思わず声を出してしまった。
今の今まで落ち着いていたのに、急に沸騰するかのように立ち上がったトロサーモンを勇気は無理やり抑える。
その瞬間ゲートが開かれる。
出遅れか……
勇気は出遅れを覚悟した。
しかしトロサーモンは驚くほどに他馬と同じタイミングでスタートをする。
トロサーモンのスタートは馬券購入者と勇気、佐山、黒山を安心させた。
そしてそのまま一気に前にいく。
スタート決まったならなおさら行くしかない。勇気はそう考えた。
しかし外から同じようについてくる馬がいる。瀬島とその騎乗馬、レミオだ。
レミオはトロサーモンから前を奪おうとしてくるが、勇気はトロサーモンを抑えていないため、どんどん早くなる。
瀬島さんーーどこまでついてくるんだ。勇気は瀬島を牽制するように睨む。
そのまま他の馬とは6馬身の差が広がった。
これはさすがに持たない……どうする。抑えるか?
しかしそうして勇気が葛藤している間に、レミオは一旦下げる。
瀬島はニヤリと笑った。勝ったと。
トロサーモンは絶対に持たない。これで最後まで逃げ切れば怪物だ。と。
瀬島の考えていることに気付かない勇気は安心していた。
助かったと。
7 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/08(土) 12:15:19.02 ID:blCaaQdZ0
しかしコーナーに入る直前、自分の競馬が間違えていたことに勇気は気付くことになる。
勇気が後ろをチェックすると、6馬身あった差が2馬身まで詰まってしまっていたのだ。しかも後ろにいるのは逃げの天才瀬島。
こんなところで脚がなくなるなんて……持つ持たないの話じゃないぞ。
そう考えながら勇気は3コーナー途中で鞭を入れる。
しかしギアは上がらない。
ダメだ。負けた。
完全に俺の騎乗ミスだ!
勇気は鞭を打ちながら、逃げ争いで意地を張ってしまった自分を悔いた。
トロサーモンに無理な競馬をさせてしまった。
4コーナーの終わりで他馬が流れ込んでくる。
トロサーモンの横にピッタリとレミオが付き、他の馬もすぐ後ろにまで接近していた。
8 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/08(土) 12:43:47.14 ID:blCaaQdZ0
レミオの手応えは楽そうだ。
抜群のペース配分で回ってきたレミオ、飛ばしすぎてバテたトロサーモン。
もちろん前に出たのはレミオの方だった。
グン
しかしその瞬間。
勇気の身体は突然沈み込むような感覚に包まれた。
トロサーモンの一気のギアチェンジ。
3段階のギアだとすれば真ん中のギアを飛び越すような。
恐ろしい瞬発力。
外から首を出したレミオをもう一度差し返す。
「踏ん張れ!!」
勇気は叫びながらトロサーモンの首を押し出す。レミオにはもう一度差し返す体力は残ってなかった。
ズルズル下がっていくレミオを見ながら、勇気は感じた。この馬は怪物だと。
しかしそこで
観客が不自然に盛り上がる。
ゴール前、トロサーモンが首を前に出したとき、ある一頭の影が横に並んだ。
9 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/09(日) 01:13:08.63 ID:Ztd8fpxU0
あげい!
一人でなにやってんの?
一日のレースが終わり、勇気佐山、黒山は佐山の家に集まっていた。
「いやーそれにしても今日の勇気の騎乗、天晴れや!まさか最後に脚残してたなんて」
「いやいやあれは騎乗ミスですよ……逃げさせすぎました。むしろあそこで伸びたトロサーモンが怪物です」
「やっぱりわしの馬はさすがや!」
トロサーモンの話で盛り上がる中、当然あの馬の話が出てくる。
最後に後ろの位置から一頭だけ違う脚を使って上がり最速を出し、トロサーモンとクビ差まで食らいついた。
蟹沢騎乗、ヨークデビル。
「それにしてもあの馬の伸びエグかったな。二着のやつ」
「人気も9番人気ぐらいで、血統も地味なのに、あの走りは凄いですね」
「たしか親はG1勝ちなしやろ? あんなんまぐれや」
黒山は上機嫌に日本酒を口に運ぶ。
しかし佐山には分かっていた。ヨークデビルがまぐれではないことが。
「まぁ……次見たら分かるやろ」
それでもこの場で言わなかった。というか言えなかった。このままではトロサーモンはすぐに抜かされると。
12 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/09(日) 11:20:16.88 ID:Ztd8fpxU0
トロサーモンのレースから3週間が経った。トロサーモンは札幌2歳後疲労が大きかったので放牧へ。
ヨークデビルは野路菊Sで6馬身差で圧勝した。
共に目指すのは朝日杯。
もう一度ヨークデビルと当たることになる。
そしてコイノボリの方も放牧前の最後の調教の日を明日迎える。
コイノボリの身体は帰ってきたときと比べるとかなり絞れており、馬体重も前走よりプラス20キロほどになっていた。
「勇気。明日の調教、ちょっといつもと変えるぞ」
佐山は突然勇気に電話をし、そう伝えてきた。
「変えるというのはどんな風にですか?」
勇気はジムで身体を鍛え終え、ストレッチをしている。勇気の身体は生まれつき柔らかく、さらにストレッチを怠らないので、落馬したり、怪我をすることは少なかった。
「コイノボリとトロサーモンを一緒に走らせる」
勇気は佐山のその言葉を聞いた瞬間、驚きから携帯を落としかけた。
「それは大丈夫なんですか!? どちらかに悪影響が……いや下手したらどちらにも。佐山さんいつも馬は繊細だって言ってるじゃないですか!」
勇気は佐山の案に反対だった。
馬は繊細。佐山が常々勇気に言い続けてきた影響もあり、勇気もそう感じている。
なんだこのくっせぇスレ
14 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/09(日) 11:53:33.95 ID:Ztd8fpxU0
それなのに2週間の放牧からトロサーモンを帰し、さらに怪我を恐れてまともに走れていないコイノボリと二頭で調教なんて、とても勇気には認めることができなかった。
「勇気頼む。やらせてくれ」
「ダメですよ! トロサーモンの放牧だってもっと長くとって朝日杯に行くべきじゃないんですか?」
勇気は佐山に意見を言うことはよくあったが、ここまで強く言うことはなかった。
佐山も勇気の言い分が正しいことは理解している。
「勇気、わしは今年で終わりや」
勇気が正しいことは分かっていながらも、勝負をしようという理由。
「なんとしても年の最後の舞台でコイノボリを勝たせたい。わしはダービーも取れんかったし、G1も15年前のスプリンターズだけや。有馬記念勝ちたいんや」
有馬記念を勝ちたい。
誰もが持つその願望を佐山ももちろん持ち合わせていた。
そこを勝つには特別なことをしなければいけない。
そしてトロサーモンに関してもこのまま今まで通り、他の調教師と同じような調教をしても、ヨークデビルに勝てる姿が見えない。できる限り調教しなければいけない。
佐山は賭けにでるしかない。そう考えたのだ。
「分かりました。黒山さんに怒られても知りませんから!あとトロサーモンの怪我には気をつけてください!コイノボリも予定通り放牧ですよ」
勇気は佐山の意思を尊重することにした。
それはおじいちゃんのような存在である佐山の、最初で最後のわがままのように感じたからだろう。
次の日、帰ってきたばかりのトロサーモン、放牧前最後の調教のコイノボリの二頭が揃った。
勇気はコイノボリの背中に乗り、トロサーモンの背中には調教助手が乗ることになった。
勇気はコイノボリの頭を撫でて落ち着かせる。
佐山はこの日にコイノボリの怪我を恐れる姿勢を改善させるつもりだ。
勇気は昨日一日、必死に考えていた。
なぜコイノボリが未だに怪我を恐れているか。
スポーツ選手も大きな怪我を負うことはよくあるが、トラウマになる人、ならない人様々だ。
トラウマになる人とならない人の違いはなにか……もし自分なら……
そう考えた時、一つの答えが出た。
楽しむことだ。楽しいという気持ちで自分の中をいっぱいにして、苦しかったことを消していく。
けど、そのためには周りのはげましだったり支えが必要になることがある。
「今日は俺が支えてやる。大丈夫だ」
勇気はコイノボリの上で呟いた。
そして調教が始まる。
16 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/10(月) 10:50:36.83 ID:jNPU3yd40
まずはトロサーモンが前に出る形。それをコイノボリが追走。
走り方は今まで通りぎこちないままだ。
トロサーモンはまた成長しているように勇気の目に映った。落ち着いてるし、軽く走っている。一歩一歩の幅が大きい。
追いかけるコイノボリは脚の出が悪いまま。どんどん離される。
最後の3Fに差し掛かった。
トロサーモンがさらに伸びはじめる。この前まで残っていた疲労が全く感じられない、怪物の走りであった。
しかしコイノボリもこのままでは終われない。
勇気は昨日考えた楽しむための方法を思い出す。コイノボリが楽しむためには自分の芯から湧き上がる楽しさを伝えなければならない。
そして一心同体。
「っーーあれは!」
佐山は思わず身を乗りだし、目を剥いた。
黒山に関しては驚きから声を失う。
勇気は競馬学校時代から騎乗する姿が綺麗な騎手として周りから見られていた。実際身体の柔らかさを生かし、ほぼ崩れない美しさを持っている。
17 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/10(月) 11:06:55.11 ID:jNPU3yd40
そんな勇気がコイノボリの上で、身体を動かしはじめる。
それは賛否両論を巻き起こすダンス騎乗、トントン騎乗と呼ばれる騎乗方法であり、現役騎手では斎藤、蟹沢などが採用している。
うまくいけばしっかりと追えるが、それにも技術が必要であり、一歩間違えれば馬の邪魔になってしまうという諸刃の剣だ。
今まで勇気はその騎乗をしたことはなかった。というのも勇気はダンス騎乗反対派の人間であり、佐山もできたらやらないでほしいというのが本音だと勇気に言っていたからだ。
美しい騎乗を目指していた勇気にとって、それは自分の誇りを投げ出す行為。
しかし勇気にとって誇りよりも大切なものがここにはあるのだ。
勇気は叫ぶ。
「弟に負けるな! コイノボリ!」
身体を上下に動かす。
競馬の楽しさを、熱さを、身を以てコイノボリに伝える。
勇気の気迫に応えるように、コイノボリやね走りをぎこちなくしていた心のネジが次第に緩み始めた。
コイノボリの走りにリズムが生まれる。そして前へ前へ。
トロサーモンの背中が見えてきた。
佐山も黒山も、口を開けたままその調教とは思えない調教にじっとのめり込む。
18 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/10(月) 11:22:01.29 ID:jNPU3yd40
そしてネジが外れる瞬間を、勇気は感じた。
「飛べ!!!」
勇気にも何故そのような言葉が出てきたのか分からない。馬は飛ぶ動物じゃなくて走る動物である。
ただ
ただなんとなく
飛べるような気がしたのだ。
トロサーモンよりもさらに大きく脚を前に出す。久々に見せたコイノボリの切れ味は鋭さを増していた。
それは馬が成長したのか、勇気との仲がいっそう深まったからなのか、ダンス騎乗がはまったからなのか。
それは分からないが、目に見えないなにかがコイノボリの中のネジを外したのだ。
一歩一歩トロサーモンに近付き、風のような速さで並びかけ、突き放す。
強い。
コイノボリもまた、怪物であることを証明した。
19 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/10(月) 18:39:07.02 ID:jNPU3yd40
調教を終えた勇気はコイノボリから降りる。
コイノボリの顔を確認するとどこかスッキリしたような、まだ走り足りないような、そんな様子が見てとれた。
トロサーモンは負けたのが悔しかったのか、勇気に乗ってもらえなかったことに対する嫉妬なのか、一歩も動かずに、はじめのときのように睨んでいる。
それに気付いた勇気はコイノボリに対してよくやったと褒めてから、トロサーモンのところに向かい、いつものように顔を優しく撫でた。
するとトロサーモンは満足したように歩き出す。
佐山もすぐに勇気に向かってきた。
勇気は怒られると思った。それも覚悟の騎乗だった。
しかし佐山は勇気を抱きしめた。
勇気が久しぶりに佐山の家を訪れた時のように。
「ありがとう。ありがとう。」
佐山は何度も繰り返す。
佐山の賭けは勇気により、報われた。
黒山はさらに二人を包み込む。
「最高や。ほんまに最高や」
今この場において、多くの言葉はいらないことを三人とも理解していた。ただ三人で泣いて、泣き止んで、笑った。
その様子をコイノボリとトロサーモンは見続ける。
冷たい風も不思議と暖かく感じた。
20 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/10(月) 19:03:30.57 ID:jNPU3yd40
10月1週目の日曜日夜。
勇気は新聞を片手にテレビと向かい合っていた。
もちろん場所は佐山の家で、佐山、黒山も一緒だ。
今日は日本中が注目するレース、凱旋門賞が行われる。一番人気は日本馬、ループミレニアムだ。
「フォワ賞で3馬身差で圧勝したループミレニアムが一番人気か」
「けど大丈夫なんか? このレース3歳牝馬が斤量的に有利なんやろ?」
佐山と黒山の会話に口を挟むように、勇気はループは斤量に負ける馬ではありません。と強い口調で言った。
やはり一度乗った馬ということもあり、勇気は純粋にループミレニアムに勝ってもらいたいという気持ちが強い。
佐山、黒山も凱旋門賞馬になったループミレニアムをコイノボリで負かしたいという想いがあり、理由は違えどループミレニアムを応援する気持ちには変わりはなかった。
今年の凱旋門賞は18頭立て。
ループミレニアムは14番ゲートからの出走である。
1番ゲートに3番人気カリフォルニア、3番ゲートには4番人気3歳牝馬トゥラブ、6番ゲートには2番人気去年の覇者4歳牝馬ヤングガールとループ以外の人気馬は内に固まった。
「ループももうちょっと内が欲しかったな」
黒山はそう言った後に煎餅を齧った。バリッという音とともに、佐山の広げている新聞の上に煎餅の欠片が飛んでくる。
佐山はそれを飛ばすなよと言いながらゴミ箱に捨てた。
枠入りは順調に行われる。
ループもいつも通り落ち着いていた。
「ループがどの位置から競馬するのかに注目やな。竹田頼むぞ!」
「届かないリスクがある一番後ろではないでしょう。抜け出してからの遊び癖がなくなった以上、負ける姿が見えないです」
「おい、勇気!わしのコイノボリに乗った時はちゃんと勝ってもらわなあかんねんぞ!」
3人は結果だけでなく、ループミレニアムがどんな競馬を見せてくれるのかという点にも注目していた。
名手竹田にとっては4度目の凱旋門賞挑戦となる今回一体どんな乗り方をするのか。
日本中の期待を浴びながら、ループミレニアムと竹田はスタートした。
「よっしゃ良い位置取りや! さすが竹田や!」
まず叫んだのは佐山。竹田は10番手ぐらいの位置でループミレニアムを落ち着かせている。
「けど有力馬3頭全部前おるぞーー大丈夫か?」
「大丈夫です。竹田さんは完璧です。多分前の馬もしっかり差します」
心配性な黒山は勇気の言葉を聞いて少しだけ安心した。
レースは3列になり進んでいるが、ループミレニアムはいつでも外に出せるように、一番外側を走っている。
22 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/10(月) 22:52:21.00 ID:jNPU3yd40
あげ
23 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/11(火) 08:20:07.49 ID:LXuvfQoZ0
「あっ!」
しかしそんなループを閉じ込めるようにフランシプレゼントが横にピタッと取り付いた。
「これは一番人気を潰しに来たのか、日本馬を潰しに来たのか……」
「露骨ですね」
ループの前には一頭走っており、ループは囲まれる形になった。
さらにレースは動く。
後ろの馬と前の馬との感覚が一気に密集した。
「これぞ凱旋門賞。日本の競馬のように綺麗にはまとまらん」
「けどこれを破ってこそのループやろ」
コーナーを曲がり、フォルスストレートに入った。しかし馬群は密集したまま。
ループミレニアムは包まれている。
後ろの馬はどんどん前にいくためにスピードを上げていく。
「あかん! 前に出せへん! 結局一番後ろからの直線や!」
最終コーナーを曲がり切り、直線。
馬群は広がった。
密集していて一番前の馬との差はそんなに無いとはいえ、ループの位置は一番後ろ。
18頭立ての一番後ろから勝った馬などもちろん過去にいない。
24 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/11(火) 08:33:16.96 ID:9hyidCuBO
もちろん今回も敗北しました
25 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/11(火) 10:56:29.75 ID:wV+YL3pr0
しかしループは伸びてくる。そして抜けた前3頭に迫る。
「凄い足だ!」
竹田のは綺麗なフォームを維持しながら、追い続ける。それに応えるようにループは足の回転を上げた。
地鳴りがテレビ越しに聞こえてくるような足の回転の早さ。
もう邪魔する馬もいない。
「差せ!」
3人の声が重なったとき、早めに抜け出した有力馬3頭とループがゴールに辿り着いた。
4頭が半馬身に収まる激戦。
「これは分からんぞ」
スローで見ると、トゥラブとループが優勢だが、その2頭のどちらかは分からない。
「ループでしょう!?」
「いやけど差してきた方が有利に見えるが実際はということもあるし」
「黒山さんはループに勝ってほしくないんですか!?」
ついつい熱くなってしまった勇気を、佐山は落ち着けといって、酒を渡した。勇気はそれを一気に飲む。
26 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/11(火) 11:25:06.71 ID:wV+YL3pr0
写真判定は10分以上に及んだ。
その間にもテレビでは何度も何度もスロー映像が映される。
しかしその差は人の目には分かりづらい物であり、何度見ても答えは出ない。
そして出た答えはやはりわからないであった。
同着です!今ここに史上初の日本の凱旋門賞馬が生まれました!
テレビのアナウンサーが興奮気味に伝えるのを三人は呆然と聞く。
「同着か……」
「なんか嬉しいですが、パッとしないというか」
三人は残念がったが、ループミレニアムが凱旋門賞を、同着ではあったが制したというのは変わらない。
これで6冠。
次の目標はJC、有馬記念を制してのJRA史上初の8冠。
ループミレニアムの戦いはまだまだ終わらない。
27 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/11(火) 11:46:35.37 ID:9hyidCuBO
年明け、AJCCに登録されたループの姿があった。
何と、JCとAJCCを間違えて登録してしまったのだ。
28 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/11(火) 15:15:06.20 ID:gp95YJqFO
絶対君 ◆fJFuyhTwO6
【競馬】芝を走るコイノボリ★2【小説】
絶対の自身作kana
絶対はじょう手に絶賛執筆中
よ・ろ・し・くぅ〜♪
29 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/11(火) 15:58:20.10 ID:wV+YL3pr0
11月
トロサーモンは順調に鍛えられ、見るからに筋肉が浮き上がって来た。太陽の光を纏いながら、大きく、しかし軽いフットワークで走る。
佐山は12月の朝日杯まで一度も放牧に出さず、鍛えに鍛え抜く道を選んだ。
2歳馬はレースに出した方が馬がレースを覚えて成長する。という人もいるが、佐山はこの馬に関しては違うと感じているのだ。
レースを覚えることももちろん必要だが、それよりも能力自体を引き出してやった方がいい。
この馬はまだまだ爆発的な能力が隠れているはずだから。
しかしここで嬉しい誤算が生まれつつある。
「佐山さんトロサーモンなんですけど」
「勇気どうしたんや?」
「最近反応が凄く良いんです! ずっと抑えずに自由に走らせていましたが、最近は自分でコントロールしてるようで、とにかく初めから全力、最後はさらに根性でって感じじゃなくなってきました」
勇気の言うとおり、デビュー戦前までやんちゃ坊主であったが落ち着きが生まれつつあったトロサーモン。そこからさらに走るためのスタミナ配分を覚えるまでになっていた。
佐山からすると逆に不安になるぐらいである。
「しかしなんでや? そういうのはレースを使ってこそ身に付くもんやと思っとったけど」
佐山の疑問に勇気は胸を張って応える。
「あのコイノボリとの調教からですよ! 負けたのが余程悔しかったのかもしれません」
トロサーモンにとってはあれが初めての負けですからね。勇気はそう続けた。
30 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/11(火) 16:15:48.86 ID:wV+YL3pr0
「せや! それも嬉しいけどコイノボリの感触の方はどうやった?」
実はコイノボリもこの日、帰厩してから初の調教であったのだが、もし前の走り方に戻っていたらと、佐山と勇気は昨日から不安がっていたのだ。
しかし佐山の質問に勇気は笑顔で大きく頷く。佐山はその笑顔を見て内容を理解した。
「完璧ですよ。完璧に昔のコイノボリの走りに戻りました。いや昔よりもなんだか良い感じです。僕の乗り方もコイノボリの時は変えたままにしてるのですが、もうほんとお互いの気持ちが通じ合ってるようでーーー」
もうループミレニアムにも勝てますよ
そう勇気は続けようとしたがその前に佐山が口を開いた。
「もうちょっとやな」
「え?」
「もうちょっとで勝てるようになる。ヨークデビルにも、ループミレニアムにも」
勇気には佐山の言っていることを理解するのに時間が必要だった。
こんなに調子がいいにも関わらずもうちょっと?しかもヨークデビルとは一度負かした馬だ。
その時太陽が遮られ、一気に空が暗くなる。
「あかん! 雨が降る! 早く中に入ろう」
佐山が勇気に説明することなく、その日は終わった。
31 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/11(火) 16:45:49.96 ID:wV+YL3pr0
それから勇気は、その佐山の言葉も忙しい中で忘れてしまった。
土日になれば競馬があり、夏から好調を維持し続けている勇気には馬がどんどん集まってくる。
水曜日になれば、コイノボリとトロサーモンの調教のため佐山厩舎を訪れる。
コイノボリは綺麗で飛びの大きいフォームを取り戻し、身体も調教を積むごとに絞れてきた。雨の日の日もあったが、それでも悪い馬場を苦にしないところを見せて佐山を安心させた。
トロサーモンに関しては馬体も大きくなったうえ、調教をするごとに成長を見せる。
力強さはもちろんのこと、コーナーリングなどの器用さの面での上達も見えはじめた。
もともとファンが多い2頭であるため、新聞も特集などでその様子を取り上げる。
佐山調教師のラストイヤーに競馬の神様は全てを与えるつもりだ! と書いてある記事もあった。
そうして全てが上手くいったまま、勇気は11月の最後の日曜日を迎える。
ジャパンカップ
トゥラブの来日もあり、凱旋門賞の熱戦再びと一面にでかでかと取り上げられた。
ループミレニアムVSトゥラブ
世界中の競馬ファンの視線そこに集まっている。
32 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/11(火) 23:54:58.38 ID:ksN/M/M00
33 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/12(水) 09:16:59.85 ID:LYieW+Zy0
これは世界一決定戦だ。
それは口にするまでもなく、誰もが理解していた。
トゥラブの騎手ムーラは「凱旋門賞でより優れていた馬を決めにきた」という言い、竹田は「ここは日本。ホームでは負けられない」と返す。
トゥラブは1枠1番、ループは1枠2番。
枠も隣同士となったが、先行馬のトゥラブの方が有利な枠順と言えるだろう。
そんな中で、勇気は別の馬に乗ることになっていた。3枠6番。その名もプルプルミクロマン。
勇気はこの馬の依頼が来た時、なんだこれはと思った。3歳馬であり、NHKマイルカップでは3着。菊花賞でも2着にきた。距離適性もよく分からないが、先行でも差しでもできるという自在性もあり、脚質もよく分からない。
名前に関しては普段コイノボリやトロサーモンと深く接しているためそこまで気にはならなかった。
人気は6番人気。
まぁこんなものだろう。と勇気は感じている。
パドックに入り、跨る。
観客は全くプルプルミクロマンを見ていない。1枠の2頭しか見ていないのが、騎手側にもはっきりと分かった。
まぁそうなるわな。
勇気はそう考える。レースはもちろん本気でやるし、諦めなどは全くないし、2頭にもくらいつくつもりだが、誰もこの馬を応援しないだろう。
ループとトゥラブの着順の間にプルプルミクロマンの名前が入ろうものなら、失望する人も多そうだ。
最近へらどうなの?
35 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/12(水) 10:36:27.42 ID:LYieW+Zy0
36 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/12(水) 18:38:23.21 ID:OX8N4KY90
そんな風に考えていた勇気の耳に、子供の甲高い声が聞こえてきた。
「ミクロマンがんばれー!!!」
勇気はその言葉でハッとなる。
そして笑いがこみ上げて来た。
そりゃそうだよな、この馬にも応援をくれる人はいる。
これだから騎手はやめられない。
勇気は顔を再び締め直した。
この子供が将来、この馬のことを覚えているかは分からない。馬券を買っている人がずっと応援してくれるとも限らない。
だがしかし、騎手は今この瞬間に応援してくれる人のためにも、必死に馬に乗らなくてはいけないのだ。
ファンファーレがなり、東京競馬場は大きく盛り上がる。ループミレニアムを応援している声が大きく聞こえてくる。
その声に隠れているが、たしかにある小さな声の存在を知った時、騎手はまた一つ大きくなる。
ゲートが開いてスタート後、すぐに激しいポジション争いが行われた。
ミクロマンは中団の位置。
この馬ががあの最強馬2頭に勝つには、内をつくしかない。勇気はそう思っていた。
外を回す余裕はない。
じっと内で待ち、進路が空いた瞬間にそこを突く。それしかない。
ループもトゥラブもいつもの位置に落ち着いている。
37 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/13(木) 10:03:33.06 ID:byxiQVJd0
レースはポジション争いが終わると、なにも起こる気配がないくらいゆったりと流れた。
先行しているトゥラブが有利とするスローの流れ。勇気はミクロマンをじっと我慢させている。
そして東京の長い直線に向けて、馬群はコーナーにかかった。
勇気はそれでも我慢させ続ける。
後ろの馬は前をとらえるために追い出しを開始。どんどんと外に流れる。
そして直線に入る直前、みんなが進路を確保するために外を選択する中
ミクロマンの前が空いた
勇気はその瞬間に馬を押す。
馬はそれに応えてぽっかり空いた一番内に潜り込む。
しまった! という顔で、トゥラブの騎手であるムーラは勇気のことを見た。
なにも勇気はただ内が空くのを待ち、たまたま内が空いたからついたのではない。
内が空くことを予測し、そこを確実についたのだ。
なぜそんなことができたのか。それは勇気の研究の賜物だった。
ループミレニアムと並んだトゥラブは一体どんな馬なのか。
気になった勇気はトゥラブのレース映像を全て見た。その結果分かった一つの癖。
38 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/13(木) 12:19:55.63 ID:byxiQVJd0
トゥラブは右回りはスムーズに回れ、得意なのだが、左回りは苦手であり、少し膨らんでしまう。
だからトゥラブが膨らむのを待っていればそこに隙間が出来る。
内を突くことができるのだ。
「走れミクロマン!! さっきの子供が見てるぞ!」
最内で反応よく加速したミクロマンと、その横で伸びはじめたトゥラブが直線真ん中ぐらいで馬群から抜け出す。
ループミレニアムはまだ見えない。
「ミクロマンもうちょっとだ!」
残り200メートルのところでトゥラブの脚色は鈍る。それは海外遠征による疲れなのか、苦手な左回りによるものなのか。ミクロマンの一馬身の抜け出し。
しかしそれはほんの一瞬で崩された。
勇気の目の端たしかに捉えた。
一頭だけ別次元の脚で後ろから飛んできた怪物を。
食らいつく暇も与えない、一瞬で置き去りにする、残酷な最強馬。
ループミレニアム。
勇気はミクロマンに鞭を打ちながら思った。
ミクロマンはよく頑張った。
ただ
ループが強かった。
だが勇気は最後、ただ無我夢中で追うだけではなく、しっかりと目で確かめた。ループはどれくらい脚を持続させるのか、最速の脚はどれくらいなのか。次の機会に倒すため、レース中もただ負けるなんてことはしない。
39 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/13(木) 12:32:53.47 ID:byxiQVJd0
一着ループミレニアム
二着プルプルミクロマン
三着トゥラブ
掲示板に映されたそれを見て、馬券を外した観客は溜息をついた。中にはミクロマンへの罵声も聞こえてくる。
しかし勇気はミクロマンを褒めた。
「よくやった。お前も強いよ」
勇気とミクロマンは堂々としている。いくら心無い言葉を受けようが、中には応援してくれる人もいることを知っているのだから。
「ミクロマン!! かっこ良かったよ」
馬場から立ち去ろうとしたとき、さっきの子供の声が聞こえてきた。
勇気は馬上から頭を下げて、ミクロマンの頭を撫でる。
「本当によく頑張った」
勇気がもう一度そう言うと、ミクロマンは嬉しそうに鳴いた。
モニターに映っているウイニングラン中の竹田とループを見る。
有馬記念待ってろよ、ループ。
今日勇気とミクロマンは負けた。ただ勇気には分かったことがあった。
あの脚なら今のコイノボリにも出せる。
いや、正確にはあとちょっとなにかが足りないが、そのちょっとさえ埋まれば。
その時勇気は佐山も同じような事を言っていたのを思い出した。
佐山は一体それがなんだと思っていたのか。
勇気はその日のうちに聞きに行くと心に決めた。
40 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/13(木) 14:11:15.64 ID:byxiQVJd0
次の日、各スポーツ新聞はデカデカ両手を使い七本の指を立てる竹田の写真が乗って、ループミレニアムの7冠を讃えた。
その下には竹田のコメントが書かれている。
「あと一つ、有馬記念をなんとしても取りに行く」
「8冠に向けてライバル? いますよ。まだ言えませんけど土曜日には分かっていると思います」
次の週の土曜日。読んだ時勇気は一瞬でピンっときた。これは土曜に金鯱賞で復帰するコイノボリのことだ。
勇気はその竹田のコメントを読んで闘争心が掻き立てられる。
しかしーー
「コイノボリにはなにが足りないんだろうな」
足りない、あとちょっとのなにかはまだ分かっていない。
前日、一日のレースが終わったあと、勇気はすぐに佐山の家を訪れた。
もちろん足りないなにかを教えてもらうためである。
41 :
絶体君 ◆0RbUzIT0To :2014/11/13(木) 14:26:24.26 ID:OnDYMsxc0
しかし佐山は教えてくれなかった。
仕方ないので俺は、地元の大学に進学した。噴水の彼女は東京の大学。
二人は遠距離恋愛になった。いや、18歳の遠距離恋愛など現実には成立しない。
二人は、付き合ってるテイでそれぞれの大学に進学した。
解き放たれた俺は、入学とともにすぐさま次のターゲットを探した。遠くの中古車より、近くの新車だ。
俺はベジータのスカウター感覚で、同じ専門科目の女子を見定めた。
ピピ!ピピ!
戦闘力58000!
俺のスカウターが反応した。その子は、同じ専門科目。可愛かった。どストライクだった。
ぽっちゃり系が好きな俺としては、最高の体型!そして色白!痩せたらとんでもない逸材になるほどの美形!俺はすぐに番号を交換し、その夜電話した。
電話では、少し世間話しをした後、俺は抑えられずに伝えた。
俺「君のことをもっともっと沢山知りたい。だからとりあえず付き合おう!」
彼女は、俺の猛烈な押しに屈し、二人は付き合うことになった。
そして、俺は言った
俺「とりあえず電話もなんだし、今からウチに来ない?」
数十分後、チャイムがなった。
42 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/13(木) 15:20:01.39 ID:+6hz0UWwO
今後のあらすじ
コイノボリは金鯱賞は負けた。
でも有馬記念でループを破って復活勝利。
43 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/13(木) 15:58:22.32 ID:dTHOSRkz0
>>42 コイノボリ完全復活かと思いきや、次のレースでは再び惨敗
そして舞台は天皇賞春へ。
しかしコイノボリはまさかの予後不良。
ちょうどその日は、子供の日。
町にはコイノボリがはためいていた。
おわり
44 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/14(金) 10:54:31.60 ID:o/JOhwat0
今日は更新お休みします
45 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/15(土) 08:45:07.32 ID:BvQ6fIjO0
しかし佐山の答えは「わしも分かっていない」だった。
たしかにそれはある。しかも手の届く距離に。ただ見つからない。
勇気は佐山に最終追い切りはなにか変えたりしてみるかと聞いた。佐山はそれに変えないという。
調教を変えても多分分からないものは分からない。調子のいい今、帰ることは難しい。
それが佐山の答えだった。
勇気は頷くことしかできず、悶々としたまま水曜日の調教の日を迎えた。
佐山に言われた通りの調教をこなし、コイノボリの状態の良さを感じる。
だが一度不安になればそれは簡単には拭い去れない。
調教後、多くの記者がコイノボリの復帰に際して佐山と勇気に駆け寄ってくる。
「コイノボリ調子はどうですか?」
「見ての通り、抜群だよ」
「勇気君も最近はかなり乗れてますよね?」
「はいそうですね。明日も期待しててください」
こうなってくると勇気と佐山も復帰レースが今週あることを嫌でも感じさせられ、ピリピリしてくる。
「勇気、今日作戦立てるぞ。家に来い」
46 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/15(土) 08:49:34.71 ID:DhPpjzDk0
そして佐山は武者修行に出て、タイガーマスクとして帰ってきた。
ダイナマイトキッドや小林邦昭との戦いを経てヒーローになったが、身体は太る一方だった。
「ちゃんと蹴れって言ってんだろ!」
47 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/15(土) 09:53:18.74 ID:BvQ6fIjO0
佐山の誘いを勇気が断るわけがない
佐山の家に着き、部屋に入る。話の始まりは佐山だった。
「勇気、不安がっていても仕方ない。そういうのは馬にも伝わるぞ」
佐山の言葉は勇気に言っている形ではあるが、自分にも言い聞かせていた。
「明日の作戦は後ろから勝つ。それ以外はお前に任せる!」
勇気は佐山の大雑把な作戦に驚いた。今まで重賞レースでこんな風に言われたことは一度たりともない。
「そんな……そんな雑な感じで良いんですか」
「雑とはなんじゃ! わしは一番良い作戦を言ってるつもりじゃ」
勇気に佐山はっきりと言い返す。
「お前は今じゃ腕のある騎手じゃ。期待してるぞ」
そして佐山は優しく、顔くしゃっとして微笑みながらそう付け足した。
しかし、
それなら……
勇気の中に一つ浮かび上がる疑問。
「今日はなんで呼ばれたんですか……?」
勇気も特に用事があったわけではないのだが、作戦会議としてここに来たのに作戦会議が僅か一言、任すで終わってしまえばそう思うのも仕方ない。
「なんやお前わしといるんが嫌なんか! 今日はここまで来れたわしと、お前と黒山さんとコイノボリを祝って酒を飲もうと思ったんや」
明日はエリザベスのため更新できるかわかりません
49 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/16(日) 07:32:56.63 ID:8I0mUNe30
少し上げといていただければ助かります。お願いします
あげ
51 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/16(日) 23:34:17.82 ID:IFlvDPTc0
さげ
すみません
ラキシス→ハープのスレで松田騎手の回収率について書いてた人はどこで会えますか?
なんか気になって土日に単複抑えてたら単170倍や150倍の馬を本当に持って来て儲けられました
マイルCSの本命とかも聞きたいです
53 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/17(月) 10:34:23.61 ID:HC80FRT+0
クンニさんかなー
どこやろ(°_°)崖っぷちの男スレにたまに来る以外はわからへん(°_°)
54 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/17(月) 10:49:04.24 ID:HC80FRT+0
「祝ってって……そういうのは勝ってからやりましょうよ! まだ勝ってないじゃないですか」
勇気はそう言いながらも佐山にお酒をついでもらう。佐山には勇気がつぎ、お酒が入ると一口含み、そっと置いた。
「わしは幸せや。最後の最後でこんないい騎手、馬と巡り会えて。黒山さんとはずっと前からの付き合いやけど」
「どうしたんですか急に」
勇気は目を丸くする。畳の匂いがツンっと鼻をくすぐった。
「勝ち負け、もちろん大事やで。けどもうここまできたらそれよりも大事なものがあるんちゃうかと思うんや。黒山さんは俺の調教を信じ続けてくれて、お前はあの苦しみから帰ってきてくれて、それでコイノボリが今週復帰する」
佐山のおちょこにはお酒はもうなくなっていた。しかし佐山はそれをもう一度口に運ぶ。
「幸せや」
勇気は黙ってお酒をついだ。
俺もです。
そう言おうとしてやめる。
勇気にとっての幸せはまだ完成していなかったから。
"佐山に有馬記念の栄光を"
勇気はそう心に誓った。
「今週勝ちますよ。コイノボリは」
静かに呟くと、佐山も静かに笑う。
55 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/17(月) 21:43:31.29 ID:HC80FRT+0
その二人の顔はたしかに自信に溢れていた。
それから何回も何回もお互いに酒をつぎあい、いろいろな話をする。
酔えば酔うほどいつもしている同じ話を二人とも繰り返したが、それでも楽しく時は流れた。
途中からは黒山も参加し、話に花を咲かせる。
2時間も経てば三人ともしっかりスイッチが入っており、黒山は踊り始め、佐山はそれを笑い、勇気は黒山に呼ばれて一緒に踊った。
「おいい! 競馬ch見ようやぁ!」
佐山の言う競馬chとは、一日中競馬の情報を流し続けているチャンネルのことだ。有料になるのだが、関係者として当然登録していた。
「今はなにをやっとる時間やぁ? 先週のレースダイジェストか?」
「この時間は来週のレースに向けての陣営のインタビューやろ!」
「それや勇気! やるなぁ!」
佐山はふらふらになりながらもテレビのリモコンを手に持ち、電源を入れる。
するとテレビの音が流れ、画面も競馬chに切り替えた。
すると佐山へのインタビューがちょうど流れており、佐山はテレビの中でコイノボリについて語っていた。
56 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/17(月) 22:34:03.43 ID:ui4VrAEz0
まさに酔っ払いのぼくが読んでしまったことを君にお伝えしたりしちゃったりして
57 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/17(月) 22:52:46.34 ID:59Utb5/K0
>>56 酔いがさめてもこの小説のことを覚えてくれてると嬉しいです(°_°)w
>>53 その人です!!!
探してみます!!!
ありがとうございました!!!
59 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/18(火) 08:36:02.27 ID:q1JOQZ6C0
「おいおいこのおっさん誰や誰や!」
黒山は佐山のことを茶化すようにテレビを指差してはしゃぐ。佐山もそれに乗るように、「男前やろ?」と返した。
そうして佐山へのインタビューが終わり、次の有力馬の調教師へのインタビューに飛ぶ。
「あ、セブンスクルーの調教師さんの松永さんじゃないですかぁ? あと吉岡だ!」
そこには去年の有馬記念で一緒に走ったセブンスクルーの調教師、松永と若手騎手の吉岡の姿が映っていた。
吉岡は勇気と同じ年齢であり、ライバルである。今までセブンスクルーには斎藤が騎乗していたが、有馬記念では別の馬の約束があるということで、吉岡に乗り替わっていた。
「吉岡さん、セブンスクルーの調子はどうですか?」
「有馬記念に向けて、最高の状態を作ることができました」
「意識している馬はいますか?」
「ライバルということですか? そうですね、このレースにはいませんね」
吉岡はライバルはループミレニアム一頭だけ。ここは通過点だと述べる。
その瞬間テレビの前にいた三人は吠えた。
「なんじゃおい! コイノボリは無視か!」
「去年の有馬記念で負けたくせに!」
60 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/18(火) 11:13:41.45 ID:dCu+aEJb0
セブンスクルーは去年の有馬記念で早めに抜け出したが、ループミレニアムとコイノボリに差されて三着となっていた。
春の宝塚記念でも三着に来た馬であるが、天皇賞秋、JCを回避し、ここから復帰して確実に有馬記念を取りに来るというレース選択をしている。
この自信から、馬が去年よりかなり成長したことが窺えた。
「えっと……おそらくセブンスクルーの人気は一番人気になると思いますが、コイノボリも復帰ということである程度人気すると思います。コイノボリに関しては何か?」
インタビュアーもコイノボリの名前が絶対に出てくると思っていたが、なかなか出てこないので、自分からコイノボリの話にもっていく。
「せやせや! コイノボリに関してなんか言え!」
黒山はテレビをバンバン叩く。
さすがにそれは辞めろと佐山は黒山をテレビから離した。
「コイノボリーーですか? 多分セブンスが負けることはもうないですよ」
吉岡は全く考えることなくさらっと答える。
成長力が違いますので。さらにそう付け加えた。
「おんどれこっらぁ!! 舐めとるんか!!」
それを聞いた佐山はさっき黒山を抑えたのを忘れたのかテレビを叩き始める。
佐山さんやめてください!と次は勇気が佐山をテレビから離した。
「えっと……松永さんはなにか?」
「うーんとーー吉岡が言ったことに付け加えるなら……騎手が違いますので……」
「それはどういう意味ですか?」
「僕の中では勇気くんよりも吉岡の方が上ということです」
61 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/18(火) 17:19:40.33 ID:dCu+aEJb0
勇気はその言葉が飛んできた途端にテレビの方を睨み付ける。そしてテレビのリモコンを手に取り、電源を切った。
パチリという音とともに、静けさが部屋を満たす。それぞれが目をつむり、気を整え、そして目を開けた時、彼の顔つきには静かな鬼が現れた。
「負けへんぞ」
「吉岡覚えとけや」
「松永も年上への態度がなっとらんの」
三人はグッと堪える。ここまで言われて悔しくないわけがない。笑って見過ごせるわけがない。
その日、もう三人が笑うことはなかった。
いやその日だけではない。その日からずっと、レース当日土曜日まで、一度たりとも三人が悔しさを忘れたことはなかった。
レース当日。
勇気ははじめの3レースで中京競馬場の感覚を完全に掴み、ちょうどいい緊張感を持ったままで乗ることができていた。
コイノボリが負けるところなんて全く想像できないし、俺が吉岡に負けているなんてことも絶対にない。
それを今日、証明するんだ。
レースはあと金鯱賞と最終レースを残すのみになり、パドックで歩いているコイノボリを佐山は腕を組んで見ていた。
しっかりと踏み込み、外外を回っている。
佐山はコイノボリからセブンスクルーに目を移した。
セブンスクルーはたしかに成長している。トモの張りが素晴らしい。気持ちのいいぐらい綺麗な馬体だ。
62 :
絶体君 ◆LbzUraxIck :2014/11/19(水) 03:07:08.86 ID:/z/f7uWn0
そしてセブンスクルーのボロに目を向けた。
美しい茶色で適度な粘り気もある。まさに調子がいい証拠だ。
パドックには、ボロの濃厚な香りが立ち込めていた。獣のニオイである。
「これはいける。ご飯3杯はいける」
佐山はそうつぶやいた。
そして、ふとコイノボリの陰茎に目を移すと、湯気が上るほど熱く勃起していた。
猛々しい肉棒は、安楽の棲家となる穴を探す大蛇のようだ。
パドックを囲む女性ファンの中には、そのペニスに興奮し、股間を濡らす者いた。
余りの興奮にパンツを脱ぎ出し、手に取って振り回す女性までいる。
そのとき、パドックに強い冬の風が吹き抜け、パンツが女性の手から離れた。
飛ばされたパンツは、勃起した竿に絡みつき、風に揺れている。
それはまるで、コイノボリのようだった。
63 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/19(水) 10:00:46.21 ID:KGUVQq7o0
しかし佐山は競馬でも馬体でもコイノボリが負けているとは思わない。
セブンスクルーがどんだけ成長してようが、コイノボリの成長に勇気の成長も加わっているのだ。
乗り替わりの吉岡とのコンビに負けるようでは先が思いやられる。
佐山はそんな風に考えながらパドックを見ていた。
返し馬に入ると、勇気はちゃんとコイノボリがレースを意識しているかを確かめる必要があった。
普段がいくら良くても、本番に集中できずに力を出せないようでは元も子もない。
「コイノボリ、今日は久々のレースやぞ」
勇気はコイノボリに口でも伝える。言葉は理解はしていないだろうが、勇気にはそっちの方が伝わるような気がしていたし、口に出さずにはいられなかったのだ。
乗り役の気持ちの変化を馬は感じ取ることができる。もちろんコイノボリは相棒である勇気の変化に敏感に反応し、いつもよりも前に前にと行きたがった。
レース前勇気はコイノボリを落ち着かせていると、セブンスクルーに乗る吉岡は勇気に向かって口を開く。
「お前の絶好調も今日で終わりや」
勇気はそれに言い返すことはなかった。
弱い犬ほどよく吠える。
佐山から教えてもらったその言葉を思い出す。
そうこうしているうちに、ゲートに奇数番号の馬が入りはじめた。偶数番号であるコイノボリとセブンスクルーは、あとから入っていく。
64 :
絶体君 ◆LbzUraxIck :2014/11/19(水) 11:07:08.56 ID:67aED9cL0
ゲートの係員が、ふとコイノボリの股間に目を移すと、まだ勃起しているのが確認できた。
しかし、もうファンファーレは鳴っている。
仕方がないので、コイノボリをゲートに押し込んだ。
「うぉぉぉぉぉぉん!」
突然、コイノボリが叫ぶ。
その声ならぬ声に観衆も驚き、競馬場の誰もがコイノボリに視線を送った。
なんと、ゲートの扉にチンポが挟まっていたのだ。
係員は慌ててゲートを開けた。そして、すぐさま獣医が駆けつけ、チンポをチェック。
すかさず、アナウンスが入った。
「お知らせいたします。中京競馬 第11レース。コイノボリ号のポコチンがゲートに挟まる事象が発生し、発走時刻が遅れます」
観客はペニスの無事を祈るばかりだった。
65 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/19(水) 14:53:34.54 ID:KGUVQq7o0
コイノボリは久々のレースだが、ゲートにも難なく入っていく。もともと落ち着きのある馬であり、ゲートで失敗したことは一度もない。
セブンスクルーもここでは俺が一番上だとでも言いたげにゲートに入った。
有馬記念へ向けての金鯱賞。
コイノボリ復活戦。
大きな意味を持った重賞レースが今、スタートした。
「よし!」
勇気はとりあえずスタートを出たことに安心する。位置取りは後ろから。それは決まっていた通りだ。
このレースは14頭立てなのだが、2頭出遅れた馬がおり、その前にまた2頭。
そして後ろから数えて5番目のところにコイノボリは位置している。
セブンスクルーは6番手。
吉岡は乗り替わりにも関わらずしっかり折り合っていた。
「よし。いい位置やぞ。勇気」
勇気に取った位置取りは佐山が考えていた通りである。
「そこや吉岡。これでもうお前の勝ちや」
しかし隣で見ていた松永も、吉岡の騎乗が理想通りであることを発言した。
二人はギッと睨み合う。
66 :
絶体君 ◆LbzUraxIck :2014/11/19(水) 18:43:58.84 ID:n2Z11ewa0
「あっ!その位置は違う!」
佐山から笑顔が消えた。
「その位置はマズイ…」
隣にいる松永も不安そうな表情を隠そうとしない。
お互い、ポコチンの位置がズレたのだ。
チンポジが不安定で、レースどころではない。
右、斜め右、下…
佐山はまるで波動拳のコマンドのようにチンポをズラした。
その過程で皮が被ってしまい、チン毛を9本ほど巻き込んでしまったが、今はそれどころではい。
しかし、三浦の9頭巻き込み落馬事件を思い出し、佐山はニヤリと笑った。
67 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 01:09:02.58 ID:1c9kamTY0
あげ
68 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 01:34:46.47 ID:1c9kamTY0
あけ
69 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 01:53:21.21 ID:1c9kamTY0
あげ
70 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 01:57:20.52 ID:1c9kamTY0
あらしやばい
71 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 02:00:47.77 ID:1c9kamTY0
あげ
72 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 02:03:10.01 ID:1c9kamTY0
あげ
73 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 02:05:37.47 ID:1c9kamTY0
あげ
74 :
クンニスキー ◆PEROPEROp. :2014/11/20(木) 02:16:37.90 ID:1tgu9X6K0
保守支援
あげ
76 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/20(木) 08:08:33.79 ID:ifFS9sE70
保守
この荒らしはグラススレの コテの付け方 ◆UWAAAAAA じゃないか?
やつはたまに下品でつまらん駄文を書き込むことがあるが、雰囲気がそっくり
555 名前:名無しさん@実況で競馬板アウト[] 投稿日:2014/11/13(木) 15:15:57.79 ID:Vtkvwpiw0 [1/3]
この小説を読み、改行はオナニーをしていた。
柔らかい胸って、どんなのだろう・・・
下って、どんなニオイなのかな・・・
きっとレモンのかほりだろう・・・
ハァハァ・・・
短い祖チンをしごく手が急激に早くなり、あまりの興奮に腰を上下させた。
それはまるで、蛯名や岩田のダンスのようだ。
そんな改行が絶頂に達しようした瞬間、古びたアパートの階下に住む住人の声がした。
「ガンガン響いとるんじゃ!このボンクラ!」
その声に驚き、改行のチンポから液が飛び出て、自分の顔に発射してしまった。
あわててティッシュを取ろうとしたとき、なぜか屁まで出た。
情けない。
あまりにも情けない平日の昼下がりだった。
557 名前:コテの付け方 ◆UWAAAAAA.. [] 投稿日:2014/11/13(木) 15:23:54.56 ID:Vtkvwpiw0 [2/3]
>>556 ありがとう
ついコテを付け忘れたよ
78 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 10:10:52.13 ID:1c9kamTY0
>>77 疑っても仕方ないので気にしないようにしています。
あのスレであの態度をとった時点でなにか荒らしが飛んで来ると思っていました。
確かに疑ってもキリないし、ID被りとか因縁があるわけじゃないのに名指しで容疑者扱いされたほうもたまらんだろ。
似てるようには思えんし、草男と意気投合してたのとか見てもそんなふうな人じゃないと思うし。
80 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 12:55:03.01 ID:1c9kamTY0
>>79 別に僕はあの人が犯人だとは思ってないです。あと僕の中では特に被害はないです。
81 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/20(木) 13:07:17.83 ID:CSGiOn6Y0
>>80 スレ落ちそうになってキレてたやん
マジヤバかったらしいやん
82 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 13:30:26.23 ID:1c9kamTY0
>>81 それは昨日のスレ乱立ちの話です。
あれは被害がありました。
マジやばかったです(°_°)
名無しさん、わらさん、クンニスキさんに助けてもらいました。
変な文章のやつは気にしてません。
83 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 18:40:18.14 ID:1c9kamTY0
「佐山さんうちのセブンスクルーをあの位置から差せると思ってるんですか? 怪我明け、一年以上の休み明けのコイノボリで」
「思っとるよ」
佐山は松永の問いに間髪入れずに答える。
視線はもうレースの方に戻っていた。
「あなたがそんな人だとは思いませんでしたよ。競馬を舐めすぎです。なんでも思い通りになるとでも考えているんじゃないですか?」
「かもしれんな。いや……」
佐山は一度認めて、しかしすぐに言葉を繋げた。
「あの馬と騎手は思っている以上にやってくれる」
なんか上がってきたぞ!!誰だ!?
コイノボリだ!!!
周りのざわめきが、コイノボリが上がってきたことに対して出ていることは間違いない。
勇気は内でじっくり溜めての直線勝負を選ばずに、コーナーで外から上げていく競馬を選択した。
それは菊花賞の時にループミレニアムを倒すためにとったのと同じ競馬。
この馬本来の競馬である。
「コイノボリか……」
吉岡は後ろをチラッと確認したあと、早くも先頭に立つ。
こちらも菊花賞の時と同じ競馬だ。
「差せるものなら差してみろよ!」
直線に入るとセブンスクルーらさらに突き放す。1馬身、2馬身……
84 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/20(木) 18:41:21.01 ID:1c9kamTY0
85 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/21(金) 09:52:14.34 ID:rbSNkdPj0
その時点で勇気以外の騎手の全員が思った。このレースはセブンスクルーの勝ちで決まったと。
しかし勇気には自信があった。コイノボリなら確実に差せる。
馬群の外から、一歩一歩、前へ飛ぶような大きなストライド走法で前進していく。
コイノボリが抜け出し、レースは完全に2頭の戦いに。
観客も興奮しており、声が競馬場を震わせる。
「差せ! コイノボリ!」
「負けるな、セブンスクルー!」
騎手二人も叫びながら鞭を振るう。
コイノボリが一歩一歩距離をつめる。
そこで勇気、コイノボリ用の騎乗に変えた。
コイノボリに気持ちをぶつけるダンス騎乗。
「な、なに!」
観客ももちろん今までに見たことのない勇気の動きに驚いたが、一番驚いたのは吉岡だった。
競馬学校時代、乗り方の綺麗さでは歴代トップクラスと言われていたライバルの勇気がまさか、ここに来て……
しかもコイノボリはさらに伸びてくる。
さっきよりもさらに前に足を出し、回転も上がる。
そして勇気はコイノボリをセブンスクルーと競わせるために、セブンスクルーの横につけて並べる。
これはもちろんループとの最後の叩き合いを想定してのこと。
86 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/22(土) 10:07:33.02 ID:uQEEjqlo0
あげ
87 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/22(土) 13:24:10.29 ID:uQEEjqlo0
この競馬は確実に次に繋がる競馬だ。
勝っても負けても前哨戦としては申し分ない出来、完璧なレース運び。
だがーー
「どうせなら勝つしかねぇだろ!」
そのとき、佐山と勇気は違う場所にいながら同じ言葉を叫んだ。想いは同じ。
しかし想いとは裏腹に、あとはコイノボリが差し切るだけといったところで、伸びが止まっていた。セブンスクルーも粘っている。横に並んだ二頭の我慢比べ。
しかしこの時点で勝負が決してしまっていることを吉岡だけは理解していた。
駄目だ……もうセブンスはヘロヘロだ。これ以上は有馬記念に疲労が残る。
だけど……
負けたくない。同期の勇気には……
吉岡の心は複雑に混ぜられる。
負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない
「ちくしょう!!」
吉岡は鞭をわざと大きく振った。
その鞭はコイノボリの身体に当たる。
その瞬間コイノボリは一歩下がった。
やりやがった!!!
勇気は横を睨む。残り100メートル。
これは痛すぎる。
コイノボリはセブンスクルーから離れるように斜めに走る。
>>52 いま気づいたw
自信ないよー
◎ダノンシャーク
◯エキストラエンド
▲レッドアリオン
☆フィエロ
△クラレント
△エクセラントカーヴ
>>82 すごい荒らし騒動の中、コイノボリのスレがせっせと上がってて、ちょっとなごんだw
89 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/23(日) 08:53:48.29 ID:oL7vpbH30
>>88 いやいやほんとにありがたかったですよ!
助かりました!
90 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/23(日) 09:10:52.23 ID:oL7vpbH30
おい、コイノボリ!逃げるな!
勇気は右鞭を入れてもう一度立て直そうとしたが斜めに走り続ける。
落ちてくるセブンスクルー、真っ直ぐ走らないコイノボリ。
「おい!! ちゃんと走ってくれ!!」
そしてゴールへ。
「コイノボリ!!!」
「勇気!!」
観客の熱い声をセブンスクルーよりも近くで聞きながら、コイノボリはゴール前で首を突き出した。
セブンスクルーとコイノボリ
離れ過ぎていてどっちが勝ったのか、観客にも騎手にも分かりづらい。
そしてモニターで映される映像を、固唾を飲んで見守った。
苦しそうなセブンスクルーにもう一度斜めに走りながらもコイノボリは追いついてーー
「勝ったな」
佐山は呟いた。おそらくクビ差だろう。
長期休み明けにも関わらずコイノボリを軸に買っていたコイノボリファンは大歓喜。
競馬場は当然のことながら盛り上がっている。
しかし佐山と勇気は気になっていた。
後ろの馬に一馬身まで詰められてることに。
91 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/23(日) 09:23:24.48 ID:oL7vpbH30
この馬の弱さが分かったぞ……
競走馬にとって、最も必要なもの。
それがコイノボリには欠けている。
いや、今はそれはいい。それよりも。
勇気はコイノボリから降り、表彰台に上がる。表情はもちろん優れない。返事も無愛想なものになる。観客もそんな勇気を見て、驚いた。
勇気が怒っている、と。
勇気はファンサービスをしっかりするタイプであり、だからこそファンも多い。そんなファンが見たことのない姿を見せる。
しかしそれは勇気だけではなかった。
裏では佐山が松永の胸倉を掴み、問いつめる。
黒山は佐山を止めようとしたが、その手すら佐山は弾いた。
「あれはお前の支持か」
実績はそんなに無いが、佐山は調教師の中でも重鎮であり、尊敬しているものも多い。そんな他の調教師が身震いするほどの威圧。
それの全てを向けられた松永は後ずさり、逃げ場を失うように壁に体をぶつけた。
松永の体は震えているが、佐山は容赦しない。
「お前の支持か聞いとるんじゃ!!」
怒鳴られた松永はついにガタつく膝が耐えきれなくなり、床に尻餅をついた。
92 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/24(月) 02:07:32.14 ID:I82GRY680
あげ
今日は少し忙しいです
94 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/25(火) 08:28:58.07 ID:YI9wPOLL0
あげ
95 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/25(火) 09:31:32.28 ID:VJOb2dwD0
「あれは私の指示ではないです……吉岡が勝手に」
松永は弱々しくそう返す。
佐山はそんな松永を見下しながら、手を離した。
「吉岡か……」
佐山は握りこぶしを作り、壁に思いきり叩きつける。
痺れるような痛みさえ、怒りによって打ち消された。
「あいつは確か12レース乗りおるな」
それから12レースが終わるまで、佐山は一言も喋らなかった。もちろん喋りかける者も誰もいない。黒山でさえももう近付けない。
佐山の表情にはついに怒りすら消えてしまった。ただ無表情に、そうしなければもう自分を抑え付けられないといった様子だ。
12レースに乗っている吉岡をジッと見て、ゴールしたのを確認するとすぐにコイノボリを預けて立ち上がる。
そしてまた無表情で歩き、怒りを溜め、吉岡がいるであろう場所に辿り着いた時、そこで佐山は我に返ることとなった。
「勇気やめろ!!」
「落ち着け勇気!」
ベテラン騎手から若手騎手まで、全てのその場にいる騎手が勇気を抑えようとしているが、それを勇気は全て跳ね返す。
吉岡は勇気に殴られ頬を抑え、さらにそんな吉岡の顔を勇気は強く蹴り飛ばした。
「勇気やめるんや!」
96 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/25(火) 09:45:52.16 ID:VJOb2dwD0
我に返った佐山は勇気を止めるために佐山との間に入る。
そのときに見た勇気の顔に、佐山は悲しみを抱いた。
「佐山さん。こいつだけは許せません」
佐山自身には見えていなかった、見ている人間の背筋が凍るような無表情。
勇気のその表情を見て、佐山は気付いた。自分がさっきまでどんな顔をしていたのかに。
佐山は勇気を抱き締める。
「勇気、そんな顔をしてくれるな……頼む」
勇気の中に渦巻く感情も、全て理解できる。しかし佐山は見ていられなかった。
コイノボリは勝ったんだ。
そして有馬記念への道が開いた。
それなのにーー
佐山の涙が頬を伝う。
「そんな全てが終わったような……絶望したような顔をしないでくれ……」
「頼む……」
佐山の涙が勇気の肩に落ちる。
勇気は力無く、佐山を離した。
島田勇気に他の騎手に対する暴力行為により二週間の騎乗停止。
次の日の新聞にはそう書かれていた。
97 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/25(火) 18:48:46.40 ID:8DRv9H3c0
水曜日、いつものように佐山の厩舎に足を運んだ。
騎乗停止になったことにより、勇気には時間ができた。彼はその全てをコイノボリに捧げる気持ちでいる。
勇気は考える。
あの時見せたコイノボリの一番弱い部分ーーあれを治さなければいけない。
とりあえず吉岡に邪魔をされたことによりその弱点には気付けたが、その弱点を広げたのもさらに吉岡だと勇気は思っていた。
「くそ、それにしても今だに腹が立つぜ」
吉岡はあの時、間違いなく意図的に、鞭を使いコイノボリの邪魔をした。
コイノボリの馬体に影響は無かったが、心の部分が心配だ。
「おお! 勇気か! ようきてくれた!」
「なんですかそれは。毎週来てるじゃないですか。それよりもこの前は迷惑をかけてしまいすみますんでした」
「ええんや! 気持ちは分かる俺も松永と揉めてたからな……ただあのときのお前の顔はーーちょっと去年思い出してしもたわ」
佐山は嬉しそうに勇気を出迎える。
去年というのはコイノボリの怪我したときのことだろう。
あのときは本当の絶望だった。
「僕もあれが頭によぎり、つい熱くなってしまいました」
98 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/26(水) 09:29:41.82 ID:m9T+7OSz0
あげ
99 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/26(水) 20:23:14.25 ID:9GPWcyj60
昨日のやつ読んだらちょっと誤字脱字、人称めちゃくちゃで酷すぎる。
だんだん目立ってきた
悲しい
100 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/26(水) 20:41:21.10 ID:m9T+7OSz0
結局コイノボリはあの怪我から復活するのに一年以上かかった。
もうあんな想いは誰もしたくはない。
「せやけどまぁコイノボリになにもなくてよかったわ。昨日松永からは謝罪の電話も来たし、わしの中ではあれは一件落着や」
松永は火曜日、佐山に電話をかけていた。
吉岡に確認したところ、やはり意識してやったものであり、許されるものではないということであった。
松永は吉岡からの騎手乗り替わりを佐山に約束したが、佐山はそれを断った。
「わしはもしお前がおんなじことをやったとしたら、思いきり殴ると思う。けど騎手を変えることはせんよ」
調教師は騎手にとって競馬においての親代わりであるべきであり、間違えたら正し、面倒を見続けるべきだというのが佐山の考えであり、それをそのまま伝えたのだ。
最近の、すぐに騎手を変える風潮に反対を示す佐山の意見はなかなか受け入れてもらえないものであるが、松永は佐山の意見に感銘を受け、吉岡を乗せ続けることに決めた。
「だから有馬記念ではまたあいつとレースすることになると思う。勝つのはコイノボリやけどな」
佐山は白い歯を見せて、にかっと笑った。
勇気も当たり前ですよ。と返す。
「ただ有馬記念、他にも結構メンバー揃いそうですよね」
上等ですけどね勇気はそう付け足しながら有馬記念に出るであろう馬を思い浮かべる。
101 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/26(水) 21:09:36.44 ID:m9T+7OSz0
コイノボリ。去年のクラシックはあと一歩届かずさらに故障したが、金鯱賞で完全復活。ただ弱点が見えたので、そこを治して挑む。鞍上勇気
ループミレニアム。現在7冠で芝G1勝ち数記録更新に王手。凱旋門も制した世界最強の馬。鞍上竹田
クレナイワン。今年のダービー馬。初めて古馬に挑む。先行できる強さが持ち味。鞍上斎藤
マツダウェイ。天皇賞秋を制し、JCを休ませてここに来た。馬が一変しここでも自慢の差し足を見せる。鞍上柴田
セブンスクルー。有馬記念にむけて馬を作った。G1でも善戦。鞍上吉岡
他にもJC組、他路線組から骨のあるメンバーが揃うことが予想されている。
「これだけのメンバーに勝てばコイノボリは一生語り継がれますね」
勇気はそういいながら武者震いする。
「せやなーこんな美味しいレース二度とないわ! ほんでその前にはトロサーモンの朝日杯も控えとる」
佐山はそう言うと、コイノボリとトロサーモンを連れてきた。
「その二つのレースのためにも、判明したこいつらの弱い部分を治さんとな!!」
そうだ。この二頭に足りない部分。
競争にとって一番大切な。
「絶対負けへんていう勝負根性。ちゃんと頭と身体に叩き込むで!!」
102 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/26(水) 21:27:59.01 ID:m9T+7OSz0
「佐山さんも気付いてたんですね!」
勇気は佐山の連れてきた二頭とスキンシップをとる。
「当たり前やろ! あんだけ見せつけられたら嫌でもわかる。いくらちょっかい出されたとはいえあんな風に逃げていくとはな……」
佐山は勇気がレース中に感じたことと全く同じことを見ていて感じていた。
コイノボリはたしかに強いし勝った。しかしあれはセブンスが落ちてきていたからだと言える。
鞭で吉岡に叩かれたあと、コイノボリは逃げるように走った。あそこで勝負根性のある馬ならそうはしない。なにが怒っても、馬体をぶつけても強く走る。
「まぁ俺が悪いのもあるんやけどな。こいつらには楽しんで走ることを重視して調教してたから」
ただそれだけじゃ強くはなっても、大事なレースで勝てない。それは今までのコイノボリでもそうだし、トロサーモンもこのままでは同じ道を辿ることになるだろう。
馬群に入ったり馬体をぶつけたり、その中でも決して動揺しない強さ。そして最後に絶対勝つ力。それが佐山厩舎の馬には欠けてしまっていたのだ。
「そこでや! ちょっとこいつらの調教方法を変える」
佐山はそう言うと、さらに四頭の馬を連れてきた。
「今日からレースの日までこいつらには3頭ずつで走ってもらう。ほんで真ん中にコイノボリ、トロサーモンを入れるんや。ちょっと難しいかもやけどできるか?」
「やります!」
全然読んでないけど、これは自伝なの?
麻雀放浪記てきな?
104 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/26(水) 22:41:59.99 ID:m9T+7OSz0
>>103 いや自伝ではないです(°_°)すみません
105 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/27(木) 12:54:48.20 ID:kaDrveS60
勇気の返事は即答であった。
馬と馬との間にトロサーモン、コイノボリを入れ、その中で足を爆発させる。
僅かな隙間から抜け出せる根性。これがなければG1で勝つのは難しい。そしてこれには騎手の腕も必要となってくる。
トロサーモンの朝日杯までにはあと二回、コイノボリの有馬記念まであと三回この調教ができないと考えれば難しそうに感じるが、慣らすことはできる。
「まぁとりあえずやってみましょう」
まずは勇気はトロサーモンに跨った。
どっしりした馬体が勇気を支える。
「じゃあ走らせてみてくれ」
佐山がそう言うと助手も他の二頭に跨り、調教を開始した。
まずは二頭が一頭分の隙間を開けて、走らせる。
勇気はトロサーモンにはまずはじめの段階で不安があった。
それは今まで馬に任せる調教をしたが、ここでは抑えて、コントロールしなければいけない。
しかし今なら行けるはず。
勇気のその読みは当たった。
トロサーモンは自然に勇気に任すように走る。
昔感じた違和感が全くない。
トロサーモンは確実に成長していた。
あげ
107 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/28(金) 01:32:28.09 ID:X3xWq4Pr0
あげ
108 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/28(金) 17:52:46.48 ID:X3xWq4Pr0
あげ
109 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/28(金) 19:36:34.94 ID:X3xWq4Pr0
よし!これなら行けるぞ!
勇気はそう感じながらじわじわと前の二頭に近付き、間にトロサーモンを入れた。
トロサーモンは狭いところにも思い切り身体を入れる。全くスピードも落ちない。
なんだこいつ、勝負根性あるじゃないか。勇気は安心したが、しかしそれはすぐに崩れた。
トロサーモンは全く抜け出そうとしないのだ。
「おい! 遊ぶな!トロサーモン!」
勇気は声を出しながら、鞭も使う。そうするとやっと仕方ないといった感じで抜け出した。
しかしそこからは突き放そうとはしない。
その様子に調教が終わったあと、勇気は呟いた。
「お前そんなんだから差されかけたんだろが……」
本番ならやられるぞ。
勇気はあと一回の調教でなんとかすることを心に決める。
よし次はコイノボリだ!
勇気はトロサーモンから降りて、コイノボリに跨った。
コイノボリはレース後だが全く疲労はない。
しかしそんなに激しい調教はしない方がいいだろう。
コイノボリに関してはとりあえず間に入ってくれれば……
勇気はそう思った。
110 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/29(土) 04:32:14.56 ID:TjiVhdBe0
あげい
111 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/29(土) 06:08:11.15 ID:e+2+/ZMN0
>>62 > そしてセブンスクルーのボロに目を向けた。
>
> 美しい茶色で適度な粘り気もある。まさに調子がいい証拠だ。
>
> パドックには、ボロの濃厚な香りが立ち込めていた。獣のニオイである。
>
>
> 「これはいける。ご飯3杯はいける」
>
>
> 佐山はそうつぶやいた。
>
> そして、ふとコイノボリの陰茎に目を移すと、湯気が上るほど熱く勃起していた。
>
> 猛々しい肉棒は、安楽の棲家となる穴を探す大蛇のようだ。
>
> パドックを囲む女性ファンの中には、そのペニスに興奮し、股間を濡らす者いた。
>
> 余りの興奮にパンツを脱ぎ出し、手に取って振り回す女性までいる。
>
> そのとき、パドックに強い冬の風が吹き抜け、パンツが女性の手から離れた。
>
> 飛ばされたパンツは、勃起した竿に絡みつき、風に揺れている。
>
吹きまくったwww
天才!!!
> それはまるで、コイノボリのようだった。
112 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/29(土) 06:11:43.72 ID:e+2+/ZMN0
>>66 > 「あっ!その位置は違う!」
>
> 佐山から笑顔が消えた。
>
>
>
> 「その位置はマズイ…」
>
> 隣にいる松永も不安そうな表情を隠そうとしない。
>
>
> お互い、ポコチンの位置がズレたのだ。
>
> チンポジが不安定で、レースどころではない。
>
>
> 右、斜め右、下…
>
> 佐山はまるで波動拳のコマンドのようにチンポをズラした。
>
> その過程で皮が被ってしまい、チン毛を9本ほど巻き込んでしまったが、今はそれどころではい。
>
> しかし、三浦の9頭巻き込み落馬事件を思い出し、佐山はニヤリと笑った。
本スレより100倍面白いw
113 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/29(土) 09:22:16.82 ID:TjiVhdBe0
コイノボリと勇気はいつも通りコーナーを曲がり、二頭を追いかける。
もちろん実力が違うので、すぐに追いつきはしたのだが、案の定間に入らない。
「コイノボリ! ここで入れなきゃ有馬はきついぞ!」
勇気の声にも全く反応せずにコイノボリは二頭の後ろにつく。
「くそ!」
勇気が仕方なく鞭を使うと、コイノボリは大きく右に動いた。
「え?」
コイノボリは勝手に前の二頭の一番右側に移動して伸び始める。
クビ差差したところがゴール。
勇気はこれじゃいつもの調教じゃねぇかとため息をついた。
佐山はそんな様子を見て呆れたようにしゃがみ込む。
どうやったら入るようになるんや。と頭を悩ませたが、もうそこは勇気に任すしかない。
佐山は考える。疲労が少しこわいが、コイノボリに関しては毎日間に入る練習をするしかない。
トロサーモンは、走る気はあるんだが相手が弱いと遊ぶからなーーもうちょっと強い馬とやらすか。
全くうまくいかなかった調教を、佐山と勇気は嘆いた。
114 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/29(土) 09:34:58.26 ID:TjiVhdBe0
次の日。
トロサーモンは来週の最終追い切りまで休ませることにし、コイノボリはまた走らせることにした。
しかし次は昨日とは違う形。間に入るのは恐いことではないということを教え込むために、はじめからクビだけ入れたところからスタートする。
馬群に慣らすためにもなるだろうしこれはこれで別の効果も期待できそうだと佐山は考えた。
勇気は今回は本当に鞭無しでいく。
できるだけ長く間に入れ続けるのが目標であり、抜ける必要はないと考えた。
スタートすると、ゆっくりとコイノボリを押し上げて横から並ばせて三頭の馬群を作る。
そこから三頭同時に少しペースをあげ走り出した。
しかしすぐに問題が発生する。
「待て! コイノボリ!」
コイノボリは挟まれていることを嫌い、すぐに抜け出そうとしたのである。
トロサーモンと全く逆、間に入れば遊んだりはしない。
しかしこれはこれで調教にならないので今は困るのだ。
「頼むから落ち着け!」
勇気は途中まで無理矢理抑えていたが、最終的には諦めた。
するとコイノボリはノーステッキで突き抜けた。
115 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/29(土) 11:12:01.14 ID:TjiVhdBe0
あげ
116 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/30(日) 01:54:51.56 ID:QRgpVoS+0
あげ
3人も読んでいないであろうこの小説
毎日書き続けている>>1の健気さに感服
118 :
名無しさん@実況で競馬板アウト:2014/11/30(日) 02:18:09.69 ID:er1LxMBg0
俺は読んでるよ
119 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/30(日) 11:21:09.16 ID:QRgpVoS+0
「はぁ」
「おい勇気、ため息つくなや」
佐山は勇気のため息に対して注意する。しかし佐山自身もため息がしたくて仕方がないくらいの気持ちであった。
走るのが好きなくせにビビりのコイノボリ。
走るのが好きでビビりではないが、弱い相手なら遊んでしまうトロサーモン。
どちらも勝負に対する意識が低すぎる。
「お互い負けず嫌いではあるんやけどなぁ」
佐山は頭をかいた。もう時間もあまりない。
「今のループは外を回すだけじゃ絶対勝てないですよね」
菊花賞のとき、あの時は確かにコイノボリが前に出たし、あのまま怪我しなければ勝っていたかもしれない。しかし今は違う。リスクを負わなければ勝てない。
「とりあえずコイノボリは間を抜ける練習をせんとな……トロサーモンに関しては一つ作戦があるんやけど」
「作戦ってなにですか!?」
佐山はそんなええもんちゃうぞと、ため息をついた。ついたあとにさっき勇気にやめろと言ったのを思い出し、もう一度ため息をつく。
あげ
121 :
絶対君 ◆fJFuyhTwO6 :2014/11/30(日) 16:14:45.89 ID:QRgpVoS+0
あげ
122 :
タレ目君:2014/11/30(日) 18:25:06.83 ID:4DSH4sdz0
「はぁ」
「おいタレ目、ため息つくなや」
タレ目のため息に対して注意する。
競馬が好きなくせに馬券買うお金の無いタレ目。
競馬が好きなのにお金が無いので、毎日エア馬券で遊んでしまうタレ目。
50近いおっさんが情けなさすぎる。
「エアでも当たればいいんだけどなぁ」
タレ目は頭をかきむしった。エアでも全く当たらない。
「俺の人生は負のループ。エア馬券でも絶対当たる訳ないよな」
俺が20代のとき、あの頃はタイまでよく買春しに行ったし、買春ツアーまで主催した。しかし今は違う。そんなお金なんてない、馬券買うお金すらないのだ。
「とりあえずエアでも少しくらい当てないとな……下手糞なのが皆にバレる、これはマズイ……上手くみせる作戦が一つあるんだけど……」
「作戦ってなんや!?」
タレ目はこれは内緒だぞと、ゲス顔でこう言い放った。
「後だしにして当たった事にするんだよ(ゲス顔)」
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名無しさん@実況で競馬板アウト:
小説連載するなら2chじゃなくてそういう専門のサイトにまとめたほうがいいと思うが
もしくはブログでやるか