仲間内でダビスタが大流行してた高3の春。
オークスを控えた金曜の放課後、友人Aが「府中行くから馬券買ってきてやる」と言い出した。
まだ馬券に馴染めてない頃だったから、他の友人4人は豆券を数点頼む程度だった。
が、俺は何故か絶対の自信があった武エアグルと田原ファイトガリバーの馬連1点に3万を託した。
3万は高校生には大金だったが、前の日たまたまパチンコで勝ったのと、ダビスタ職人を自負してた俺は友人への見栄もあり決断したのだ。
日曜。俺はテレビの前で絶叫した。見事なまでに馬連的中。配当は1,480円。プラス40万である。
車とバイクの免許取って、中古バイク買ってもお釣りくるwと胸算用した。
翌月曜日、登校すると、俺が的中したことが既にクラスに知れ渡っており、祝福&たかりの歓迎を受けた。
「焼肉、いや寿司かな」とか「クラス全員に1万ずつあげても余るね」とか、普段話したことない女子にもチヤホヤされて俺は舞い上がった。
めちゃめちゃ気持ち良かった。
まだ友人Aが登校していないことに気づくまでは・・・
始業ベルが鳴ってもAは現れなかった。
教室にやって来た担任は、朝の挨拶のあと、A君は今日休みであること、そして俺に昼休み職員室に来ることを告げたのであった・・・