「やりますか。ディープ倒しちゃいますよ、いいんですね?」→弥生賞5着
「次やったら絶対ブッチ切ると思いましたね。青葉賞はもうブレーヴハートしか
いないと言わせるような、ぐうの音も出ないような強い勝ち方をしてほしい。
そして、いずれは競馬といえばブレーヴハートと言われるぐらいの強い馬になって
ほしい」→3着
「(青葉賞3着後)現段階でユタカ(武豊騎手)に打診している。他に強いお手馬もいるようだけど、
将来性を考えれば絶対にウチの馬を選んでくれると思う。」
弥生賞
弥生賞に出走するブレーヴハートは坂路で54秒3。引っ張りきりの手応えで
素軽い動きを見せた。
加藤征弘調教師も「無理したくないからダートを使っただけで、本質的には
芝向き。相手は揃うがここで勝てないようならクラシックなんて言ってられな
いからね」と強気の姿勢を崩さない。
他陣営が一目を置くディープインパクトに対しても、「盛り上がってるけど、
あの馬は致命的な弱点があるからね。若駒Sではユタカ君もうまくごまかし
ながら乗っていたけど今回はどうかな?あの馬より強い馬ならウチのも含めて
何頭もいるよ」と全く眼中にない様子だった。
出否未定だったブレーヴハートは、今日の追い切り後正式に出走を決定した。
追い切りは坂路コース。テンションを上げないようにとの配慮から
余裕残しながら素軽いフットワークは芝での変身を予感させる。
追い切りを見届けた吉田照哉オーナーは
「よし、勝てる。使おう」と報道陣を前に力強く宣言。
加藤師も
「やりますか。ディープ倒しちゃいますよ、いいんですね?」
とこれに応える形で出走を決定した加藤師は
「これまでが5分なら今回は8分くらい。目標は先なのでメイチ
には仕上げていないが、現時点でも十分勝負になると思う。
天気予報は雪だけど、芝の良馬場でやらせたい」
と芝向きであることを強調していた
弥生賞その後
東京スポーツ 1年ウマ組より
(前略)
前向きといえば、5着に敗れたブレーヴハート陣営もそう。加藤征弘師(39)
も晴れやかな表情で語る。
「牧場から戻って2週間余り。ソエを治しながらで、パドックで後肢を引きずり
ながら歩いているのを見たときは競馬にならないんじゃないかと最悪の結果も
覚悟しました。それが不向きといえる上がりの競馬で勝ち馬から3馬身差。あと
3ヶ月あれば逆転不可能な差じゃないな、と実感しました」
そのブレーヴハートは皐月賞路線には向かわず、山元トレセンに放牧に出され、
青葉賞でダービーの権利獲りを目指す。
「暖かくなってからが勝負だと思っている。次は負けられないレースになる」
加藤調教師の目が再び勝負師のそれに戻っていた。
「あきらめがつかないんですよ。何故か? ダービーを勝ちたい。ダービー馬の
称号が欲しい。それだけです」
初芝となった弥生賞は5着に敗れたが、加藤師の視線は前だけを見据えている。
「言い訳はしたくないんだけど…」
前置きをしながらレースを回顧する表情に苦悩の色が滲む。
帰厩して2週間、ソエを治療しながらの調教。本調子には程遠かった。
その状態で勝ち馬と3馬身差。やはり、並みの馬ではない。
レース後は宮城・山元トレセンに放牧に出され、緩めることなく乗り込まれている。
気になるソエも快方に向かい、他馬を威嚇するような仕草が出てきた。
今後は4月30日の青葉賞からダービーを目指す。
「次やったら絶対ブッチ切ると思いましたね。青葉賞はもうブレーヴハートしか
いないと言わせるような、ぐうの音も出ないような強い勝ち方をしてほしい。
そして、いずれは競馬といえばブレーヴハートと言われるぐらいの強い馬になって
ほしい」
伝説の扉がいま、開こうとしている。
3着 ブレーヴハート 加藤征弘調教師
「スタート後に追っつけていくとガツンと行ってしまうようで、控えていったみたいだね。
伸びてきてはいるけど・・・」
青葉賞でダービーの出走権を獲得したブレーヴハートは予定通りダービーに向かう。
前走を振り返って加藤師は、
「普通に乗っていれば3馬身は突き抜けていたレース。あの乗り方ではお客さんは
納得しないだろうし、今後も乗せ続ければボクやオーナーの見識も疑われる」
と敗因を騎乗ミスに求め、次走での乗り替わりを示唆した。
「数多くのGT馬を生産したが、名馬と呼べるような馬は生産していない」と常々
口にしている吉田照哉オーナーをして、「(一生に一度ではなく)十生に1度、会えるか
会えないかの逸材」と言わしめた大器。
「現段階でユタカ(武豊騎手)に打診している。他に強いお手馬もいるようだけど、
将来性を考えれば絶対にウチの馬を選んでくれると思う。」
加藤師の自信に揺るぎはない。
「インパクトがいようと、いつかは同世代の頂点に立てる器。
それが今回であっても俺は少しも驚かない」。
人影まばらな調教スタンドでブレーヴハートの加藤征弘調教師(39)が当方に告げてきた。
目を見張る愛馬の成長に加藤征弘調教師(39)は心の高ぶりを隠さなかった。
「前走が70なら今回は100。
そのつもりで馬を作ってきたが、今の姿はその予測さえ超えている。
弥生賞のディープインパクトも確かに素晴らしかったが、当時から馬が放つオーラだけは負けていなかった。
あの時のパドックで強烈な使命感が生まれたんだ」
<美浦>
一番の手応えは@ブレーヴハート陣営。
「何度も言うけど、ダービーの5月29日から逆算してここまで仕上げてきた。
青葉賞を70とすると今回は100。それくらい厚みが増している」
と加藤征弘調教師は1.5倍増の状態アップを強調する。
「ディープインパクトと素質は互角」
とトーンは落ちない。