9 ホクトスルタン
この馬には二人の男の夢が詰まっている。
一人の男はある馬と出会い、その馬の可能性を信じ夢を見続けた。
そして夢が叶ったのを見届けた2年後、一つの遺言を残して逝った。
「ティターンの仔で天皇賞を勝て」
1991年、その夢はメジロマックイーンによって叶えられた。
もう一人の男は当時所有していた黒鹿毛の牝馬の活躍から
自分の牧場を持ちたいと思い牧場を設立した。
そしてその男は、亡くなる1年前に一つの夢を見た事を打ち明けた。
「自分の馬にマックイーンを付けたら、芦毛の走る馬が生まれて大きなレースを勝つ夢を見た」
2009年、夢はホクトスルタンによって叶えられる。