ローレルゲレイロ
4歳のローレルゲレイロ(父キングヘイロー)が、ひところの「最強の1勝馬」から脱し4歳
の今年は重賞2連勝となった。大事に好位でなだめて進むレース運びから、自分でレー
スをつくる形に変えたのが、進境の要因のひとつとされる。
ローレルゲレイロは本当に強くなったのだろうか。注目すべき数字がある。
ローレルゲレイロは2歳の秋、初めて1600mのデイリー杯2歳Sに出走したときが1分34
秒4。続く朝日杯FSが1分34秒5。不思議なことにこの馬、最強のマイルCSも1分34秒0。
着順はともかく、いつも1600mを決まった時計で走る馬だった。
最初のデイリー杯2歳Sから、3歳後半のマイルCSまでに1600mに出走したこと計7回。1
度だけ超スローの「シンザン記念」で1分35秒7という遅い時計があるが、あとの6戦は「1
分33秒9〜1分34秒5」のあいだに統一され、この間もちろん1度も勝っていないが、コース・
ペース・相手を問わず、この馬自身はいつも1600mを1分34秒前後で走っていたのである。
同じような時計でしか乗り切ることができないから、いつもちょっとだけ負けてしまう勝ち
みに遅い1勝馬だったのだろう。
そのローレルゲレイロ。自分で逃げてレースをつくるようになって、勝ちみの遅さから脱
出してのだが、ここ3戦、やっぱり同じような走破時計を記録しているから不思議。
12月の阪神C1400mは「1分20秒8」。
3月の阪急杯1400mは「1分20秒7」。
そして2月の東京新聞杯はひっかかったアポロノサトリを一旦行かせて抜け出したのだ
が、1400m通過は「1分20秒9」なのである。