東京スポーツ 9月17日発行紙面
>>265 南関4場 他地区騎手に門戸開放 騎手会が英断 通算2500勝以上の騎手が対象
南関東4競馬場(大井、船橋、川崎、浦和)が早ければ来年1月1日から他地区ジョッキーに
門戸を開くことが決まった。通算2500勝以上の騎手を対象に南関4場で1人(年間最高4人)に
つき2か月間の騎乗を容認するというもの。また、南関の重賞レースにオファーのあった地方
ジョッキーには、1日最大4鞍までの騎乗が可能になる。
南関東4場の騎手会は各主催者と協議を重ね、昨年12月に地方競馬全国協会(NAR)から
の打診を受けてわずか9か月迅速かつ柔軟に結論を導き出した。
「廃止競馬場に手を差し伸べたい気持ちはあったが、地元の若手の廃業が増えたり、生活
が圧迫されるされるのは困る。一人を生かして一人を殺すわけにはいかないから。ただJRA
が地方ジョッキーを受け入れたように時代の流れに逆らっても仕方がないし、地方競馬をこれ
以上衰退させるわけにもいかない。本当に難しい問題なんです」全日本騎手連盟会長と東京
都騎手会長を兼務する澤佳宏騎手はこの間の苦悩をこう明かした。
6月に岩手競馬で短期所属を実現させた内田利雄騎手は「うれしいの一言」今月19日の笠
松の騎乗再開を前に「なかなか次が決まらなかったし、念願だった南関東での騎乗がこんな
に早く実現するとは思わなかった」
制度導入を推進してきた地方競馬全国協会免許課は「南関東の主催に決定に伴い、他の
主催者も早急に導入することを期待したい。今後は若手の育成を含め、状況の推移を見な
がら騎手の流動化を広めていきたい」と全国展開させたい意向。
「騎乗機会が増えるのはいいこと。当然行ってみたい気持ちはある」菅原勲(岩手)
「遠征馬がいなくても行けるなら歓迎。オフシーズンに行ってみたい」小林俊彦(岩手)