【でも、】柏木集保 保護観察日記・16【がんばれ】
土曜の根岸Sには、13歳のサンエムキングが出ていた。
馬の年齢を人間のそれと比較したり、換算は無理筋だが、もっとも妥当な換算の目安は、
故・佐藤正人氏が折りにふれて説明した方法だった。満年齢の表記になったので少し手直しさせて
いただいて示すと、
◇ 3歳ぐらいまで……5倍
◇10歳ぐらいまで……4倍
◇15歳ぐらいまで……3倍
◇それ以上は……2.5倍
という、年とともに倍率を下げる方法。「ただ4倍するのはあまりに乱暴すぎる」。佐藤さんはそこを
再三力説した。
3歳のクラシックは、中学生か高校生ぐらい。4〜5歳で大学生ぐらいなものだろう。
京都11Rのエリモピクシーは7歳(正確には6歳10ヵ月)。
だいたい4倍が(もし人間だとしたら…)の換算の目安で、26歳ぐらいの未婚の女性にあたる。
競馬ファンはオジさんが多いので、26〜27歳の女性と聞けば、十分に若い(と思う)。
実際、エリモピクシーはまだ少しも(能力は)衰えていない。前走は千六1分33秒1。持ち時計を大幅に
更新し、一つ若いミッドタウンをほとんど馬なりであしらった。
かつて、いや、いまでも7〜9歳となるとベテランとか、ひどい表現では老齢馬などと形容する人も
いたりするが、8歳馬といっても30歳前後。だから猛スピードで走れるわけで、ホントに老齢馬だったら、
競走したりすると、息をしなくなる。
東京新聞杯のボールドブライアン(6歳)は、若くしてセン馬になった。かわいそーという見方も
なくはないが、セン馬になると、先輩の9歳マグナーテンぐらいまで元気いっぱいで走れる。
種牡馬になる道は…というが、いま、なまじ種牡馬になったところで、大活躍しない限り、もっと早く
用途の道がとざされたりする。ボールドブライアン、長く付き合おう。