父アグネスタキオン母父サドラーズウェルズ

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201 ◆gjggxGbbCA
>>200
乙彼!グッジョブ!!
202no.8 ◆gjggxGbbCA :03/03/14 03:47 ID:Xg3bt0JV
盛岡入りが決まっているその一歳馬は、
同期との遅れを取り戻すため急ピッチで育成牧場内で馴致が進められた。
背に鞍を乗せ、そして人を乗せることに思いのほか抵抗を見せなかった同馬は、
既に同期の仲間たちが乗られているBTC内での調教をするまでになった。

BTCとは浦河の西舎にある東洋一の規模と施設を誇るJRAの施設で、
デビュー前の若駒が多数だが、アラブ馬から休養に訪れたGT馬まで
多種多様の馬が調教を施されている。

一頭に付き使用料500円を払えば、屋内コース、ダートコース、坂路など
一日中全てが使い放題で、近隣の育成牧場はこれをフルに使っての育成を進め、
ここから出た重賞馬は枚挙に遑が無い。

父トウケイニセイの子供は他の同期達がそうだった様に、
この施設内の環境に最初は戸惑いを見せたものの、
今じゃ日進牧場や高昭牧場の数十頭にも及ぶ大軍団と調教時間が重なっても、
気後れせずここで毎日のメニューをこなすのだった。

そして二歳になり、遅ればせながら咲いた桜の花びらが、
ひらりひらりと舞い散っている光景が日高のあちこちで見られたこの日、
岩手から同馬の成長を楽しみにしていた一人の調教師が様子を見に、
ここ浦河を訪れた。

しかし、こんな時に限って、事件は起こる・・・
203no.9 ◆gjggxGbbCA :03/03/14 03:48 ID:Xg3bt0JV
トウケイニセイの子供の調教に跨る乗り役は、常に同じ人物だった。
その男はもとは生産牧場にいたのだが、
どうしても馬に乗りたいという衝動が抑えきれず一年前この育成牧場に移ってきていた。

中央行きの馬たちは経験豊富な乗り役が担当していたのだが、
地方行きの決まっているこの馬は自然と若手に託されたのである。

ちなみに今日の調教はダート1600メートルコースで行われることが決まっており
ゴール近辺では場長とはるばる岩手から訪れた調教師が、
双眼鏡片手にこちらを覗いているのだった。

しかし、いくら中央ではない地方の調教師とはいえ、
見られる側の乗り役としては、これがまた結構なプレッシャーなのである。

『大丈夫だ・・・大丈夫だ・・・落ち着け・・・・』
ゆっくりと、そして大きく深呼吸をし、
いよいよ同期のフジキセキ産駒との併せ馬が始まった・・・

ダクから・・そしてキャンターへ!・・・特に問題も無く800を通過!
『よし順調だ、このまま!このまま!』

だが残り3ハロン、ラチを頼りだしたのか同馬は右によれる素振りを見せだした・・・
『ま、まずい!!』

乗り役は見せムチを使って進路を矯正するか迷った・・・
だが、なんとか手綱と体勢の動作だけで再び真っ直ぐ走らせることに成功!

そして一見何事も無く1マイル走り終わったこの馬を見てその調教師は、
動きに満足したのかウンウンと頷いているのだった。
『あぁぁぁ良かったぁぁぁ、上手くいったぁぁぁぁ』

その頃、調教も済んだ、ある一頭の馬が、馬運車に入るのを必死に拒んでいた・・・
204no.10 ◆gjggxGbbCA :03/03/14 03:49 ID:Xg3bt0JV
『あぁぁぁ上手くいったぁぁぁ・・・』
極度のプレッシャーから開放された若き乗り役は、
安堵のため息を、心地よい満足感を感じながらついたのだった。

『ふっ・・あいつもこれで乗り役としてまたひとつ成長したかな・・・』
場長が若手の成長を微笑ましく眺めていたその時!

どこからともなく一頭の馬がこちらめがけてすっ飛んで来たのである!!

『な、なんだ!?・・・うわっっっ!!!!!』
いきなり放馬して暴走してきた馬に驚き、
トウケイニセイ産駒の二歳馬はパニックに陥り、
必死にしがみつこうとする乗り役を振り落とした!

BTCのダート1600コースの隣には壮大な芝コースが隣接してあるのだが、
その中央をすごい勢いで同馬は走り去って行く・・・

『馬鹿野郎!!!何やってんだ!!!!』
『あぁぁぁぁ・・・あわあわわわわ・・・・・』
青ざめる乗り役めがけて場長の激しい怒声が飛ぶのも構わず、
調教師だけは黙ったまま、望遠鏡の先にある
緑の大地を駆け抜ける愛馬を凝視していた・・。

『あいつ・・・ただのダート馬なんかじゃ・・・・』

ようやく鳴り出した放馬を知らせるサイレンが、けたたましく鳴り響く中、
偶然にも芝を鮮やかに駆けて行く愛馬を見て、
調教師の胸の内は、抑え切れない熱情でいっぱいになるのだった・・・
205no.11 ◆gjggxGbbCA :03/03/14 03:50 ID:Xg3bt0JV
一躍英国では、一晩で名が知られることになったファイナルプライド。

『いやあ凄カレーね!まさかドーバーまで逃げルーとはねぇ。
きっと凄いステイヤーにでもなってくれるんじゃ無いカレーねぇ。』

インド出身のガンジス調教師は、あくる日から
雑誌やTVのインタビューの質問攻勢にあったものの
気分良くひたすら調子にのって答えていたのだった。

だが・・・英国の競馬ファンも馬鹿ではない。
デビュー前に早くも一般のニュースで名を轟かせたこの馬の血統を知ると、
誰もがこう思ったのである。

競馬以外の、【ただのお騒がせ馬】で終わるだろうと・・・

実際ガンジス調教師も胸の内は、
この血統にしては思ったより動きが素軽だなとは感じていたものの、
上級のレースに出れる様な馬だとは全く思っていなかった。
むしろ、一つでも勝てればいいなぐらいにしか思っていなかったのである。

結局肝心の競馬のほうはあまり期待されていなかったこの馬だが、
調教は順調に進み、体もどこも悪いところも出ず、
早々と七月の6ハロンのメイドンレースでのデビューが決まった。

ガンジスはファイナルプライドが動いてくる(本格化する)のは、
三歳の夏かもしくはそれ以降かなとは見ていたものの、
夏を迎えようとしているのにガンジスの厩舎は
まだ今年一勝もあげることが出来ないでおり、
今だけはカレーよりも勝ち星が、喉から手が出るほど欲しかったのである・・・
206名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/14 04:08 ID:YGc+8oFp
>>138-145
>>202-205


オレ様用しおり
207162:03/03/14 04:14 ID:P7SXi6ni
1つ上の兄、スカイスクレイパー。
兄は、生まれつき虚弱体質で、新馬、未勝利と連続で心房細動を起こしたのは
あまりにも有名な話だ。現役当時の馬体中は430キロ満たない小さな体。
それでも、通算成績19戦2勝。2勝の中には高松宮記念がある。
自慢の兄だ。

現在は当麻町、当麻ダムの隣に位置するアロウスタッドで種馬生活を送っている。

佐藤のように冷たく固いアスファルトは、まだ完治しきっていない足を
否応なしに痛めつける。
それでも、僕が当時ダービーを走破したときのように、持てる力をすべて使い、
黒岩山を駆け抜ける。不思議なことに牧場に近づくにつれ、すごく足が軽くなる。

無我夢中で走っていたから、牧場につくまで気づかなかったが
一緒に走っていてくれた芦毛の馬がいたようだ。
名を聞くと彼はシェリフズスターという馬らしい。僕はその名を知らなかった。

後に、兄の話を聞いて全貌を知る。
なんとこの旭川市ではアドマイヤグローリをはじめ、数々の名馬と謡われた
サラブレッドが生き返っているというのだ。ライスシャワーも、まさに
最盛期のような馬体で姿を現したという。
まるで生き返ったと表現するより、その現象は蘇り、、
蘇っているのだ。

つづく
208162:03/03/14 05:03 ID:P7SXi6ni
アロウスタッドは日本でも有数の名門牧場。
一流の成績を収めたサラブレッドのみがこの地で余生を過ごす。
凱旋門賞馬、シルヴァコクピット、2冠馬GI5賞のラッキーティンバー。
名を挙げればきりがない。
牧場についた時は、既に陽はかげっていた。

「トコロ、大変だったね。今日はここでゆっくり体を休めると良いよ。
 牧場長には、トコロのことは話しておいたから。」
「ありがとう。でもゆっくりしている暇はないんだ!」
 親父さんの身の危険が心配なんだ。すぐカネイチ牧場に帰らなくちゃ!」
「そ、そのことなんだけど、トコロ、、、実は、」
「どうしたんだい?兄さん。僕は早く帰らなくちゃいけないんだ!
 その手を離してくれよ!佐藤をほっておくと何をするかわからない奴なんだ」

「正気になって聞いておくれよ。
 実は親父さんはもうこの世にはいない。誰かの手によって殺されたらしい」
「そ、そんな、、、、」
「さ、佐藤だ。こんなことをするのは、佐藤しかいない!
 ゆるさない・・・」
「佐藤でもないと思う。」
「なぜなんだ!こんな残虐なことをするのは・・・」

「佐藤も、今日の午後、山中で死体となって発見されたよ。」

種付けシーズンも終わりを告げようとしている、5月中旬。
2005年、デフレの影響で5頭という最も小頭数で開催された日本ダービー。
今年のダービーはその年を下回る、4頭でレースが行われた。
僕達の身の回りだけで歯車が狂い出している分けではなかったのだ。
競馬会全体が、まるで今日、黒岩山を駆け抜けてきた白い霧のように、
暗雲が垂れ込めていたのだった。

つづく
209無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/14 09:50 ID:8Ie/3xDK
>>205
インド=カレーかよ(W
210名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/14 18:51 ID:4NeohedF
慌しい朝の牧場で1頭の馬がまた産声をあげた。
小さなどこにでもあるような牧場だった。
血統もよくないこの牝馬が後に大きなことをしでかすとは誰も思っていなかった。













父ヒダショウグン
母エルメススキー
211あはは ◆p9NBEMXnQs :03/03/14 21:20 ID:VN6ByKHt
12月下旬。
放牧から彼は帰ってきた。
たった1ヶ月だったが、一回り大きくなったように感じた。
気のせいかもしれない。だが、彼への期待がそのように見せていた。
「京成杯あたりを使いたいが、遠征する価値はあるかな。」
調教師は迷っていた。今後のことを考えれば、遠征を
経験させたほうがいいのではないか?
春の牡馬クラシック2冠はともに関東。
皐月賞TRも弥生賞を考えていたから、
京成杯を使うか、それとも関西のレースを使って
弥生に向かうか。
「そりゃあテキが決めることだかんね。
俺らはそのレースまで勝てるようにするだけだよ。」
調教師として実績を残しているわけではない。
スタッフ達にいい思いをさせているわけでもない。
それでも、スタッフは信頼してくれえている。
翌日。
「京成杯から始動することにしました。」
馬主に報告した。
有馬記念が終わり、1月。
馬齢は3歳になり、いよいよクラシックをむかえる。
京成杯GV中山芝2000m。
いままでとは違う、重賞。
人気は2番だった。
1番人気の馬は、東京スポーツ杯2歳Sを勝った馬だった。
実績では劣っているが・・・調教師もスタッフも騎手も
関係者は誰もがそう思っていた。
212あはは ◆p9NBEMXnQs :03/03/14 22:03 ID:VN6ByKHt
京成杯。パドック。
「輸送はそんなに気にしない馬らしいな。」
「ガレてたらどうしようかと思いましたよ。」
相変わらず心配事は多かったが、
彼はそんなこと気にせずに入れ込んでいた。
「レースになったら落ち着いてくれよ。」
騎手はポンと首筋をなでた。
ゲート入りが終わり、スタートした。
「よし、落ち着いてるな。」
後ろから2番目につけた。「3角までは我慢だ・・・」
1番人気の馬は3番手追走。
「いかんな・・・。」観戦していた調教師はボソッと口にした。
「よし、いくぞ!」3角半ば、ゴーサインを出す。
スッと上がっていった。が、今日は違った。
前が止まらなかった。
直線に入っても、逃げ、先行馬がとまらなかった。
1番人気馬が抜け出し、1馬身半、2馬身と差を広げる。
必死に追ったが、3着までが精一杯だった。
「くそっ・・・。」
前が止まらなかった。スローペースに気付かなかった。
騎手として最低のミスだった。
「すいません・・・先生。今回はオレの判断ミスです・・・。」
「まだ前哨戦だからな。本番で同じようなミスは許されんぞ。」
落ち着いて走ってくれるようになった。
だが、騎手のミスでそれを台無しにした。
悔しかった。
先生の言葉が、痛かった。
213名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/15 13:33 ID:53I0+bC+
sage
214no.12 ◆gjggxGbbCA :03/03/15 18:58 ID:txWtZ6Bg
六月・・・

トウケイニセイ産駒のその二歳馬は、
次の日、ここ浦河の育成牧場を離れることが決まっていた。
最後の夜飼いで特別に担当者の若い乗り役から
大好物の上級のティモシーをごっそりと与えられた同馬は、
ムシャムシャと瞬く間にたいらげた。
そんな光景を見て担当者はニッコリ笑うと、優しく鼻っ面をひと撫でして、
ゆっくりと厩舎をあとにするのだった・・。

あくる日の朝・・・
昨日まで三日降り続いた雨のせいで地面はぬかるんでいたが、
足場を気にする様子も無く馬運車に入ることも抵抗を見せずすんなり入り、
午前四時前、いつもより二時間も早く起床して仕事に出てきた従業員に見送られ、
トウケイニセイ産駒のこの二歳馬は、約八ヶ月いたここ浦河の地を離れ、
みちのく岩手へと旅立った・・・

『よっ、お疲れだったな。感慨深いもんだろ?』
場長が担当していた若い乗り役の肩をポンっとひとつ叩いた。
『は、はい・・最初から最後まで担当したのは今回が初めてですから・・・』
『そうだな、やり遂げたことでおまえも一つ階段を昇ったな。
おまえが担当する他の同期の奴らもこれからどんどん巣立っていくぞ、最後まで頑張れよ』

生産から育成に移って、始めてその言葉に出来ない達成感を噛みしめながら・・・
『場長、俺はまだ経験もロクにありませんが・・・』
『ん!?なんだ?言ってみろ』
『あいつ・・・あいつは・・そこらの一介の地方馬で終わらない気がするんです・・・』
その言葉を受けて場長は真剣なまなざしで乗り役を見つめると、ぼそっとこう言った・・・
『・・・終わるわけないだろ』

しばらくして、久方振りの太陽が顔を覗かせると、
旅立ちを祝うかの様に日高の大地を明るく、そして暖かく照らすのだった。
215no.13 ◆gjggxGbbCA :03/03/15 18:59 ID:txWtZ6Bg
芦毛馬は若い内は黒っぽく見えるものが大半だが、
ファイナルプライドは父のモッコリーがそうだった様に
生まれつき黒い部分が殆ど無く、
年をとった普通の芦毛馬みたいに見た目は真っ白に近いものだった。

そんな容姿が特徴の同馬のデビュー戦には、
イギリス全土を騒がせた大脱走事件のあの馬を見ようと
多くの人が競馬場に足を運んだのである。

五頭立てのこのレース、既にゲートには一頭、二頭と入り始めている・・・

『☆◆○$#*&%℃@!!☆◆○$#*&%℃@!!!』
ガンジス調教師のインド古来から伝わるレグール呪術で
他の四頭を呪い潰そうと必死に呪文を唱えるもはやお馴染みの光景が、
同時に観覧席では見られた。

主催者側も最初はこのガンジス調教師の非紳士的な行為をとがめていたものの、
二年で僅か二勝しかしていないガンジス厩舎の成績を見て、
意味が無いことを確認すると自然と黙認するようになったのである。

だが・・・今日のガンジスは取り分け必死だった!
と言うのも、このファイナルプライドのデビュー戦には、
運がいいことに調教や血統で評判になっている馬が全く出走しておらず、
ガンジス厩舎十三ヶ月振りの勝利が期待出来たからである。

そこで・・いつも読み上げている通常の呪文ではなく、
今日は今まで温存してきた禁断の【レグール第二章】を
こっそり唱えていたのである。

『☆◆○$#*&%℃@!!!!☆◆○$#*&%℃@!!!!!!』
・・・その頃馬場では、当面のライバルと思われていた一頭の黒鹿毛馬が放馬し、
競争の除外が決まったところであった・・・。
216名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/16 00:39 ID:8iol9Ke7
age
217名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/16 01:04 ID:IwjVUTDp
ジアンサー 3歳牡 馬主:金子正人
父シンボリクリスエス 母ファインモーション 母父デインヒル

ラジオたんぱ杯を2馬身圧勝した。現在弥生賞に向け調整中
セレクトセールで15000万で落札されたということもあり陣営の期待も半端じゃない。
218名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/16 16:56 ID:DdAyiOcr
>>138-145
>>202-205
>>414-215

オレ様用しおり
219名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/16 16:57 ID:DdAyiOcr
>>138-145
>>202-205
>>214-215

オレ様用しおり
220名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/17 03:11 ID:WoHhOBv8
>>138>>139>>140>>142>>143
>>144>>145>>202>>203>>204
>>205>>214>>215

超オモシロイ!!続き期待してます。がんばれー!
221名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/17 17:22 ID:lNC5/kMc
いつのまにコピペ糞スレじゃ無くなったんだここ
222名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/17 17:23 ID:vofo160J
>>171>>173>>174>>175>>177>>180>>181>>182>>184>>185にはみんなノータッチなんだなw
223名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/17 18:41 ID:fEI9yUHN
チゴイネ!(・∀・)
224文盲スマソ:03/03/17 22:09 ID:qwJnJdU9
2015年、11月。東京競馬場にて。
ユーイチは、いつに無く緊張していた
そんな時、1人の男が彼に声をかけた
「やあユーイチ、柄にも無く緊張してるのかい?」
ユーイチは後ろを振り向いた。
どこかで見覚えの有る頭
彼に声をかけたのは、オリビエ・ペリエ
今や世界ナンバーワンといっても過言ではない
この男だった。
「ペリエさん・・・・・。」
厳しい顔をしたユーイチに、ペリエは少し笑いながら言った。
「フフフ・・・君は今やユタカに並ぶ、日本トップクラスのジョッキー、
そんな君がG1の舞台とはいえ今更緊張するとはね・・・。」
「止めてください、そんな・・・・。僕なんかあなたやユタカさんに比べればまだまだですよ。」
ペリエは即座に返した。
「やっぱり・・・・エイシンブラストの事だろう?」
その言葉と同時に、ユーイチはキッとペリエを睨み付けた。
「そんな怖い顔をするなよ・・・・・と言っても無駄か。無理も無い、
僕が君の立場でも、同じようになっているよ。」
ペリエは腰をかけながら話した。
225名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/17 22:20 ID:qwJnJdU9
ユーイチの口が開いた。
「ブラストを・・・・・ここで勝たせなきゃ・・・・。最後なんだ。これが、最後のチャンス・・・。
あいつにG1を勝たせてやれるのは、今しかない・・・・」
ペリエの顔が突然険しくなる。
「気負うんじゃない、ユーイチ。確かに君も頑張らなきゃいけない。でも走るのは馬だ。
君がブラストの事を信じないでどうする・・・・?」
「・・・・・・・」
ユーイチは席を立ち、その場から逃げるように検量室から出て行った。
「ユーイチ!!」
ペリエは呼びかけたが、ユーイチは見向きもしなかった。
福永祐一とエイシンブラスト
この話は、3年前に遡る・・・・・
226名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/17 22:42 ID:vUMHnfSG
その日、ユーイチは北橋調教師から呼び出された。
「先生、おはようございます。」
「・・・・・・・」
ユーイチはキョトンとしていた。呼び出した本人が無言で、ある一頭の馬を
見つめていたからだ。
そして北橋師は口を開いた
「祐一、お前にこの馬に乗って欲しい・・・・・」
ユーイチはその馬を見た瞬間、何物にも変えがたい感覚に襲われた。
(こいつは・・・・・・!!なんだ?この感覚・・・・!)
ユーイチはその後語る。
「あまりその時の事は覚えていないんですよ。(ブラストを)見た瞬間なんていうか、その・・・奇妙な
感覚に襲われましてね。たぶんはいと答えたと思うんですけど・・・・ええ。」
ユーイチは笑いながらもこう言った。
「ただ、間違いなくこいつは世界を取れる器だと思いましたよ。」
父エイシンプレストン 母トゥザヴィクトリー
エイシンブラストと福永祐一の闘いは、ここから始まった・・・・
227名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/17 23:24 ID:vUMHnfSG
9月1週の札幌新馬戦、エイシンブラストは二番人気に甘んじていた
そのレースでの1番人気はマイネルフライト、鞍上は後藤浩輝
ラフィアン岡田が満を持して2億5千万で購入したジャイアンツコーズウェイ産駒の
外国産馬だった。
去年のラフィアンの2億円外国産馬、半兄のマイネルタイタンが活躍していた事もあり、
デビュー前からマスコミの注目の的であった。
レース発走直前、後藤が寄ってきた
「よお福永、悪いが今日はもらったぜ、仕上がりもいいし、こいつは好勝負だ・・・・って
おい!聞いてんのかー?」
ユーイチは冷静だった、そして集中していた。
(こいつが負けるはずは無い・・・・あの感覚は絶対に幻なんかじゃない・・・!!)
スタートと同時に、後藤のマイネルフライトがハナを切る。
ユーイチのエイシンブラストは中盤を走っていた。
第四コーナーを回ったところで、後藤が鞭を入れた。
「札幌は短い、ここはもらったぜ!!」
マイネルタイタンは2番手にどんどん差を広げる。
他馬はもはやあきらめて2着を・・・・という雰囲気だった。
しかしそれを断ち切るかのごとく、ユーイチはエイシンブラストに鞭を入れた。
静かなる闘志が、燃え上がる
残り150m、後藤は余裕と感じたのか追うのをやめた。
その一瞬が命取りだった
気づいた時には、エイシンブラストは真横にいた。
後藤は慌てて追い直したが、その差が縮まることは無かった。
『外並びかけた!エイシンだ!!エイシンブラスト一着でゴールイン!』
エイシンブラストは衝撃のデビュー戦を飾った
芝1600m1.35.2とタイムは早いとはいえないが、
その末脚が競馬界を震撼させるのに時間はかからなかった・・・・


その直後、某巨大掲示板で後藤叩きが始まったのは言うまでも無い
228名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/17 23:24 ID:vUMHnfSG
風呂はいってきます
続きはいずれ
229名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/17 23:29 ID:vUMHnfSG
>>227
16行目はマイネルフライトね
230名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/18 00:13 ID:mqKfeoV5
age
231名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/18 00:16 ID:mqKfeoV5
age
232無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/18 00:47 ID:mCmUZm8g
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

誰も待ってないと思うが(書いた本人が忘れてた)>>135の続き

渡辺はうなだれ、ヴィクロを検量室前まで誘導していった。
そこには当然ながら沖調教師が待っていた。渡辺は目を合わせることが出来なかった。
沖は静かに馬上の渡辺に声をかける。
「らしくない競馬だったな薫彦・・・」
その言葉が終わる前に渡辺は謝罪の言葉を搾り出した。
「す・すみませんでした…。」
しかし次に沖が発した言葉は渡辺にとって意外なものであった。
「何言ってるんだ?私はおまえを叱ってるのではないよ、
確かにいつものおまえらしくない競馬だったが積極的で良い競馬だったぞ、
そもそもヴィクトリーロードは雨が苦手だ。
だがおまえはこいつに流れる血のもう一つの可能性に賭けた。
結果的にはあまさが出て差されてしまったが好判断だった。」
そして沖はヴィクトリーロードの鼻面をなでながら続けた。
「おまえも雨の中、良く頑張ったな。」
渡辺は検量室に向かうさなかふと後ろを振り返った。
その視線にはヴィクロを取り巻く人たちが写っていた。
(この人達にどれだけ励まされただろう、どれだけ世話になっただろう…
トップロードにどれだけのものを教わっただろう、そして今もまたトップロードが与えてくれるものがある。
僕に出来る事、やらなければならない事…それはダービーの勲章を持って返ってくる事。)

全レース終了後、渡辺は和田と約束どおり新幹線に乗って栗東へ帰ることとなる。
当然ながら気まずい雰囲気が漂っていた。
233227続き:03/03/18 01:02 ID:NiGjate2
12月、朝日杯FSの前日
新馬戦の後、札幌2歳S、京王杯2歳Sと連勝したエイシンブラスト
誰もが2歳チャンピオンになるのはエイシンブラストだと疑わなかった
マスコミは、「父を越えろ」 「グラスワンダーの再来」と囃し立てた

レース当日、史上最強2歳馬の誕生を一目見ようと中山競馬場はごった返していた。
実際、ユーイチ自身も手ごたえを感じていた。
(いける・・・・!ここは負けられない!)
しかし、エイシンブラストはここで初の負けを喫する事となる
「天才」と呼ばれたあの男の手によって

ゲートが開くと同時に、予想通りに後藤浩輝の1番マイネルフライトがハナを切った
新馬戦で敗れたとはいえ、素質の高い競馬を見せてその後連勝を飾り、このレースを迎えた。
負けられないのは後藤も同じだった。
3コーナーを過ぎて、マイネルフライトと2番手との差は5馬身ついていた。
8番手の5番エイシンブラスト
4コーナー過ぎからユーイチは鞭を入れた。
思惑通りにマイネルフライトとの差を詰める
だが、もう一頭、11番が彼の前に立ちはだかった
その差はすぐ詰まると高をくくっていた・・・・・

『先頭はアドマイヤ!アドマイヤバラード!エイシンは伸びない!アドマイヤと武豊だ!』

気がつくと、検量室で項垂れている自分の姿があった
そして、掲示板には一着11番、2着5番と表示されていた

(やられた・・・・武さんに・・・・・)
窓の外では、嬉しそうにインタビューを受けている武豊の姿があった。
「くそっ!!」
ドアを拳で殴りつけ、ユーイチはインタビューも受けずにその場を後にした。
234名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/18 02:52 ID:LgP1REZ2
>>224
ペリエの日本語の上手さに激藁
235名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/18 03:01 ID:XSsb6fqX
>>227
「十年後の札幌競馬場では千六のレースも行なわれるようになったんだよ」
と解釈すればよろしいか?
236無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/18 04:24 ID:mCmUZm8g
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

>>232の続き

そして、日本ダービーの日。
ヴィクトリーロードの単賞は1番人気であった。
パドックには溢れんばかりの人だかり、近年の競馬人気不信が嘘のようであった。
渡辺は整列しながら思った。
(あの日と同じ1番人気か…)
ヴィクロのもとに駆け寄る。
「薫彦…迷いはあるか?」
トップロードで菊花賞に挑んだときと同じ質問を沖は渡辺に投げかける。
「いいえ」一呼吸置いて、沖の眼差しをしっかりと受けとめあのときと同じように答える。
「そうか」沖がその返事を確認するかのように頷いたのと同時に号令が掛かり各馬が周回を始める。
渡辺は地下馬道の入り口付近でヴィクロが周回を終えるのを待った。
かつてトップロードにそうしたように渡辺はヴィクトリーロードの脇を歩き、地下馬道を踏みしめ進んだ。
237無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/18 04:27 ID:mCmUZm8g
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

「…回東京優駿本場馬入場です!」
入場行進曲と共に各馬の紹介がアナウンスされる。
次々出走馬が入場する中、有力馬で最初に入場したのがこの馬であった。
「父タニノギムレットがなし得なかった道をこの馬は制して来ました!
皐月賞、NHKマイルC勝ち馬。父が制したダービーを制し親子制覇なるか
4枠5番ホシノカクテル!鞍上はこの血統を大レースに導いてきた世界の武豊!」
ホシノカクテルは馬場に入るとスッと走り出し客席スタンド前を通らず返し馬へはいる。
かつてタニノギムレットがNHKマイルCへ出走したとき、多くの人はその理由として皐月賞の敗戦を上げた。
このローテーションの正しさを証明するためにホシノカクテルは皐月賞勝利後、NHKマイルCへと駒を進め。
これを勝利した。
本来なら1番人気でしかるべきだった、が実際は2番人気。
武豊の心中は穏やかではなかった。
(だれがNo.1か教えてやる、馬も騎手も…)
238無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/18 04:39 ID:mCmUZm8g
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

続いて姿をあらわしたのは…
「父テイエムオペラオーの制した皐月賞はあと1歩のところで逃しました。
それゆえダービー馬の称号はほしい!6枠12番テイエムカイヨウオ!!
偉大なる父の偉業へ近づくためまずは一冠!
鞍上は騎乗停止中の和田に替わりまして幸英明です!!」
本来主戦である和田がオークスで進路妨害を犯してしまい騎乗停止となってしまったため
急遽、幸に乗り変わったテイエムカイヨウオ。
幸はダービーで人気馬に乗る緊張よりも
テイエムカイヨウオの乗り心地の良さ肌に伝わってくる凄みに驚いていた。
ただし気がかりなのは父テイエムオペラオーからは到底考えられぬ不幸振りであった。
239無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/18 04:47 ID:mCmUZm8g
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

そしていよいよ最後にヴィクトリーロードが入場してくる。
渡辺は本場馬でヴィクロに乗る。
「そしていよいよ最後の出走馬です。父が無念の2着したこのレース。
鞍上が涙したこのレース。そして父が最後にもう一度走りたかった良馬場のこの府中。
全ての夢をかなえるため、いざいかん勝利の道、いざいかん頂点の道!
8枠18番ヴィクトリーロード鞍上は父の手綱も取りましたご存知ナベちゃんこと渡辺薫彦!
ホシノカクテルを抑え堂々の父と同じ一番人気!!」
渡辺は一呼吸つくと
「さあ、忘れ物を取りに行こう」
そう呟くとヴィクトリーロードを走らせた。
雄大な栗毛の馬体は陽の光を浴びて黄金色に輝いていた。
240名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/18 08:53 ID:KiIuvZyK
漏れのしおり
>>135
>>232
>>236-239
241名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/18 09:44 ID:fDTC5B3L
いつからここは良スレになったのか
おまいら上手すぎですよ
242233続き:03/03/18 18:10 ID:ohlPpclG
『エイシンブラスト!やはりここはエイシンブラスト!ゴールイン!
休み明けでもやはり前哨戦は負けられない。2着はバランスオブレース』

この年の牡馬クラシック戦線は極めて混戦に思えた
年始からのの混合重賞レースはある2頭の牡馬がほとんど掻っ攫ってしまったのが
ひとつの原因だ
ウインエアガイツ(藤澤)とジャングルダンサー(伊藤)
京成杯から共同通信杯、アーリントンCと制覇しウインエアガイツ
シンザン記念からきさらぎ賞を制覇したジャングルダンサー
4強対決となっていた。

だが若葉Sの行われる3月22日の阪神競馬場
その状況は更に混迷を迎える
そのレースは「あの4強を打倒できる」と目されていた
松田国英厩舎のグリーンフィールズ
前走のラジオたんぱ杯2歳Sを6馬身差の圧勝し
9頭立ての単勝人気1.4倍とグリグリの1番人気だった当馬が
デビュー2戦目の無名馬に敗れたからだ
その馬の名はエセー
藤澤和雄の秘密兵器誕生の瞬間であった
243名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/19 12:23 ID:FaS7M6bz
age
244カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 14:56 ID:qmXGfiEK
2016年競馬界冬の時代を迎えていた。
2002年に大種牡馬サンデーサイレンスが他界。
2003年あとに続くようにブライアンズタイムも死去。
わずか4年で日本は3大種牡馬を失ってしまった。
社台がサンデーの後継として20億円を投じて導入したウォーエンブレムも大失敗。
サンデー産駒の種牡馬もダンスインザダークとアドマイヤベガ以外は軒並み失敗に終わった。
こうした状況からまずPOG厨が競馬から離れていった。
さらに藤沢厩舎の出し惜しみ、武豊への騎乗集中が更に加速。
スターホースの不在、マル外にことごとくビッグレースをさらわれる。
そうして一人、また一人競馬ファンが減っていった。
そうした冬の時代に1頭の葦毛の若駒がデビューを迎えようとしていた。
245カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 14:57 ID:qmXGfiEK
馬の名前はスノーエンペラー。
父は15年前のダービー馬トウカイテイオー、母は葦毛のマドンナと称されたゴッドインチーフ。
1回中山2日目芝1600新馬戦
郷原を鞍上に迎え10頭立ての3番人気。
ゲートが開いてスノーエンペラーは好スタートを切った。
しかし郷原は一旦馬を下げた。いや下げたというより下がったと言うべきか。
二の脚があまり速くないスノーエンペラーはあっという間に中団まで下がってしまった。
しかし手応えは悪くないので郷原は焦っていなかった。
3コーナーに入り郷原は仕掛け始めた。あまり反応はよくないが段々と加速していき、
直線の入り口では3番手まで上がっていた。
坂下でムチを入れるとグッと馬体が沈んで一気に伸びた。
13年前の天皇賞馬モノポライザーを彷彿とさせる美しいフォームだった。
一瞬で大勢が決した。前2頭を並ぶまもなく交わすとあとは差が広がる一方だった。
6馬身差の圧勝だった。
「クラシックに間に合うかもしれない」レース後郷原はそう的場に言った。
246カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 14:58 ID:qmXGfiEK
2戦目にはゆりかもめ賞が選ばれた。皐月に出るためには絶対に落とせないレースだった。
引き続き郷原が手綱を取ることになった。
ダンスを見せることなくスムーズに勝負所を迎えた。
だが予期せぬアクシデントが起きた。
前が詰まって郷原が落馬してしまったのだ。
競走中止。賞金を上乗せすることができなかった。
「すみません。ですが次は勝ちます。
そうすればぎりぎりで毎日杯には間に合います。」
「確かにぎりぎりで出走はできるかもしれない。
だが勝つためには、スムーズなローテーションを組むためにはここは落とせないレースだった。
その大事なレースで落馬をした君を次走で乗せることはできない。」
247カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 15:00 ID:qmXGfiEK
大西に乗り代わったスノーエンペラーは弥生賞に出走することになった。
だが強敵がそろい3着に入るのも難しいというのが戦前の評価だった。
ラジオたんぱ杯を制したワナを母に持つクロコルージュ産駒のアドマイヤワナ。
2歳女王スティンガーを母に持ち自身も朝日杯を制したスラマニを持つマチカネハチガサス。
京成杯の覇者ナイトオブザナイト、2億円馬ジャングルカフェ。
大西と的場は安全策かつ他馬の末脚も測れる先行で行こうと話し合った。
迎えたレース当日。
東西2歳王者の一騎打ちという下馬評通り2強は絶好の仕上がりだった。
ナイトオブザナイトは多少余裕残しで今ひとつだった。
スノーエンペラーも権利を取らなくてはならないとあっていい仕上がりだった。
1番人気は武豊騎乗のアドマイヤワナで2.2倍。
横山典騎乗のマチカネハチガサスは3.7倍。
スノーエンペラーは26.7倍で6番人気だった。
248カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 15:17 ID:qmXGfiEK
ゲートが開いてまずジャングルカフェがかかり気味に先手を奪った。
スノーエンペラーは2番手につけた。
アドマイヤ、マチカネはともに後方。ナイトは中団につけた。
ゆったりとしたペースでレースは流れた。
3コーナーに入りレースが動き出した。
まずマチカネが動いた。一気にまくって先頭に並びかけてきた。朝日杯と同じ戦法だ。
大西も仕掛けていたがあっという間にマチカネに離された。
ナイトは動きが悪い。アドマイヤは4コーナーになっても動かない。
ランニングゲイルを思い出させるまくりでマチカネの圧勝、誰もがそう思った。
だが、直線になりようやく仕掛けたアドマイヤワナが物凄い脚で追い込んできた。
2番手で粘るスノーエンペラーを交わすと、マチカネも射程圏に捕らえた。
ゴールした時には1馬身の差をつけてアドマイヤが勝利した。
2着マチカネ、3着に5馬身差でスノーエンペラーが入った。
ナイトは6着、ジャングルは8着だった。
レース後のインタビューで武豊は「スプリングS次第だが
ひょっとしたら3冠も狙えるかもしれない。」と語った。
確かにあの末脚を見たものならばそう思ってしまうだろう。
そのくらいインパクトのある凄い脚だった。
2週間後のスプリングSをたんぱ杯の2着馬が勝ったことでますます3冠が現実味を帯びてきた。
249カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 15:19 ID:qmXGfiEK
クラシック3冠その第一関門皐月賞。
1番人気は当然のごとくアドマイヤワナで1.5倍。
2番人気はマチカネハチガサスで8.0倍。
3番人気はきさらぎ賞を制した2戦2勝のエアロワイアル。
以下スプリングSを制したアトランティス、ナイトオブザナイト、スノーエンペラー。
レースはジャングルカフェがかなり速いペースで引っ張った。
2番手をアトランティス、3番手にスノーエンペラーがつけた。
マチカネはなんと4番手と先行策をとった。
中団にエアロワイアル、ナイト。例によってアドマイヤは殿追走。
残り800でレースが動いた早くも武豊アドマイヤが動いたのである。
それを見てマチカネも動いた。エアロワイアルも連れて上がっていく。
残り600ジャングルカフェが一杯になった。アトランティスも手応えが怪しくなった。
先頭はマチカネとエア。離れてスノーエンペラー、その後ろにアドマイヤが進出してきた。
直線に向いてマチカネとエアに早くもアドマイヤが並びかける。
だがマチカネとエアはあっさり競り落とされた。
アドマイヤの独走・・・誰もがそう思った。
しかし2頭の影がアドマイヤに迫っていた。
250カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 15:19 ID:qmXGfiEK
超ハイペースを早めに仕掛けたアドマイヤは脚色が鈍っていた。
それに対してじっと我慢していたスノーエンペラーとナイトオブザナイトはまだ余力があった。
みるみる差が縮まっていく。5馬身、4馬身、3馬身、2馬身、1馬身。
しかしもうそこはゴールだった。
1着アドマイヤワナ 1.59.3
2着ナイトオブザナイト 1馬身
3着スノーエンペラー クビ
251カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 15:20 ID:qmXGfiEK
破れはしたがスノーエンペラー陣営はダービーへの手応えを感じていた。
優先出走権を取れたこともその要因の一つではあるが
何より皐月賞で感じ取ったスノーエンペラーの「スタミナ」が陣営に期待を抱かせているのだった。
あの超ハイペースを3番手で追走しえ最後まで伸びたのである。
さらにアドマイヤはその強さが絶対的なものではなかったし、距離にも不安を抱えている。
スタミナを生かした乗り方をすれば逆転は可能だ。
ダービー制覇が見えてきた。
252名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/19 18:16 ID:QRND46Gh
おまいら知ってたか?
このスレ、レポートされてたんだぞ。
http://www.babu.com/~keiba/#sinmei
253名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/19 22:08 ID:VzvmsLUW
レポート記念age
254カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 22:17 ID:qmXGfiEK
そんな中皐月賞の翌週競馬サークルに衝撃的なニュースが飛び込んできた。
255ナイトオブザ内藤 ◆zrSbmMXrZw :03/03/19 22:20 ID:hQaws49d
ナイトオブザナイト頑張ってるな
256カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 22:25 ID:qmXGfiEK
「白毛馬誕生」
シラユキヒメとカーネギーとの間にかわいい白毛の牝馬が生まれた。
だがおめでたいニュースばかりではない。
交通事故に遭い後藤騎手が大変危険な状態になっている。
だが時間とは無情なものでいよいよダービー前日を迎えた。
257カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 22:28 ID:qmXGfiEK
「逃げます。それも速いペースで。」大西は記者たちにそう宣言した。
「ある程度の速いペースに持ちこんで、瞬発力勝負でなく根性比べに持ちこもうという作戦です。
確かに末脚勝負ならアドマイヤの独壇場でしょう。
だがハイペースならスタミナに不安のあるアドマイヤにも隙が生まれるかもしれない。」
大西はそう記者たちに作戦の意図を説明した。
翌日それは活字になりアドマイヤワナ陣営、もちろん武豊の目にも入ることとなった。
武豊はその記事を見てニヤリとした。
なぜならアドマイヤに距離不安を全く感じていなかったからだ。
これは先行勢まとめて潰れてくれると言っているようなものだ。
こんなありがたい話はない。逆にスローで前残りになる方がよっぽど嫌だった。
あとはたれてきた馬をうまく交わせればダービー制覇、いや無敗の2冠はもう目の前だった。
258242続き:03/03/19 22:33 ID:JQEYc+k1
1番人気 3.5  2   アドマイヤバラード 武豊   スプリングS1着
2番人気 3.9  4   エイシンブラスト   福永祐一 弥生賞1着  
3番人気 5.1  6   グリーンフィールズ  武幸四郎 若葉S2着
4番人気 7.2  1   ウインエアガイツ  柴田善臣 アーリントンC1着
5番人気 7.4  14  ジャングルダンサー 松永幹夫 きさらぎ賞1着
6番人気 8.1  8 バランスオブレース 田中勝春  弥生賞2着
7番人気 9.0  3 マイネルフライト 後藤浩輝  毎日杯1着
8番人気 12.0 7 エセー       横山典弘  若葉S1着

皐月賞当日、人気は上記のように割れた
エイシンブラストは2番人気に押されていた
中山競馬場は異様な雰囲気に包まれていた


ある評論家が言った
今年のクラシックこそ史上最高のレベルだと
ある調教師が言った
これ程の世代はまずお目にかかれないと
ある馬主が言った
このクラシックを制したものこそ
世界に通用すると

最も速い馬が勝つ
皐月賞
史上最大の牡馬クラシック戦線が
今、始まる……


259カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 22:37 ID:qmXGfiEK
そしてダービー当日。
1番人気アドマイヤワナ1.3倍
2番人気ナイトオブザナイト9.3倍
3番人気マイルCを勝ったロビンソンで10.5倍
8枠18番に入ったスノーエンペラーは17.1倍で5番人気に推されていた。
パドックでは目立った入れ込みを見せる馬もなく、さすがに選ばれた18頭といった感じであった。
そうして本馬場入場も終わり、ファンファーレがスタンドに鳴り響いた。
大歓声に驚いたかG1初挑戦の青葉賞勝ち馬シンボリルーラーがゲート入りを嫌がっている。
だが何とか目隠しをしてゲートに入った。その他の馬たちはスムーズに枠入りをこなしていった。
そして最後に大外のスノーエンペラーがゲートに向かった。
第83回日本ダービーがスタートした。
260名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/19 22:39 ID:Pj6QdbKg
>>259

> そして最後に大外のスノーエンペラーがゲートに向かった。
> 第83回日本ダービーがスタートした。

枠杁完了してねぇぞw
261無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/19 22:44 ID:5vdGSNi7
>>260
ばか!ここでカンパイ枠入りやり直しスノーエンペラーウマーの展開だろうよ
262カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 23:10 ID:qmXGfiEK
大外から敢然とスノーエンペラーがハナを奪いにいった。
ハイペースで逃げると宣言していたのがきいて誰も競りかけてこなかった。
もしついていったら共倒れになってアドマイヤに差されるのは目に見えている。
こうして楽に先頭に立ったスノーエンペラーは後続との差を大きく広げて2コーナーをカーブしていった。
注目のアドマイヤはいつも通り殿からレースを進めている。
ナイトオブザナイトも後方。普段先行するロビンソンも中団より後ろに位置している。
先行している有力馬は掛かっているシンボリルーラーくらいであった。
向こう正面の中ほどを過ぎてもスノーエンペラーのリードは15馬身はあった。
レースは静かに流れていった。そしてそのままの隊列で3コーナーへ。
ここでなんと大西がムチを振るった。スノーエンペラーは早くもばててしまった。
有力馬はまだ動かない。
皐月の二の舞になるのを恐れていたのである。
それにスノーエンペラーはもうばてている。直線勝負で大丈夫。自分の馬を信じて乗るしかなかった。
欅の向こうをすぎてスノーエンペラーのリードは10馬身あるかないか。
4コーナーをまわっていよいよ直線。
ようやく各馬仕掛け始めた。
だがなんとここで一気にスノーエンペラーが加速した。
あっという間にリードを再び15馬身に広げた。
観客がどよめいた。だがそれ以上にジョッキー達は驚いていた。
ハイペースでいって完全にばてているはずなのになぜ?
ここでようやくジョッキーたちは大西に謀られたことに気づいた。
ハイペースでもなんでもない。スノーエンペラーは超スローペースで逃げていたのである。
3コーナーでも実際にはムチを入れてなかったのである。
大西にまんまとしてやられたことに気づいたが後の祭であった。
すでにスノーエンペラーに絶望的な差をつけられていた。
いくら物凄い末脚を持っているとはいっても直線だけで30馬身近くは取り返せない。
武豊は負けを悟った。それはナイトオブザナイトの鞍上の蛯名も同じであった。
だが馬は諦めていなかった。ナイトオブザナイトがもの凄い勢いで追い込んでいく。
263八雲 ◆shGQTEeWIo :03/03/19 23:12 ID:odTkou2E
脚粉々だろうな
264カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 23:19 ID:qmXGfiEK
だが到底届きそうもなかった。
唯一先行していたシンボリルーラーも懸命に伸びるが届かない。
そしてとうとうスノーエンペラーは逃げ切った。
勝ち時計は2.28.4
3馬身差の2着にシンボリルーラー、2馬身遅れて3着にナイトオブザナイトが入った。
265カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 23:31 ID:qmXGfiEK
トウカイテイオー産駒がダービーを制した。
これが噂になり競馬を離れていたファンが徐々に戻ってきた。
この馬が勝ち続ければ競馬人気は復活する。
こうして競馬界の救世主としてスノーエンペラーは秋も期待されることになる。
266カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/19 23:52 ID:qmXGfiEK
だがそう簡単に勝ち続けられるほど甘くはなかった。
もとよりダービーは作戦勝ちだったのだからしょうがなかった。
セントライト記念は逃げてシンボリルーラーにあっさり捕らえられて2着。
菊花賞は再び大逃げを打った。だが終始ジャングルカフェに絡まれて惨敗。
レースはエアロワイアルが制した。2着はまたしても善戦及ばずナイトオブザナイト。
一方秋天に3歳代表で挑んだアドマイヤワナとマチカネハチガサスはともに大敗。
アドマイヤ7着、マチカネ13着という散々な結果に終わった。
しかもレース後にアドマイヤは骨折判明。そのまま引退となった。
267カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/20 00:04 ID:jL56kAoN
その後スノーエンペラーはダービーと同じ舞台のジャパンカップに出走。
だが夢よもう1度とはならなかった。結果逃げて11着。
その後脚部不安を発症。1年半近い休養を余儀なくされた。
268カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/20 00:05 ID:jL56kAoN
復帰戦には札幌記念が選ばれた。
+20キロでの出走。人気もなかった。レースは逃げずに先行した。
だが直線伸びず6着。
続いてオールカマーに出走。
先行して見せ場なく5着。
そして毎日王冠では9着に敗れた。
復帰してからの3戦全て見せ場なく惨敗。
これにより今年一杯で引退としてきたが内容次第では次走で引退だと発表された。
269カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/20 01:05 ID:jL56kAoN
 
270名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/20 04:15 ID:QxfhB/Ct
借入件数の多い方でも
1度完済して信用がつくと2度目からは
50万まですぐ貸してくれます。これホント!!
それとこの会社、申し込みの時「データバンクに載せないで」
と頼むと、その通りにしてくれます。
つまり、サラ金からお金を借りた履歴が残らないんだよ。
これ便利かも。
http://square7337.com/ 
i-modeは http://square7337.com/i/
271名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/20 20:03 ID:jL56kAoN
hoshu
272無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/20 22:32 ID:cUAvBrmg
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

>>239の続き

集合の合図がかけられ各馬がゲートの後ろへ集まる。
    レースの流れを握る、ミーだからこそ出来るライディングを見せてやろうボーイ達
    いつも武豊じゃあ…おもしろくないだろう
各馬がゲートへと誘導されていく
    まずは馬に任せる事それが勝機を生み出す 大外ぶん回して勝ちを掻っ攫ってやるんだね
スターターが台へ向かって歩み始めた
    例え脚が砕け様とも追うのはやめん! この眉毛にかけて
スターターが台へと上がる
    前人未到とは僕のためにある言葉だ 私がダービーを制する事で地方と中央の関係は変わる
旗が振られる
    先生に恩返しをするんだぃよう 俺のパフォーマンスに酔いしれろ
観客がいっせいに拍手をする
    いつも人気馬で決まらないのが競馬だろう 初G1がダービー悪くない
ファンファーレが鳴り響く
    合コンを我慢してきたんだやってやる 俺は今こそ親父を越えて見せる 俺のマジックを見せてやる
大歓声が巻き起こる
    流れに任せ末脚にかける 豊マークデチョウハッピーネ
そして一瞬の静寂、最後の一騎が大外枠へと誘導されていく
 トップロード、君は今この空の下、何をしているだろう。
 僕は今こそおまえと果たせなかった夢を果たす。感じていてくれヴィクトリーロードの
 おまえの息子の息遣いを…僕は今こそおまえに恩返しをして見せる。
渡辺はヴィクトリーロードをゲート内へと進めた。

そ し て

各馬の体勢が整った…
273無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/20 22:41 ID:cUAvBrmg
社台スタリオンファームの放牧地の一つ…
「おーいトップロード」
担当の従業員が一頭の馬の名を呼ぶ、手にはスティック上の人参が握られていた。
トップロードは一目散にやってくる。
そして早くよこせと従業員に催促する。
「おまえ本当に人参好きだなあ」
人参をほうばっていたトップロードがふと耳をピックと動かしたかと思うと
空を見上げる仕草をした。
「ん?どうかしたか?」
従業員も空を見上げる、そしてふと思い出したように
「そういえば、おまえの息子のヴィクトリーロードが今日のダービーの本命だったな…」
トップロードの目にはどこまでも青く澄んだ空が映っていた。
そしてその空は遥か遠く府中まで続いている。

274無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/20 23:08 ID:cUAvBrmg
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

スターターの声がこだまする
「でろーーーーー」

ガシャターン!!
ゲートが開くと同時にスタンドが大歓声に包まれる。
人気のホシノカクテル、テイエムカイヨウオそしてヴィクトリーロードはそれぞれ抜群のスタートを決める。
人気の三頭の好発により、他馬ははなされまいと一気に差を詰めてくる。
そして三頭は瞬く間に馬群に飲み込まれていく。だが、馬の行く気に任せた人気馬の3頭の騎手達に焦りは無かった。
先頭を行くのは岡部幸雄レジェンドエンペラ。本来逃げると予想された後藤浩輝ベビベビベイベは大きく出遅れ。
「後藤は出遅れか…相変わらずレバーがスモールな奴だ…しかしこれでミーのペースに落しやすくなった
後続の人気馬ども魔のスローペースに戸惑うが良い」
徐々にペースを落す岡部。しかしその斜め後ろに馬影が映る。
「( ゚д゚)what?」岡部がチラッと後ろを見るとそこには江田照男タイガーアイズの姿があった。
「へい!エダテルボーイ!ユーはまた冷やかしか!?」
岡部が江田に呼びかける
「フッ」江田はニヒルに笑う。が岡部の斜め後ろにピタッとつける。
(なるほどエダテルボーイ、ミーの後ろにつけてミーの馬にプレッシャーを与え消耗させつつ楽なペースにライドし
勝負どころで出しぬくつもりか…この岡部をあまり軽くみるなよフフフ)
(岡部さんの事だ何か間違い無く仕掛けてくるどこでどう交わすか…)
が両者のそんな思惑をよそにさらに一頭すごい勢いで近づいてくる馬がいた。
後藤浩輝ベビベビベイベである。
275無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/20 23:36 ID:cUAvBrmg
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

「な!?」両者は一瞬戸惑う、その好きに後藤は2頭を交わして突き放しに掛かる
「ク・クレイジーボーイ!?」「馬鹿な無茶だろ!?」
「ベビベビベイビ…」後藤はブツブツ歌を歌いながらどんどんペースを上げる。
「スリル!?」岡部が思わず声を上げる
「布袋かよ…(てか岡部さんなんでスリルなんて知ってんだ?)」
「レジェンドちゃんキープテンションよ…」
岡部は控える構えを見せる、しかし江田は岡部の馬に併せに行くそれによってレジェンドエンペラが行く気を見せ始める。
「エダテルボーイ!?ガッデム!」
岡部はレジェンドをいったん下げ江田タイガーアイズから離れる。その隙に江田照男はさらに前に馬を進める。
「逃がさん!」江田は後藤を追う姿勢を見せる。
「ク・クレイジー…」レジェンドエンペラは依然落ちつくそぶりを見せない。
「仕方ない、一旦ハミをくれてやり落ちつけるしかないか…」
岡部がハミを与えるとレジェンドエンペラはじりじりと前に進みながらも落ち着きを取り戻し始めた。

「ハイペースなら長く良い脚を使えるこの馬の持ち味が生きる流れになる。」
渡辺はホシノカクテルを見る位置にヴィクトリーロードを固定する。
テイエムカイヨウオは馬群の中団を進む、幸はこの馬の器用な脚さばきに感嘆をもらした
「こいつなんてセンスが良いんだ・・・自分で馬群をさばいていく…この馬の父もこうだったのか?だとしたら和田がG1を7勝も出来たことに納得がいく。」
ヴィクトリーロードの気配を後ろに感じながら武豊はフッと笑う。
「渡辺…よほどあの時のダービーが悔しかったらしいな…良い位置取りだ。幸もあの馬の特徴を考えた良い位置取りだ
だが…決定的におまえらとこの武豊では違うものがある…。それをおまえ達は今から知る事になる」
276名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/21 10:47 ID:Wl7+w3Dt
>いつも人気馬で決まらないのが競馬だろう 初G1がダービー悪くない

これがわからん
277名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/21 11:12 ID:HObPAQKN
江田照と幸?
278無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/21 12:22 ID:r+UaOyo9
>>277
正解
279カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/22 02:10 ID:DD0GYM/r
  _、_
( ,_ノ` )ノ ぷれんてぃー
280カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/22 14:40 ID:DD0GYM/r
ほしゅ
281no.14 ◆gjggxGbbCA :03/03/22 23:10 ID:LU8qFa4G
浦河・・・

今日もハードだった仕事もひとまず終え、寮に戻ろうと車に乗り込んだその時、
若者を呼び止める大きな声が飛んだ。

『おーい!!ニセイの馬名が決まったぞ!!』
一際響き渡る声の主はやはり場長だった。
ニセイと言うのはこの育成牧場内でのあのトウケイニセイ産駒の愛称で、
育成牧場に限らず生産牧場でも正式な馬名が決まるまでは
父親の名前で呼ばれることは多い。

『何て名前になったんですか?』
急いで駆け寄って来ては質問した若者に、場長は間髪入れずに答えた。
『ロックハンドだ』
『ロックハンド!?・・・なんか堅そうで、ある意味強そうですね。
 そうか、ロックハンドか・・・・・ん?・・・ロックハンド??
 ・・・ま、まさか場長、ロックハンドというのは・・・』
中年男は何も言わずゆっくりと頷いた。

『そっちかぁ・・・・・・』

ロックハンドと命名されたその二歳馬のオーナーは
青森、秋田、岩手の北東北を中心に展開するコンビニエンスストアのチェーン店の社長で、
その会社名を岩手めんこい商事(株)といった。
これまで所有馬には冠名としてメンコイキャプテンなど
必ず【メンコイ】を付けていたのだが、
調教師からの『この馬は相当期待できると思います』という言葉を受け
会社名は会社名でもめんこいではなく、自分の生まれ育った土地の名でもある
岩手のほうを採用したのである。

そう・・・ロックハンドとは直訳すると【岩手】である。
282no.15 ◆gjggxGbbCA :03/03/22 23:12 ID:LU8qFa4G
ゲートが開いて四頭のサラブレットが広大な芝を一斉に駆け出した・・・

ちょっとだけ抜けているだろうと見られていた有力馬のあの馬はもういない。
まさに何が勝つか全く分からなくなったファイナルプライドのデビューレース、
千載一遇のチャンスを物にすべく
ガンジスの唱える意味不明な呪文も自然とヒートアップ。

しかし、そんな必死な男を無視するかの様に
最内枠からのスタートだった栗毛馬が後ろとの距離をすんなり広げていく。

【エコフィスク Ekofisk 牡】
父:ヌレエフ Nuryev 母父:ダブルトリガー Double Trigger  

綺麗で映える栗毛の馬体を持つエコフィスクは
気が付くと6ハロンのレースとは思えないほどの差を後続に付けていた・・。

『なんだよあの馬!』
ガンジスが呪文を唱えるのを止め、素で愚痴をこぼすのも無理は無かった。
すんなり逃げているあの栗毛馬はレース前まではガンジス自身、
対戦する四頭の中でも一番敵では無いだろうと見ていたからである。
父こそ大種牡馬のNuryevだが、母系が近年活躍馬が全く出ていないことに加え、
エコフィスク自体が調教でさっぱり走らず、
その動きをガンジスは生で何度も見ていたのだ。
ガンジス以外の陣営にも完全にノーマーク視されていたエコフィスクは
資質の違いをレースの舞台でまざまざと見せ付ける。
だがここまでスピードが違うとマークをしていたとしても結果は歴然・・・

そんなエコフィスクの走りを見て競馬関係者、
そしてファイナルプライド目的に競馬場まで足を運んだ観客までもが
感嘆の溜め息を漏らすのだった。

しかし、無謀にもたった一人だけ天才に立ち向かった男がいたのである・・・
283no.16 ◆gjggxGbbCA :03/03/22 23:13 ID:LU8qFa4G
突如現れた快速ランナーに、ひとりよがりのテロを謀ろうとする男がいた。
当然、デカン・ガンジスその人である。

思えば運が良さそうで、実は最高に悪かった・・。
せっかくファイナルプライドの一番の敵になるであろう馬がいなくなったのに
なんと不幸なことか、すんごい怪物が密かに混じっていたのだから。
この予想外の展開に自分勝手な思考回路を持つガンジスはどうしても納得いかなかった。

そして、ほんの数秒、思いつめた様にうつむいたかと思うと
何かを決心した表情を見せ、いきなり鬼の形相で何やら叫びだしたのである。

『↑↑↓↓←→←→BA!!! ↑↑↓↓←→←→BA!!!!!!』

【ベンガル法】
レグール呪術が完成されたと言われるそれよりも昔の古代インダス・・・
そこには見せかけだけのレグール呪術とは違う本物の呪術が存在したと言う。
ベンガル法と言われたその呪いの効力と言えば、
呪いをかけた相手が、せっかく生け捕りにしてきた豚を自然と逃がすことが出来たり、
釣ってきた魚をあっという間に腐らせることも出来たと言う恐るべき呪術である。

だがベンガル法は、その圧倒的な効力と引き換えに
呪いをかける人も呪われる人同様、一緒に呪われてしまうという諸刃の剣だったのだ。
そんな危険な呪いの法と承知の上で、
ガンジスは自分の身を危ない目に晒してまで勝利への執念を見せるのだった。

『↑↑↓↓←→←→BA!!!! ↑↑↓↓←→←→BA!!!!!!!!』

こんな男が居ることを知る由も無く、先頭のエコフィスクは残り2ハロンを過ぎ、
後ろの三頭も、一つ間を置いて通過して行く。

しかし・・それと同時に俄かに観客席からざわめきが・・・
そしてそれは、確実に大きなどよめきへと一気に変わった!!
284カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/22 23:18 ID:DD0GYM/r
hoshu
285名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/22 23:33 ID:shRZTyrB
>>281
ワロタ。直訳も糞もあるか。
286名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/23 12:57 ID:6De+qafo
>>283
コナミコマンド
287無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/23 19:59 ID:6rLydDaA
>>286
しかもそれをSFCのグラディウスIIIでやると自爆コマンド
288カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/23 22:09 ID:ggRjarm9
  _、_
( ,_ノ` )ノ 保守
289無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/24 01:06 ID:ULEaH9PV
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

某スレで続き早く書けといわれたので書く

向正面を行く18騎、速いながらも淡々と進む流れ。
先頭を行く後藤浩輝ベビベビベイベが3、4コーナ中間地点を過ぎる頃
後続集団が3コーナー入り口にさしかかる。
「そろそろか…」呟くと武はホシノカクテルを徐々に外に出しながら仕掛ける仕草を見せる。
…他の騎手はそれを見て遅れまいと加速し始める。
後続集団とベビベビベイベの差が一気に縮まる。
大外を回って進軍するホシノカクテル。それに対して内でいつでも馬群をさばく体勢にあるテイエムカイヨウオ。
渡辺ヴィクロは…
(ここは前に進むのは我慢だ…焦っちゃ負けだ。だがヴィクロは馬群をさばくより馬ゴミを避けノビノビ走らせる方があってるはずだ。)
外に出し始める渡辺。しかしまだ前には行かない。
観衆にはテイエムカイヨウオの位置取りが見えていた、いや実際よかったはずである。このまま直線に入ったなら…
4コーナーから直線入り口粘っていたベビベビベイベの脚色が一気に鈍る。
まるで止まるかのような減速を見せるベビベビベイベ、武に釣られ加速し始めた後続集団が交錯する。
前々の競馬を進めていた岡部、江田はこれを楽に交わすがさらにその後ろはそうはいかない。
外にだそうにも大外武豊ホシノカクテルは動く気配を見せない。
ベビベビベイベの進路の後方にいる騎手は達は抑えざるを得なくなる。加速を始めたのにだ…
そして不運にもエアポケットに嵌るかのようにベビベビベイベの真後ろに位置していたのはテイエムカイヨウオであった。
左はラチ…右には馬群がびっしりと詰まっている…。
290無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/24 02:03 ID:ULEaH9PV
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

その光景を渡辺は後方の外を回りながら見ていた…。
(幸つまったのか?…いや!?豊さんの動きはこれを意図したもの…なのか!?
一人の騎手がここまでレースを操れるものなのか…レース前に外から行くと覚悟を決めて無ければ僕も危なかった・・・。)
前を行く馬達が窮屈な走りを見せるのとは裏腹にヴィクロはのびのびとした跳びを見せる。
しかし渡辺はヴィクロの跳びに違和感を感じ始めていた。
テイエムカイヨウオは自身レースセンスでベビベビベイベの動きに合わせ速度を合わせる。
内なる闘志を増幅しつつ、その闘志は手綱を通して幸にビリビリと伝わる…だが…
(このままではいずれ萎む…このままでは…)
直線入り口にさしかかる。
じっとベビベビベイベを見ていた武がコース取りはそのままでベビベビベイベより前の位置に出る。
「もうすぐだな…」
291無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/24 02:04 ID:ULEaH9PV
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

「もうすぐだな…」
内に持たれるベビベビベイベを必死に立てなおそうとする後藤の体に逆方向への力が加わる。
ベビベビベイベが今度は外に膨れたのだ。一気に修羅場と化す馬群、飛び交う怒号。
ただ、一頭テイエムカイヨウオにとっては幸運だった。
幸が判断するより速くテイエムカイヨウオは内を鋭く切り裂いて馬群を抜ける。
しかし、あまりにも凝縮された力はとどまるところを知らなかった。
明かに速いラストスパート…坂を前にしてホシノカクテルを交わし前を行く二頭にどんどん近づく。
(幸あれを抜け出したのか…だが坂の途中で間違い無くあの脚は止まる。渡辺は我慢したか…
だが、あの位置からでは捉えられない…ダービーはもらった…。しかし後藤は見事に嵌ってくれたものだ)

本来、ベビベビベイベは武の騎乗馬であった。この馬に初騎乗の後藤は武に特徴を尋ねに来たのであった。
この馬は騎手が乗って攻め馬をするとテンションが上がりすぎるため調教では騎手を乗せない。
そこで武はダービーに備え一計を案じた。
後藤はそのはしゃぎ振りとは裏腹に非常に神経の細い男である。そこを突いた。
ベビベビベイベはスタートも悪くない馬であるが現段階では逃げてこその馬である。
武は後藤にこの馬にとってどれだけスタートが重要かを誇張して伝えた、また実は出が甘いとも。
武の言葉だけにそれは信憑性を帯び、その言葉は後藤の脳裏に刻み込まれその緊張は馬に伝わり本来スタートの良い馬がリズムを崩す。
そして逃げてこそという真実が後藤を焦りに導く、我を忘れ先頭へと立とうとひたすらに前へと行く。
そして内にもたれるという真実の切れ端を与え、内にもたれるのを抑えるよう促す。
その先にある真実は内に抑えすぎるとそれ以上の力で外へと力を解放するという事実。
武は知っていたこの馬にとって内に持たれる事より外へ逃げる事の方が大きな問題であると。

大きく外へとばらけた馬の間を抜けヴィクトリーロードの前に残る馬はあと4頭。
渡辺はなおも違和感を感じていた…
                   「やはり違う…」
292無職栗毛 ◆Ivmf5R7KJ. :03/03/24 02:43 ID:ULEaH9PV
ヴィクトリーロード
そうヴィクロのことだと思ってほしい。

(やはりだ…一完歩の滞空時間が長くなっているような気がする…)
そして肌に感じる無いに等しいスピード感とは裏腹に流れる景色は加速度を増していく。

坂下でホシノカクテルが江田タイガーアイズ、岡部レジェンドエンペラを交わす。
テイエムカイヨウオとは3馬身の差があるがカイヨウオの脚はあがり始めていた。
「クッ…脚が上がり始めてきたか…」必死に馬をおう幸。
だがここで武のムチ一閃ホシノカクテルが差を一気に詰め先頭に立つ。
その5馬身後方にヴィクトリーロード。

ヴィクトリーロードの体は一完歩ごとに伸びを増す。それが無限に続くかのように。
「…凄い奴だおまえはヴィクロ…この直線だけで自らの走りを進化させるなんて…」
「僕に出来る事は…」
「おまえの闘志を奮わせること、そしておまえの邪魔をしない事だけだ…」
ムチを振るうと渡辺は全てをヴィクロに任せた・・・
渡辺は気付いていなかった、いつもはぶれる頭が、体が…今は固定されたかのようにぶれていない事に。

その刹那いままで無いに等しかったスピード感が加速度を増して渡辺を襲う。
夕日を浴び黄金色に輝きながら加速するヴィクトリーロードは
馬という生き物の枠を越えた神々しさを放ち風をまとい坂を駆け上がる。
スタンドは静寂に包まれた。
ホシノカクテルに並びかけたかと思った次の瞬間、ヴィクトリーロードは2馬身の差をつけゴールへと飛びこんだ。
その姿にホシノカクテル武豊でさえも息を飲む。

速度を落すヴィクトリーロードは今なお夕日を浴び光り輝いていた。
そして…
遥か北の大地に佇む一頭の馬も夕日の光の中、空を見上げ光り輝いていた。
293カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/24 03:22 ID:cw5wK9Kp
保守
294名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/24 10:53 ID:ym8TK1nX
保守。
295名無しさん@お馬で人生アウト:03/03/24 11:52 ID:V3R5l02F
をを、ヴィクロうpされてる。
冗談のつもりで催促したのだが…w
無職栗毛どの、サンクス。楽しみにしてるYO!
296カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/24 16:47 ID:cw5wK9Kp
保守
297162:03/03/24 20:46 ID:WCwZMg+G
当麻川のふもとにあるアロウスタッドは自然の美しい、とても
環境の良いところだ。5月中旬から、つまりダービーを賑わす
ようになる頃から、川のほとりで源氏蛍が舞いはじめる。
淡い光を放つ蛍の群集は、まるで僕達の荒れ組んだ心を悟って
いるかのように心を癒してくれる。厳しい競争社会の中、栄光を
手に入れた優秀なサラブレッドのみが、この桃源郷
アロウスタッドで余生を暮らすことができる。

一夜を久しぶりに兄と一緒の馬房で過ごし、夜明けを迎えた。
実質、オーナーブリーダーだった親父さんを失い、僕の身元は
どうなるのか不安だったが、それ以上に深い悲しみをトコロテンキングを
襲った。

あの忘れもしない菊花賞。
僕が銃で狙われていたことはわかっていた。
298162:03/03/24 20:48 ID:WCwZMg+G
野生の馬の視力は人間を遥かに凌駕していることを人間様は知らないようだ。

カネイチ牧場の経営が上手くいっていないことなんて遠の昔から知っていた。
だから、たとえ自分が犠牲になってもカネイチ牧場の親父さんたちが幸せに
暮らせるならと思い、自分の命は犠牲にするつもりだった。

兄と同様、生まれ付き弱い体質で産まれた僕を、大事に育ててくれた。
こうして健康に走っていられるのも、生きていられるのも、全部
カネイチ牧場のみんなのおかげだ。
今度は僕がカネイチ牧場を救う番だと思っていた。

銃弾は僕の足元を狙ったようだったが、実は外れていた。
でも、このままだとスカイハイウイングは大外を強襲しようとする
メジロクルセイドに指されると確信していた。
だから僕はわざとメジロクルセイドをブロックするように転倒したんだ。
それによってスカイハイウイングは優勝し、佐藤の思惑通りの結果となった。

歓声とどよめきが湧き起る第71回菊花賞。
そして今日は3:20分に発想する第80回東京優駿。
まるで、今日のレースは悪夢を呼び戻す、全く展開のレースだった。
299カエサル ◆BAKA/I80Jo :03/03/24 23:59 ID:cw5wK9Kp
ダービーを逃げ切った時には白い皇帝と言われたが、
今では葦毛のダービー馬に強い馬なし、フロック、
ラッキー珍馬などと一部のファンから言われていた。
だが根強いファンもまた数多くいた。
その証拠に今年の宝塚記念のファン投票では6位に入ったのである。
そして天皇賞当日。
事実上の引退レースになるであろうこのレースを目に焼き付けようと、
テイオーのファンなど20世紀の競馬ファンも集まり、
久々に好メンバーが揃ったことも手伝って7年ぶりに東京競馬場に10万人以上の観客が訪れた。
300162:03/03/26 03:57 ID:1Pg4rWmJ
2013年、第80回東京優駿は実質4頭だてのレースだった。
しかし、JRAを統括する審査会会長、田口氏が今後のダービーの格に
傷がつくことを懸念し、1頭のゲストホースを招待した。
もしその馬が勝った場合、賞金はその馬が通常通り賞金を収得し、
第80回ダービー馬は該当馬なしということになる。

その矛先になったのが、以前僕と洛陽Sで共にしたマヨネーズバドだった。
今ではGIマイルCSを勝利した一端のGI馬だ。
斤量は古馬ということで、62キロを背負うことになる。

また、このダービーは頭数は少ないがとても興味深いな面々が名を馳せている。
今は亡き佐藤の持ち馬、皐月賞馬スカイハイパワーをはじめ、
青葉賞の勝ち馬、デビュー以来3連勝中のマーシャルプラン。
NHKマイルC、3着、4着のスマートレターとタジマキンゾク。

佐藤には長男の忠男、長女のナツ子、次男のヒロミと3人の子供がおり、
スカイハイパワーの権利は長男の忠男が全面的に引き継ぐ形となっている。
また、佐藤は外食産業でトップを走る、佐藤グループの会長で
これもまた長男である忠男が会長の椅子に座ることになっているようだ。
余談だが、佐藤グループがプロディースするキラシタンカフェや
ないぶつころころなどの斬新で奇抜なセンスを取り入れたレストランは
常に若者の間で話題になっている。