◆フェブラリーＳ（2/16 中山11R ダ1800 GI）◆

注：大→大臣、博士→博、王様→王

『時計のかかる中山ダート1800では大崩しない先行馬が実は危ない』
大：今月は中山ダート1800について考えてみたいと思います。
博：ということで、私はこの1ヶ月、中山ダート1800の馬券を買いまくりました（笑）。
大：偉い！（笑）　僕は中山ダート1800というと、馬場と展開の変化によってくる馬がガラッと代わってしまうと言う印象が強い。
下級条件で前崩れになるとドデカい馬券が出る印象も強いんだけど、そういうレースはとても買える気がしない馬券なんですよね。
とにかく、僕にとって中山ダート1800は漠然と馬柱を眺めてるだけではさっぱりレースのイメージが湧いてこなくて、何をとっかかりに予想すればいいのか正直わからない。
王：「中山ダート1800に合う血統は？」なんて考えると罠にハマるんだよね（笑）。
大：とにかく僕にとってはつかみどころのないコースで、だから、馬券に手を出さない。
それでますます中山ダート1800で何が起きてるのかがわからなくなる。
結果だけ見れば「ああ、この馬はいかにも中山ダート1800で一発やりそうなタイプだなあ」というのはわかるんだけど。
王：正月競馬は、中山と京都のダートでトラック・バイアスの激しさをまざまざと見せつけられてたよね。
王：開幕集の中山は外枠がよく来てて内枠の人気馬がばんばん飛んでた。
2週目は京都で内枠ばかり来てた。気づいてなかった？
大：全然（笑）。博士は気づいてた？
博：いいえ（笑）。

大：中山ダート1800の馬券を買いまくってたのに？
博：別のこのに頭がいってたもんで（笑）。
王：中山ダート1800はそういうトラック・バイアスに注意して、もし何らかの兆候が出ていたら即座にそれに対応する。
それがまず攻略の第一歩だよね。
大：中山ダートは1200より1800の方がトラック・バイアスの影響を強く受けますよね。
王：そうだね。それと中山のダートは去年の秋から砂を深くしたでしょ。
だからパワー型の馬がよく来てるよね。
ホリスキーが1日2勝してたり（‘02　10月26日）。
大：去年の秋から中山ダート1800ではアフリートやフォーティーナイナーがあまり来てなくて、ゴツい血統の馬がけっこう来てますよね。
で、中山ダート1800の馬券を買いまくってみて、博士はどんな感触を得たの？
博：5ハロン目あたりからどんどん加速していく感じのレースが多いんですね。
王：中山ダート1800はそんな難しいことを考えない方がいいんだよ（笑）。
博：あ、そうなんですか？
王：後ろから行く馬が届くレースなのか、届かないレースなのか？それだけを考えればいい。
大：ま、そう言わず、もうちょっと博士の話を聞いて見ましょう（笑）。

博：去年のジャパンCダートがまさにいま言った流れだったんです。
このレースでイーグルカフェが勝ったのはどういうことだ！？と、そのことの意味がずっとわからなかったんですよ。
大：デットーリが乗ったからでしょ（笑）。
王：ま、そう言わず、もうちょっと博士の話を聞いてみよう（笑）。何か別の理由を発見したんでしょ？
博：イーグルカフェは、届くか届かないかは置いといて、とにかく前半ゆっくり行って、後半に速い脚を使う馬じゃないですか。
だから、この馬自身、前半より後半の3ハロンのタイムのほうが速いということが多いんですね。
で、実はいまの中山ダート1800では芝のマイル以上でこういう競馬をしてた馬がよく来てるんですよ。
さっき言ったように、中山ダート1800は後半にどんどん加速していくことが多いから、ここで速い脚を使える馬が有利だということじゃないかと思うんですが。
それと、近走にダートの短距離戦を使ってた馬もよく来てた。
これは速い流れのレースを経験したことで、どんどん加速していく流れに対応してるんじゃないかと思うんですが。
ということで、近走、芝で溜めてしまいを活かすようなレースをした馬、あるいは近走で前半が速いレースを経験してる馬が狙いじゃないかなと。
大：？？？？？

世代の強さから言ってビワ新世紀でいいだろ
次が若さも加味してドン、ゴルァ
そん次ダートじゃそこそこ強いフライト世代のマイネル、カフェ

博：じゃあ、具体的に説明します（笑）。
1月6日の中山8R。
これが3連複が30万馬券になったレースなんですが。
王：外枠同士で決まって大荒れになったレースだね。
大：この週は内枠がダメだったんですよね。
王：そう。
博：ジンブレの成績を見ると、この馬は地方時代にダートで勝ったことはありますが、中央では初ダート。
ということで、近走はずっと芝でのレースなんですが、前半3ハロンと後半3ハロンのタイムを見ると、常に後半の方が速いじゃないですか。
ということで、この馬を本命にしたら3着で（笑）。
大：ヒモにレオハリウッドとトキノナイスナイスは買ってたの？
博：買ってました。
大：3連複も買っていればなあ（笑）。
博：レオハリウッドは2走前に1200を使ってますよね。
トキノナイスナイスは前走で後方からよく追い込んできてたので押さえました。

王：俺も、このレースは間違いなく荒れると思って買ってたよ。
1番人気はモリトシンシンなんだけど、近走３、４、４、６着みたいな人気馬はいちばん買っちゃダメだよね。
こういう馬は△も打とうと思わないのでばっさり切ったほうがいい。
で、2番人気がデビュー直後にちょっと能力を見せただけのウッドマン（ダリオ）の休み明け。
3番人気が中央ではダート実績のないマルハチストライク（地方時代にはダートで1勝あり）。
こうやって押し出されて人気になるような馬しかいないレースだった。
大：で、本命はなんだったんですか？
王：マイネルウッズ。
大：ああ、ティンバー×ノーアテンションでいかにも一発ありそうなタイプだなあ。ティンバーはいまの中山ダート1800でもよく来てるし。
で、結局、このレースは先行したレオハリウッドが残って、トキノナイスナイスが後ろから突っ込んできて2着。
中山ダート1800は、3頭ぐらいで先行した馬のうち2頭が脱落して、そこに差し・追込み馬が割って入ってくるというパターンが多いですよね。
王：そうそう。差し・追込み同士で決まるということはあまりない。
大：しかし、前走が０，２秒差での6着の馬（モリトシンシン）より、前走2秒4も負けている馬（レオハリウッド）の方が臭いというのはどういうコースなんだ（笑）。

博：それから12月21日の中山2R。
ここは前走、同じコースで、先行して2着だったエニウェイゴーズが1番人気で、追い込んで3着だったウォームフロントが5番人気だったんですけど、前走の内容としてはウォームフロントの方がいいなと思ったんですよね。
王：その考え方は正しいね。
大：え、どういうこと？普通は前にいけるエニウェイゴーズの方が信用できそうに思うけど。
ウォームフロントの前走は展開が向いただけで二番が利かなそうに見えるんだけど、実は時計のかかる中山ダート1800で二番が利くのはこっちなんだよね。
大：あ、そうなんですか。
博：前走のエニウェイゴーズは、逃げて2着に粘ったと言っても上がりが39秒6。
ウォームフロントは上がり39秒0の脚で追い込み3着。
次にどっちを買いたいかというとウォームフロントの方だと思うんですよ。
大：そういうもんなんだ、中山ダート1800というのは……。
博：エニウェイゴーズみたいなタイプはしばらくは先行して3〜4着止まりが続いて、相手のレベルが下がった時にやっと順番が回ってきて勝ち上がるんじゃないかと思うんですけど。
大：さっきのレースのモリトシンシンと同じようなもんか。

博：こういうタイプよりも、このレースを勝ったフューチャギャングのように、芝で詰めの甘い競馬をしてた馬のほうが先にあっさり未勝利を抜けちゃう。
ちなみに、ウォームフロントは次走の中山ダート1800で1番人気になったんですけど、初ダートだった2頭にやられて3着でした。
大：結局、中山ダート1800では1番人気なんか買えないってことか？（笑）
博：いや、そんなことはないですよ。
1月12日の中山8Rでは目白グリーンが番人気に応えて勝ったんですが、この馬が前半は前半3ハロンより後半3ハロンの方が速い。
だから、これは1番人気でも来ちゃうかなとは思いました。
王：このレースで危ないのは、前2走が先行して3着、4着のエーピーレインボウの方だよね。
大：ああ、なるほど。
このレースは王様は買ってましたか？
王：買ってたよ。
中山ダート1800は500万と1000万では万馬券の出現率が全然違うんだよね。
1000万はそんなに荒れない。
だから、最終レースはあまり買わずに７Ｒとか８Rをよく買ってるよ（笑）。
大：ちなみにこのレースの本命は？
王：レインキャスケード。
ウイニングチケットの叩き5戦目、芝→ダート替わりで、蛯名を乗せてきたから、ここは大勝負だと思ったら、中間、正月で稽古を緩めちゃったのか16キロ増の重目残りだったんだよなあ。

大：残念。この馬は絞れた時に狙い撃ちしましょう（笑）。
で、もう一度繰り返すと、近走、先行して大崩れしてないモリトシンシン、エニウェイゴーズ、エーピーレインボウみたいな馬が実はアテにならない、というのが中山ダート1800mの前提なんですね。
王：時計がかかる馬場の時の前提だけどね。
そのイメージがよく出てたのがジャパンCダートだよ。
先に動いたもん負けみたいな。
アドマイヤドンやゴールドアリュールでさえああいうことになって、リージェントブラフみたいに最後まで脚を溜めていた馬が届いてしまう。
で、もう一度やれば今度こそアドマイヤドンかゴールドアリュールが勝つだろうと思ってると、またリージェントブラフが届いちゃうみたいな。
大：フェブラリーSの結果がどうなるかはわからないけど、実は二番が利くのはリージェントブラフの方だ。そういうイメージを持っておくのが大事だということですね。
博：実際に中山ダート1800の予想をしてて、どの馬から買おうかとなると難しいんですが、どんな人気馬が危ないかなというのはわりとわかりやすい気はするんですよね。
王：ただ、あまり後ろから行く馬ばかり強調するのも危険だとは思うけどね。
実際に数から言えば前に行ってる馬の方が多く連対してるから。
大：エーピーレインボウみたいな人気馬が危ないとわかっただけでも、かなりやる気が出てきたのに、また最後にそうやって難しくするようなことを言う（笑）。