【泣かせろ】・゚・(ノД`)・゚・キーストンよりイイ話【酒の肴】

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競馬は沈黙のスポーツではない、鞍上では「先に行かせろ」「前開けろ」など
様々な言葉による駆け引きが行われている。
しかし、この時、当然女性ジョッキーは言葉の駆け引きに弱い。

細江純子が現役だったころ、ズブった馬でもなかなか前を開けてくれなかった。
しかし、現役時代を通じてたった2人だけ前を開けてくれたジョッキーがいる。
天才勝負師・武豊とドン・河内洋だ。

武は「武さぁ〜ん、どけてぇ〜!」という声を聞いて、しばらく走った後
いよいよ自分の馬の脚が無くなったのを確認してどけた。勝負師である。

河内は「河内さぁ〜んどけてぇ〜!」という声を聞くやスッと道を開けた。
細江の馬は馬群を割って、上位入着することができたのである。

レース後「ありがとうございました」と礼をする細江に河内は
「純子!道を開けさせる時はもっとドスの効いた声を出せ!!」と叱咤した。
665書き直し:02/10/15 23:19 ID:ZG3eC/IH
中堅どころのジョッキーでもそう簡単に道を譲ってもらえるわけではない。
藤田などは「どけよ!殺すぞ!」と警告ものの怒鳴り声で道を開けさせる。

ある若手ジョッキーが人気馬を駆って追い込みをかけた。
しかし、前がさばけない。
「どけ!どけ!どけ!」必至の怒声をあげると一人のジョッキーが進路を開けた。
雨と泥で視界が悪く、結局、1位で入着したものの、そのジョッキーが誰か分からなかった。
記憶にある勝負服の柄を頼りに、そのジョッキーを探し当てると、なんと相手はドン・河内洋だった。

「ありがとうございます。」というつもりが一転。
地面に手をついて「スンマセン!河内さんとは知らず…スンマセン!」と詫びる若手。

「バカ野郎!そんなことすんな!」
と若手ジョッキーを叱咤した後、河内は表情を緩めて言った。
「それからな、『どけ』を3回も言わんでいい。『どけ』は1回でいいんじゃ。」