【泣かせろ】・゚・(ノД`)・゚・キーストンよりイイ話【酒の肴】
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名無しさん@お馬で人生アウト:
大人たちに不良と呼ばれる学生がいる。
でも本当のそいつは、街角で捨てられ、雨でビショ濡れになっている
小犬をやさしく抱き寄せて、学生服の胸の中に入れてやるようないい
奴なのに・・・・。
綺麗な瞳。純粋な心。素直な気持ち。あまりにもまっすぐ過ぎるがゆえに
曲がってしまう・・。
リードホーユー。あいつはそんな奴だった。
そんなあいつに一度だけ騎乗したことがある。木枯らしの吹く冬の中山
競馬場だった。
「おいっ、好きなように走ってみろよ・・・。右に行きたければ右に、左に
行きたければ左に・・・・好きな方に行っていいんだぜ・・・・」
レースはずっとあいつにまかせたままだった。ゲートが開いてから、あいつの
好きなように走ってもらった。オレヶあいつに無理をきいてもらったのは
最後の300メートル。たったそれだけだった。
一番でゴールの飛び込んだあいつは、
「こんなにオレのことを信用していたのか・・・・」とチラッとオレの方を振り返った。
「別に・・・・」
馬上で大きく手を振っているオレにあいつは
「学生のころ、捨て犬を拾ったご褒美さ」
そう言ってくれているような気がした。
最初で最後のあいつとの会話。それがオレのビッグレース初勝利、
第28回の有馬記念だった。