第十二章 激突
1998/11/29。府中本町駅からいろいろな事を思い出しながら、トンネルを抜けた。
1コーナー付近を眺める。人は既に満員状態だ。10万人はいるだろうか。
国際色豊かな、各国国旗がはためいている。
眺めながら、ふと、あのときのことを思い出していた。
通常、来週の重賞の登録馬は、日曜日に発表となる。
そしてこの日。1998/10/04。
エルコンドルパサー、
グラスワンダーの名前がある。
さらに、
サイレンススズカ
メジロドーベル
サンライズフラッグ
ランニングゲイル
etc
すごいメンバーだ。最初にそう思った。G2毎日王冠。
これはすごいメンバーになった。
他に歴史的マイラーとなったタイキシャトル、
そして皐月賞馬セイウンスカイも予定していたようだが、登録はない。
それでもここまでのメンバーが登録してくるとは思わなかった。
そして週中、メジロドーベルの回避が発表された。
さらに、各馬の調教状況が載る。
注目はグラスだ。仕上がりはどうだ。
朝日杯から約10ヶ月ぶり。故障休養明けだ。
だが、順調にそして長期的に調教をしており至って問題はないようだ。
故障の影響もない。息が持つかどうかだけだ。
とは、調教師の尾形。
一方のエルコンドル。
いつもどおりだ。若干余裕を持たせた仕上がりで馬体重が増えているかもしれない。と、二ノ宮は語った。
そしてサイレンススズカだ。
前走でついにG1宝塚記念を勝った馬。今年5連勝中。
いままで見たこともないようなスピードを持つ逃げ馬。
鞍上は武豊。
この現役最強馬と果たして勝負になるのか。
そしてついに願ったグラスワンダーとの対決。
全馬無事に出走してきてくれ。
週末、枠順が発表された。
1 1 プレストシンボリ セン7 岡 部 57
2 2 サイレンススズカ 牡5 武 豊 59
3 3 テイエムオオアラシ 牡6 福 永 57
4 4 エルコンドルパサー 牡4 蛯 名 57
5 5 ランニングゲイル 牡5 柴田善 58
6 6 グラスワンダー 牡4 的 場 55
7 7 サンライズフラッグ 牡5 安田康 58
8 8 ワイルドバッハ 牡6 ロバーツ 57
9 ビッグサンデー 牡5 宝 来 58
こうなったらもう3頭だけ。3頭だけに注目してレースを見よう。
そして名勝負を期待しよう。
1998/10/11。自然と足は東京競馬場へと向かう。
うわっ 最初考えてたときより、すさまじく長くなってしまってるよ。
しかもつっこみどころ満載だよ。
トンネル歩いてる間そんなに思い出すかつーの。
>97
そんなにってどんなにだ?
揚げ足とらんとマターリ逝こうYo!
99 :
_:02/01/29 00:17 ID:9ai/Yne8
今晩も
あげてから
読んでみる
100 :
ttt:02/01/29 00:24 ID:ctQHzQBJ
っていうか100get
101 :
ハリケンジャー:02/01/29 00:25 ID:UgP90xkR
人妻温泉
>>98 自分で書いててそう思っただけなんだけどね(藁
第十三章 喧噪
こんなに競馬場全体が熱気に包まれているG2があっただろうか。
ほとんどの客が、今日、メインに出走する3頭を見に来ていることは確かだ。
サイレンススズカ・グラスワンダー。そしてエルコンドルパサー。
今日はどんなレースになっても一生忘れることはないだろう。
足早にパドックに向かう。既に超満員。
段差になってる一番高いところから、双眼鏡を覗き込む。
グラス。
競馬場で初めて見るグラスワンダー。
威圧感。風格。超一流馬だけが持つ雰囲気だ。
素人からみて、少なくともそう見えた。今までのレース、戦績のイメージがあっただろうか。
歩様も問題無く見えた。
スズカ。
古馬になってから結果を出したように、どっしりと落ち着いて見える。
栗毛の綺麗な馬だ。ずっと見ていたくなるような体躯。
すばらしいという言葉がぴったりあう馬である。
スピードの固まりのようなこの馬はこんな形をしているのか。
エルコンドル。
横に歩く、厩務員をグイグイひっぱるかのように、前傾で歩いている。
気合いはある。休み明けも問題なさそうだ。
馬体重を確認する。+−0。増減無し。
増えているかも、と週中話していた師だが、きっちり仕上げられたようだ。
あたりまえだ。このメンバーで余裕のこしでは失礼だ。
と、オッズに目がいく。
スズカの単勝は1.4倍。さすがにダントツだ。
9頭立てでこのオッズなら予想範囲内。
おれが気にしていたのは、グラスとエルコンドルどちらが人気があるのか。だ。
見比べる。グラスが2番人気だ。しかもやや離されている。
人気はグラスの方があるのはわかっていたが、それにしてもだ・・・
的場がグラスを選んだ。グラス55kに対し、エルコンドルは57kが影響しているのか。
もしくは3歳時の圧倒的な破壊力。未知の魅力に押されたか。
しかしまだ結果が出たわけではない。
馬券はエルコンドルの単勝とスズカ−グラス−エルコンドルのボックスを購入。
絶対にゴールは見届けなければいけないと思い、
人混みをかき分け、場所を確保する。
106 :
_:02/01/30 01:59 ID:XRyG+Y87
おお
今日も書いてくれましたか!
私はエルコンドルの単をここで初めて買った(しかも太く)、、、
ただ単にスズカを疑っていただけなんだが、、、
107 :
健常者:02/01/30 02:31 ID:nBp+UTgM
この板、閉鎖しようよ。これ以上やっても意味がない。
語ることがない.
必要ない。
108 :
_:02/01/30 02:53 ID:TjxYDZoN
あやすみage
>>107 もうちょっとで終わるんで、オナニーにつきあって我慢してくれ。
第十四章 逃走
まるでG1の様な歓声がひびく。
続々と、本場馬に姿を表す。
スズカ・エルコンドル・グラスと登場するたびに歓声が起こる。
そして続々と1800Mの発走地点ポケットに馬が集まってくる。
緊張感が走る。
ターフビジョンに映し出されているグラスがちょっとゲート入りを嫌がっているか?
他の馬はゲート入りも順調で、あとはスタート待つのみだ。
そして、後々語り継がれるレースがスタートした。
スズカが飛び出した。半馬身出る。各馬もまずまずの出か。
エルコンドルのスタートももう問題無い。
いや、一頭出負けだ。
グラス。
スズカが、徐々に差を広げに掛かる。が、いつもの大差リードには持ち込まないのか。
明らかに後ろを警戒している、鞍上武豊。
しかしペースはあがる。
先頭から1馬身半ほどで、エルコンドルがものすごい手応えだ。
以下、ランニングゲイル、ビッグサンデーと続く。
後方外側からグラスが上がって、中段を確保する。
その後ろからプレストシンボリ。
一頭ぽつんと最後方にサンライズフラッグ。
ふと先頭に目を移すと、スズカのリードが広がっている。2馬身半。手応えも良い。
2角、フラッグが離されるなか、徐々にグラスのポジションが上がる。
少しポジションを下げたエルコンドルはビッグの後ろ。
テイエムオオアラシも仕掛け気味に前に出てくる。
小頭数のレースだが、緊迫している。
そしてちょうど大ケヤキを通過するとき、早くもグラスが仕掛けた。
ものすごいレースだ。ものすごい歓声だ。思わずトリハダが立つ。大声援。
的場が仕掛けた。スズカに真っ向勝負だ。これがグラスワンダーのレースだといわんばかりに上がってくる。
大ケヤキに隠れて、外からテイエム、エルコンドル、ビッグ、ゲイルをひとまくりで、スズカに迫る。
それをみた蛯名の手が動いた。
このときの武、柴田、蛯名、的場の心境を知りたい衝動に、ふと駆られた。
さらに続く大歓声。これがレースだ。
大外からグラスが捲る。スズカは内に入った。遅れて蛯名が追う。4角真っ向勝負だ。
そして4角出口。一瞬、グラスとエルコンドル2頭が横一線になった・・・・
逃げ込みをはかるスズカ。武はまだムチを抜いていない。
グラスが迫る。
しかし、
グラスのレースはそこまでだった・・
馬場の真ん中で失速する。低い歓声が競馬中に響く。
ついにスズカにムチが入る。差を広げる。早い。そして強い。
もうスズカが勝ちは揺るぎない。
そう思い、後ろを確認する。
一頭、馬郡から抜け出してくる馬がいる。
エルコンドルパサーだ。
こいっ!こいっ!こいっ! 思わず連呼する。涙がでそうになった。
外から、内に切れ込みながらエルコンドルが迫る。
一頭だけ差を詰めてくる。3番身半。3馬身。2馬身。
もう勝てないのは分かっていた。
しかし、徐々にだが詰め寄るエルコンドルを見て感動した。
グラスは本調子では無かったかもしれない。
しかし世代の代表として、これから競馬を背負う馬としてスズカに迫る。
そして、ゴール。
1着スズカ、2着エルコンドル、3着に最後方から延びてきたサンライズフラッグ。
グラスは5着が精一杯だった。
1着と2着の差は2馬身と1/2。勝ちタイム1:44.9。
完勝だ。自分でペースを作り、このタイムで勝ってしまう。
この馬に勝てる馬は、果たして世界を探してもいるのだろうか。本気でそう思った。
エルコンドルにとっては完敗だ。そしてこの日初めての敗北だ。
今日は、何回やってもスズカには勝てないだろう。そんな力の差を感じた。
だが、まだこれからだ。エルコンドルは4歳。スズカは5歳。
またスズカと戦う日がくるはずだ。
2着と3着の差は5馬身。決定的だ。悲観する内容ではない。
そしてグラス。
敗因は何だったのか。勝ちにいった結果か?
やはり故障での休み明けで本調子ではなかったのか?
こんな馬で終わるはずがない。きっと復活するはずだ。
このまま終わって欲しくないはずだ。
そんな競馬場の空気を感じた。
数日後、スズカは天皇賞(秋)からJCかマイルCSへ。
グラスはアルゼンチン共和国杯からJC。
そしてエルコンドル。
オーナー渡邊は、国内で後、一戦、年度代表馬をとるためにはJCしかないと語った。
世界を見据えている発言だ。
またこの3頭で、しかも日本競馬の頂点でのレースで戦いが見られるかもしれない。
と、期待していた。
しかし・・・
∧_∧ 早く次が読みたいよ〜ん
_(・_・)___
/| /つつ /\
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第十五章 魔物
1998/11/01。第118回天皇賞(秋)。
現在の単勝は1.2倍。フジTVスーパー競馬の司会者はそう伝えた。
1番人気サイレンススズカだ。
休み明けの毎日王冠を楽勝し、順調に調整され、出走してきた。
だれもが、スズカで仕方がない。そう思っている。
今年の天皇賞はつまんねーよーなー。
そう電話口で、愚痴をこぼしている友達に同意する。
だが、勝ってくれなくては困るのだ。
再戦が実現するまで。
今日も、涼しげな顔で堂々と逃げ切ってくれるだろう。
ゲート入りも順調に終わり、もうすぐスタートというとき。
ふと、思い出した。
府中の杜には魔物が住んでいる。
過去天皇賞秋で1番人気がことごとく飛び、降着もあった。
今日の1番人気サイレンススズカにも・・・
だが、スズカは逃げ馬だ。自分のペースさえ守り、
スタートをまともに出れば、力からいって負けるはずもない。
絡んでいくようなスピードのある馬もいまい。
今日で魔物の物語もお終いだ。何も問題はない。
ゲートが開く。
やはり、まっさきにスズカが飛び出す。
既にリードは1馬身。いや、今日は前走とは違う。
2・3・4・5。差が広がるたびに数える。
大逃げだ。今日は後ろは気にしない。
ファンの待っているレースだ。鞍上、武も感じているのか。
大きく離された2番手にサイレントハンター。この馬も逃げ馬だ。ついていけない。
オフサイドトラップ・ステイゴールドと続く。
2番人気のメジロブライトはやや中段より前。いつもと違うレース。
間違いなく逃げる馬を意識している鞍上、河内。
シルクジャスティスは後方から追走する。
しかし今日は、後ろの馬は関係ない、このスーパーホースの勝ち方。
圧倒的なレースのみを期待する。
大ケヤキへ向かうころには既に10馬身。
実況で1000Mの通過タイムが告げられる。
57.4。
スズカにとっては早くはない。
今日は圧勝だ。レコードも出る。
レースのあとにエルコンドルが待っているぞ。
応援にも熱が入る。見てるこっちが手に汗握る。
大ケヤキの向こうを通過し、4角入り口に迫る。
依然、脚色は軽快だ。圧勝を期待する。
だが、、、、
4角入り口。鞍上、武のバランスが崩れるのがわかった。
テレビを食い入るように、凝視する。
何が起こった!?
後ろのハンターとの差がぐんぐん詰まる。
スズカが外側によれる。武が、必死に止めようとしているのが分かる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
思わず言葉を失う。
何が起こった!?
もう一度確認する。
故障だ。
既にテレビ画面にははっきりと映し出されていた。
なんてことだ。一番起こってはいけないことが起こってしまうのか。
実況も明らかに動揺しているようだ。
だが、外側によれたスズカの内をハンター以下、馬郡が追い抜いていく。
レースはまだ終わっていない。
直線、失速したハンターを後目に、オフサイドとステイがデットヒートを繰り広げている。
しかし、興味は違うところにある。
このシーンを今見ている人が、ほぼそうだろうと、信じたい。
1馬身ほどオフサイドが抜け出したところで、ゴールとなった。
2着にはステイ。そして毎日王冠同様、後方から一気に追い上げたサンライズフラッグが3着だった。
カメラが、4角入り口に切り替わる。
既に下馬をしている武。
足下が映し出される。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次の日、スポーツ新聞を読むのが嫌だった。
そして、そんなスズカにムカついた。
勝ち逃げしやがった。正直そう思った。
日本競馬のスーパーホースとして、エルコンドル、グラスとともにこれから競馬を引っ張っていくんじゃなかったのか。
勝手にそう思い続けていたのはわかっていた。しかし、涙は我慢できそうにない。
これからどうなる。
まだエルコンドルパサーがいる。グラスワンダーだって終わっていないはずだ。
スペシャルウィークも。セイウンスカイも。
古馬にはシルクジャスティスだって、メジロブライトだって、ステイゴールドだっている。
毎日王冠で、いくら差を詰めようとも、先を走っていたスズカがいなくなってしまった。
エルコンドルパサーにはもう一つの宿命を背負った気がした。
第十六章 大一番
グラスがアルゼンチン共和国杯で、見せ場無く破れた。
終わったしまったのか・・・
JCも回避し、有馬記念へと矛先を変えた。
サイレンススズカ、グラスワンダー。
失ったモノの代償はものすごく大きい。しかし競馬は続いていく。
1998/11/29。国旗を見つつ、ライバルの事を思い出しながらも、今日は本当に本番だ。
と、気を引き締める。
まずはパドックだ。
先日、師は生涯最高のデキだと、豪語した。
確かに距離は気になるが、強い馬というものは、距離の壁を超えるんですよ。と。
東京競馬場、芝2400M。
日本で一番権威のあるレースで無ければいけないジャパンカップ。
ついにこの舞台にエルコンドルパサーが出走する。
パドックで馬を確認できる位置を確保し、さっそく双眼鏡で各馬をチェックする。
世界各国から出走してきた馬たちで、パドックも華やかだ。華のある光景だ。
まずは真っ先にエルコンドル。
すばらしい馬体だ。今まで何度かパドックで見てきたが、今日が一番すばらしい。
気合いのりもよく、きびきび歩いている。今日は絶好調だ。
馬をひいている厩務員根来は、シルクハットを被り、正装をしている。
定年間近な厩務員にとってこの舞台に何を思うのか。
がんばれ。と声をかける。
そしてスペシャルウィーク。
菊花賞でセイウンスカイにまさかの大逃げうたれ、なんとか2着。
だが力は見せた。そんなレースだった。
おれは納得いかないことがあった。
今日の1番人気がスペシャルだったことだ。
いくらダービーの舞台で圧勝したからといい、菊から中一週、そしてジョッキーの乗り変わり。
さまざまな不安要素があったはずなのに・・・
エルコンドルは離された3番人気。
エルコンドルとくらべてそんなに差があると思っているのか。
そんなはずはない。今日、証明してやる。
馬自体は、ダービーで見たときとそんなに変わってるとも思わなかった。
力は発揮できるだろう。
そして2番人気のエアグルーヴ。
昨年のこのレース。
牝馬ながら、当時欧州トップクラスだったピルサドスキーと僅差の勝負をした女傑だ。
前走エリザベス女王杯で、メジロドーベルの強襲にあい3着だったが、
札幌記念から数えて秋3戦目。
抜群の仕上がりに見えた。最初から目標はここだったはずだ。
そして4番人気にアメリカの追い込み馬バックスボーイ。
去年のBCターフを勝ち、今年もマンハッタンHCを勝った、アメリカの芝ではトップクラスの馬だ。
今日の4番人気に関しては、上位の馬くらべるとしょうがないとも思うが、
決して退けはとらない力を持っているのは確かだ。
筋肉隆々のからだをして、いかにも強そうだ。
他の外国馬、日本馬も、さすが国際レースに向けて仕上げられていただけはある。
どの馬もよく見える。
馬券をどうするか考える。
今日はおれが競馬をやっていて、一年で一番盛り上がるレースだ。
まずはエルコンドルの単勝。
そして、エアとスペシャルとの馬連。
さらにチーフ、ルソー、カイタノとの馬連も買うことにする。
金額も自分にしては張った。エルコンドルの勝利を信じて。
初芝、休み明けと難なくこなしてきた。
そして今日、距離も克服するはずだ。そういう馬だ。
じっくりパドックを見たあと、今日の芝状態を確認するため、馬場へと向かう。
天気は晴れ、芝の状態も良さそうだ。絶好の馬場。
これなら広い東京競馬場。紛れも起きないはずだ。
力と力のぶつかり合いがみられる。
全馬が無事にゴールすることを祈り、馬券売り場へ向かった。
室内モニターには、前走などのレースが振り返り、放映されている。
そのときの事を思い出しながら、今日が集大成だ。いいレースをしてくれ、と願う。
馬券を買うころには本場馬入場だろう。いそいで、マークシートとお札を自動券売機に挿入して、
足早に馬場へ向かう。
出てきた。大声援だ。鞍上蛯名に促され、馬場を軽く回っている。
ふと、さびしい気持ちが沸いてきた。
今日でこの馬を直に見られるのは最後かもしれない。
年内走るのが最後。しかも海外遠征の予定。
今日はどんなレースになっても、しっかりと目に焼き付けておこう。
そう思い、ターフビジョンに大写しになるエルコンドルを目で追った。
129 :
:02/02/01 01:17 ID:Z5K0j/lc
変なスレ
でも全部読んでしまった
イイかも
スペ基地だから読むの辛い。
でも良スレ。
131 :
:02/02/02 00:14 ID:x6MA3CZR
>>127 バックスボーイって言うかチーフベアハートでしょ?
132 :
お馬人生セーフ ◆ElConwNo :02/02/02 23:31 ID:U8F2SWa9
>>131 そうだね。って、すぐ下でチーフと書いてるのに、なぜバックスボーイと間違えたんだろ・・・
しかも出てないし。わけわからん・・・
最終章 コンドルは飛んでゆく
関東G1のファンファーレとともに、手拍子がなる。
おれはじっとスタートを待つ。
続々とゲートに収まる。そして最後にウンガロが収まると、静寂。そして大歓声。
ゲートが開く。まっさきに飛び出したのは、ハンターではなくゴーイングスズカだった。
ハンターが大きく出遅れた。
が、最初のコーナーでハンターが鞍上の大きなアクションとともに先頭に躍り出る。
以下、絶好のスタートを決めたエルコンドル。
その後ろにエア、ウンガロと続く。
エルコンドルパサーにとっては総決算。心臓の拍子が早くなる。
ハンターが後ろを引き離しにかかる。
2馬身後ろに、ウンガロ。
エルコンドルはいきたがっていたが、落ち着いて3番手。
早めのレースだ。
その後ろにステイゴールド。内にスペシャル。その外にエア。
2頭明らかに、牽制しあっている。
後方から2番手でチーフが虎視眈々と狙っている。
その後ろで離されたユーセイトップラン。
引き締まったレースになった。さすがにトップジョッキーがそろった国際レース。
このなかにエルコンドルパサーがいるのだ・・・
エルコンドルの鞍上蛯名は、あわてることなく手も動かない。絶好だ。
今日はもしかしたら・・・
だが後ろのエア、スペシャルも良い位置で、抜けだしを狙っている。
3角、さらに引き離すハンター。
差は4馬身。
相変わらず2番手にウンガロ
いや一気に7・8馬身まで開いた。歓声が沸く。
ここでエルコンドル、エア、スペシャル、日本馬3頭が一段になった。
ウンガロはついていけない。
チーフが仕掛けた。マックスジーンも上がってくる。
そして4角へと向かう。
内から横山エアが、馬を豪快におしながら先頭に躍り出る。
大外からスペシャルが迫る。
エルコンドルは・・・
いまだ、馬なりだ。ものすごい、ものすごい手応えで、4角を回りきる。
すごい馬だ。
直感的にそう思った。
これは勝てる。勝てるぞ!がんばれ!
そう、大声で、叫ぶ。
依然馬なりで、直線に入った。
内エア、間にエルコンドル、その後ろ外からスペシャル。
さらに外から、チーフが迫ってくる。
しかし、
蛯名が、追う。
ついにムチが入る。
だめだ。視界がにじむ。
一気に1馬身突き放す。
さらに広がる。
強い。こんなにすごい馬だったのか。
おれは正直、距離の不安が大きかった。
おれは何もわかっていなかった。遙かに想像を超えるパフォーマンス。
距離も問題にしないのか。
内からエア。外のスペシャルは内によれる。
残り200。まっしぐらにゴールへ向かう。
前にサイレンススズカがいるのか。
グラスワンダーとの叩き合いなのか。
スピードは落ちない。もう勝てる。
残り50。
蛯名が思わずガッツポーズをする。
自然に涙がこぼれる。声が出ない。
そして・・・
第一部 〜 完 〜
これで終わりです。
たぶん第二部はないでしょう。
独り言を読んでくれたみなさん、いままでありがとうございました。
139 :
:02/02/02 23:52 ID:ygXAISar
140 :
:02/02/03 13:45 ID:znf3F3C4
この馬の海外レースの詳細がわかる場所希望
141 :
:02/02/04 21:52 ID:yQH5GJuV
第ニ部期待age
142 :
:
_____ _____ _____
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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(6-------◯⌒つ| r'^^´ \____________
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YOU!(⌒)/ \_/ /| | ̄ ̄\ \
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