末梢神経からの検出例も検討すべき プリオン専門調査会
http://www.nissyoku.co.jp/bse/ 食品安全委員会・プリオン専門調査会は16日午後3時から開かれ、予定を
30分延長して午後6時まで検討した。厚労省や農水省が提出した資料に対する
質問や意見が中心となり、本格的な議論にはならなかった。11月1日に仙台で
開かれたプリオン病国際シンポジウムで報告のあった94ヵ月齢の牛の座骨神経
、脛骨神経などの末梢神経や副腎から異常プリオンがごく微量検出できた事例
が説明され、調査会は国内対策の見直しのリスク評価のなかで検討すべきと
いった考えが支配的となった。末梢神経などからの検出量は延髄の閂部に比べて
1000分の1ときわめて少なく、厚労省は副腎や末梢神経をSRMに指定するか
どうかという諮問はしなかった。次回会合までに事務局が今回までの意見、
質問を整理して示す。評価のたたき台にもならないみこみで、国内対策の見直
しだけでも年内に終わるのは難しそうだ。
「おそらく異常プリオン量と感染力は比例するだろうが、1000分の1だから
といって軽視すべきではない」「今回のケースは死亡牛だが、(外見は)健康
な牛の潜伏期間における体内の異常プリオンの動きが重要で、回腸遠位部から
延髄を通らずに末梢神経にいく可能性もある」「末梢神経を検査するために、
と畜段階の迅速検査で陽性となった牛も焼却せずに採材して欲しい」「末梢神経
ではデータが少ないので、国際的に情報を交換すべき」などの意見も出たが、
英国で行ってきた感染実験によるSRM指定は実績があり、現行の全頭検査と
全月齢のSRM検査ならば食品としての安全性は問題ないという考えが支配的
になっている。国内対策の見直しのリスク評価のなかで検討する予定。(11月16日20:19)