「歌は心だ」論に反発

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181サブ ◆XXXXYxappU
3声区論と2声区論の違いは、西洋と日本の違いともいえます。
2つは感覚論から生まれたものなので、とどのつまり同じ生理学的見解に行き着くわけですが、
重要かつ面白いのは、それらが洋の東西の感覚の違いを表しているところです。

もしパヴァロッティのインタビューを私たち日本人が2声区論的感覚のまま受け取れば、
たぶんそれは伝えたかったことの真意から逸脱します。
彼は彼の感覚を端的に述べているわけで、その感覚はラテン系西洋人のそれ、
もっといえば彼しかわからないかもしれない感覚なんです。
もしそんな感覚から理論を抽出しようとすれば、1つは生理学的に運動を解明すること。
そしてもう1つ、西洋人の3声区論的感覚の共有を試みる必要があります。
あえて2つの手段を用いるのは、感覚的に納得することと、理論的に納得することが違うからです。
ご紹介頂いたインタビュー本も、感覚論の違いを踏まえれば、また違った見解が浮かんでくるかもしれません。

ソプラクートのような技術にも同じことが言えます。
たとえそれが難しく、感覚的に納得できないものであっても、運動方法を解明することはできるはずです。
そうすれば頭の中に作った発声モデルでデモンストレートできます。
デモンストレーションができれば、理論上それが成立する、すなわち理論的には納得できます。


これから発声を科学的に解明なさるおつもりでしたら、まずは徹底的に新式ベルカントを読み解いてください。
その理論の指すところが明確に分かれば、それが以降の考察の柱になります。