---歌声うpスレpart50---

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784選曲してください
>>755
あなたの場合はまずのどを開くことを覚える必要があると思います。
イタリアの声楽のレッスンで延々と発声練習だけを続けさせられて
はじめてのどが開いた声が出たときに「さあ、レッスンを始めましょう」と
ようやく具体的なレッスンが始まったという話をどこかで読んだことがありますが、
つまり、のどに力が入った状態では歌はまともに歌えないということです。

ここで、歌うときの発声をあらためてもう一度考えてみましょう。
まず、背筋などにより横隔膜を押しあげようとすることで声帯に圧力が加わります。
声帯はよく分からないとても複雑な仕組みにより、
この圧力とつながっている共鳴腔の形にふさわしいように“勝手に”働いて振動を調節してくれます。
すると、声帯でつくられる音自体は小さくとも、共鳴腔で共鳴して大きな音となり、
鼻や口の開いた出口から外に出ていきます。
ですから、下あごの開き、舌の形、口唇の形による口の形と、
軟口蓋の挙がり、鼻孔の開きによる鼻の形を決めてしまえば、
あとは背筋などをつかって声帯に圧力を加えるだけです。

声帯に加わる圧力が小さければ、倍音が多くなり、上あごの下を中心に共鳴して、
声帯に加わる圧力が大きければ、倍音が少なくなり、上あごの上を中心に共鳴するだけで、
のどが開いていて、口や鼻の形がその共鳴にふさわしいように準備されていれば、
とくに声を向ける方向などを意識しなくても“勝手に”声が向かっていきます。
785選曲してください:2007/05/22(火) 07:23:03 ID:RBP0BDX3
発声のトレーニングとはつまり、声帯に加わる圧力とそれにふさわしいフォームの関係を
より洗練されたものとするように、試行錯誤の経験を積み重ねながら学習していくという過程になりますが、
その前の大前提として、のどの力がぬけていて、のどが開いていなければなりません。

もし複雑な仕組みにより“勝手に”働いてくれる声帯を強引に揺らしたりすれば、
電車などに乗っているときにその揺れのなかで細かな作業をするのがむずかしいのと同じように、
声帯も“勝手に”働くことがむずかしくなります。
また、もし喉頭付近に力を入れて声帯を押さえつけるようなことをすれば、
ギターの弦の必要ないところに指を触れながら弾くとまともな音が出ないのと同じように、
声帯もまともに振動することができません。

たしかに喉声要素を歌声に混ぜるとかっこうよく聴こえたりする場合もありますが、
よい歌手の場合、よく聴いてみると実際にはのどではなく顔面のあたりに響いていますし、
声が十分前に出ているからこそそのような音色が出ているので、
顔面上部に十分響くような声が出せるようになるまでは、
そのような音色を追求することはさけた方がいいでしょう。

結果をあせる気持ちは分からないわけではありませんが、
本当に歌がうまくなりたいのであれば、結局は基礎からつくっていくのが早道となりますので、
まずはベースメイクに力をそそいでください。
786選曲してください:2007/05/22(火) 07:23:49 ID:RBP0BDX3
自分自身の喉声の経験からも力をぬくことがとてもむずかしいことは分かりますが、
わたしの場合は、頭頂にのどがあるかのように意識してその響きに集中することで、
声をのどから分離することを試みてどうやらうまくいっているようですので、
あなたも頭頂にのどを感じるようなイメージでうたうことをおすすめします。

また、いまのあなたは上あごの上の空間がひじょうにせまく感じられますから、
ほんとうは広いはずの空間を発見するためにも、気持ちを楽にして
お腹からかるく高い声を出すようなハミングを時間があるごとにくり返してみてください。

のどが開いた声を感じる方法として、わたしがいいなと思った方法を
鴻上尚史『発声と身体のレッスン』(白水社)から以下に引用しますので試してみてください。

「ンー」と鼻で振動・共鳴した後、ゆっくり口を開けて、「アー」と始め、そのまま、ゆっくりゆっくり上を向きます。
最後には、ほぼ真上を見るぐらいまで顔を上げます。口の大きさは、指二本がタテに入る大きさです。
実際にやってみると分かりますが、ノドが締まっている人でも、ゆっくり声を出しながら上を向くと、
ある一点で、ふっとノドが開く瞬間があります。音(声)が、急に広がり、楽な感じがする一点です。
ただし、音に敏感でないと、この一点を聞き逃したり、分からなかったりします。
それでも、集中していれば、なにかは感じるはずです。一番に、やっている本人が、「ノドが通った」感じを持ちます。
そうしたら、後は簡単です。そのまま、声を出しながら「ノドが通った」感じのまま、
顔を水平にもどしてきます(上を向いて、あらためて声を出すのではなく、声を切らないまま、下ろしてくるのです)。
その時のノドの感覚を体ではっきりと覚えるのです。身体的には、口の奥がふっと楽になります。
そこが開く感覚です(医学的には、喉頭蓋が起き上がった状態と言えます)。