別れ話の現場、別れの修羅場ルポ

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 サンフランシスコはゲイのメッカです。
まずは、直接じゃないほうから。

 わたしの住んでたところはワンルームに洗面台があるだけで
キッチンとリビングとお風呂が共同の静かなところでした。
 管理人がゲイということもあって、ゲイのカップルも多く
住んでいたんですが、わたしの階の、階段をはさんで3つ隣の
部屋は喧嘩が絶えませんでした。 ものの割れる音なんかも
しょっちゅう聞こえてたけど、キッチンで仲良く料理する姿も
よく見てたので、取り立てて気にしてませんでした。

 ある晩、夜中の一時ごろ彼氏(当時の)を送り出し、一人で
ウトウトしてたら廊下から「FREEZE!!!」と聞こえました。
 飛び起きてドアののぞき穴に目を当てると、こちらに
背中を向けた警官の姿が。 両腕を前に突き出してる様子。
「あの腕の先には、やっぱり拳銃だろうな…静かにしてよう」

 しばらくすると警官は無線で連絡をとりながら消えていきました。
「犯人はまだビルの中にいる…刃物を所持…注意されたし」
みたいなことをいっています。

 何の犯人だろうと思ってどきどきしながら見ていると、
警官が消えたのと反対方向から、あのゲイカップルの片割れが。
頭と肩口から血を流しています。 「助けて…」って聞こえたけど、
警官が探してるのがこの人だったらと思うと怖くてドアを
開けることができませんでした(一緒に撃たれちゃうかも)。

 しばらくバタバタと人の走り回る気配がして、右手に長い
ナイフを握った、カップルのもう片方がわたしのドアの前を
横切りました。 すごい形相で、何か小声でつぶやきながら。
痴話喧嘩の果てにナイフを持ち出したってところでしょうね。

 ただ、それぞれのフロアに階段が3箇所づつあるので、
警官2,3人では簡単につかまらないらしく、3時を過ぎてもまだ
時折足音が聞こえていて、ドアに張り付いてるのに疲れたわたしは
そのまま眠ってしまいました。

 次の朝、学校に行かなければ行けないので恐る恐る玄関ロビーへ
降りると、かなりの範囲で血だまりが。 手の跡や、壁のしぶきなど、
結構激しい乱闘があった様子。 結局、別れ話のもつれから
片方がナイフを持ち出し、ビル中おっかけっこをして4,5箇所
刺したところで警察を呼ばれ、刺されたほうはロビーで倒れて
救急車がくるまでほうって置かれたのですが、誰もその場に残らずに
警官が全員でビル内を捜索している隙に隠れてた彼氏が降りてきて
メッタ刺しにされたとか。
 
 黄色いテープ(ポリスラインっていうの?X-filesとかで見るやつ)
が張り巡らされたロビーで、住人同士「誰も逃げてる男の子を
かくまえなかった」と反省会をしました。

 ごめんなさい、長かったですね。 次から気をつけます。