ずっと昔に務めていた会社の話
二十歳の頃に初めて会社に正社員として就職した
その会社は当時、一般家庭に訪問販売をして廻る会社で、今で言うブラック企業ってやつだった
俺が入った頃、ほぼ同期で入社した奴らが他に10人程いたけども、1年後には俺と後何人か
残っている程度だった
しかも、その1年の間には他にも新入社員が何人も入ってきたけど殆どが辞めて行った
上司には常にパワハラどころか毎日のように殴られていたし、毎晩9〜10時まで残業だったけど
当たり前のように残業手当なんて付かないしで今思えば恐ろしくひどい会社だった
後、社員同士の足の引っ張り合いもひどく、お互い自分の成績の事しか考えてなく
会社として営業力をあげようという意識は皆無だったので新人達には売り方も教えてくれず
みんないじめられるか調子よく上司のゴマをするかで成績を上げる為の努力をする暇さえなかった
けど、それまでホストクラブや飲食店のバイトしかしたことがなく
オフィス街に有る会社に務めるなんてしたことことの無かった俺はそんなのが普通なんだと思ってた
だから、仕事を辞めるなんて考えたことも無かったし辞めるとなったら田舎に残してきた母親に
また心配をかけると思うと、とてもじゃないが辞めるという選択肢は選べなかった
でもそんな状態の俺でも、毎朝会社に行きたくなくなる悩みの種が有った
それは、上司Aとその部下である先輩Bである
この2人は元々Aが部下でBが上司だったのがAの営業成績が恐ろしく良かったために
俺が入社するちょっと前に立場が逆転していたという関係だった
その関係からBは元部下に敬語で話さないといけないというストレスのはけ口として俺をイジメて
Aは、その営業成績からも解るように強引な性格で俺を徹底的に奴隷のように扱い
朝晩の送り迎えまでさせられる始末だった(Aは免許を持ってないが社用車を与えられていた)
入社1年を過ぎ同期も殆ど居なくなってノイローゼ気味の俺はもう仕事を辞めて田舎に帰ろうかと
思った