豚切り失礼
平成の初期、俺が高校生だった頃に万引き犯と疑われた出来事を思い出した
とある大型家電量販店の本店にて小物(AVケーブル、75Ω同軸ケーブル等)を買った
あとは帰るだけだとウォークマンで音楽を聴きながら下りのエスカレーターに乗った
俺が乗ろうとしたら直前でエスカレーターが停止した
故障かな?と思い俺はエスカレーターを歩いて下りて行った
そしたら俺の後方から店員が走ってやって来て俺の肩を鷲掴みにした
イヤホンを外すと「待てって言ってるでしょう!!」等と大声で叫びやがる
後で分かったことだが件のエスカレーター乗り口には万引き発見のセンサーが付いていた
(レジを通さずに商品を盗んで店を出ようとすると感知するタイプ)
センサーが感知すると店内に音声が流れそのエスカレーターが停止するというシステムだ
店員にしてみたら俺が静止を振り切って逃げようとした風に見えたのだろう
だけどこっちは外の声は聞こえなかったし疚しいことはしていないのだから逃げる必要もない
こっちがポカーン(゚д゚ )としていると店員三人ぐらいに囲まれた
第三者から見るとまさに万引きの現行犯逮捕という構図であったろう
はいはいお客さん、ちょっと身体検査と荷物を調べさせてね〜と完全にナメた態度の店員
事務所に連行されるでもなく、大勢の客の目の前でボディと荷物が調べられる
ところがいくら探しても盗品は出てこない(当たり前だ)
そんなはずはないと現状維持のままもう一度センサーを通過してみた
そうしたらこれまた警報が鳴りやがる
店員がいろいろ考えた結果、渦巻状の75Ω同軸ケーブルの悪戯ではという仮説が立った
それをもとに検証してみると予想は当たった
センサーは同軸ケーブルだけに反応し、他の荷物や俺が通過しても無問題であることが確かめられた
これで終わらなかったのがこの家電屋だった(つづく)
(つづき)
万引き騒動は終わり店員は「なーんだ、こんなことかあ」「センサーの誤作動かよ、ったく」
等とブツブツ言いながらその場から散会しようとしやがる
だが俺の方は終わっていない
公衆の面前で万引き犯の濡れ衣を着せられた俺のメンツはどうなる
俺「待てこら!」
店「はあ?」
俺「おめーら人を泥棒扱いして侘びの一言もないのか?」
店「いやもう、終わったことだし」
俺「何も終わってねえだろうが!てめーらのせいでこっちは‥‥」
店「いやだから今日のことを教訓として今後はセンサーの感度を‥‥」
俺「 て め ー の 店 で お 金 払 っ て 買 っ た 商 品 を 抱 え て
そ れ が 原 因 で こ っ ち は 泥 棒 扱 い さ れ た ん だ ぞ!
こ の 店 は 泥 棒 と 客 の 区 別 も で き ね え の か!」
等と力の限り叫ぶ俺
ちなみに高校の学校祭で大声大会の優勝経験アリw
中間管理職が出てきて店側が悪いけどお客様(俺)にも誤解されるような行動があったでしょう
とあくまでも100%の非を認めようとしない
そろそろ晩御飯の時間だからとりあえずその日は家に帰ることにした
翌日、学校で俺はこんなことがあったとクラスメイトに言ったら皆異口同音に「それはひでぇ!」
と俺に賛同してくれた
万引き疑惑がなくともこの家電屋は元から高飛車であまり評判がよくなかった所為もある
そこで俺らはあるプロジェクトを結成した
毎週のようにこの家電屋本店に足を運び、数百円程度の最も安い小物を買う
そして他の客に聞こえるように語り始めるのだ
(つづく)
(つづき)
「そういえばこの店ってちゃんと金払って買い物しても万引き扱いされるから注意しろよ」
「うそ!なにそれ?」
「いや−前にね、買ったアクセサリーがセンサーを誤作動させて俺はなんと泥棒扱いさ」
「うっわひでえ!」
「だからお前らも注意しろよ?金払って普通に買い物しても安心できないぞ、この店は」
こういうような会話を週イチぐらいのペースで店内でやるのだw
時には店員が来て「営業妨害だ!」ということもあったけど
「俺の顔知ってるよねえ?いつ嘘を言った?俺は正直者だから本当のことしか言わないよ?pgr」
とこっちが強気に出るとそれ以上何も言えない店員ww
数百円とはいえ買い物したのだからこっちは客だしなw
あの日あの場所でちゃーんと謝ってくれれば済んだことなのにねえw
このプロジェクトを一年ぐらい続けて俺らは高校を卒業し大学進学後は各自が方々に散った
我々の作戦が功を奏したのかは不明だが俺がちょうど二十歳になる頃、その家電屋はついに倒産した
普通に経営していれば地元資本だから地域で愛され長く商売を続けられたことだろうが、
企業の顔である本店でもあの体たらくだったからねえ
ちなみに高校時代に買ったアクセサリー類だが今でも大量に家にある
同軸ケーブル、同軸ケーブルアダプター、AVケーブル、ACアダプター等々
こないだ押入れを整頓していてもう要らないからとそのほとんどを廃棄した
それでふと10代の淡いメモリーが思い浮かんできたのでこのスレに投下した
長文スマン
(終わり)