親父の体験談
親父は若い頃色々やってきたが
中華飯店のバイトをしてた頃
中華飯店の大掃除の時、巨大な調理台を引っ張り出す作業をしたらしい
調理台の裏はしばらく掃除していなかったらしい、と聞きながら、ゴム手袋を装備して作業開始
しばらく引っ張っていると、カサ…と何かが動く音。
カサ、カササ…カサッ
引き出される調理台と共に、隙間から競うように出てくる…ゴキ
戦々恐々としながらついに引き出し終えると
調理台の裏は、ゴキブリの巨大コロニーとなっていた。
卵を持ったメス、中指ほどの大きさや小指ほどの奴らが壁一面に張り付き
空へとフライングアウェイしていく奴らも。
ホースで水道から水を引き、水攻め作戦。
流されていくゴキ、ゴキの川。
排水溝にゴキが詰まり、親父は片手いっぱいのゴキをゴム手で掴み上げ
まだゴソゴソうねうね動くそれを、ゴミ袋に生きたまま放り込んだという。
結果、幼生も含めてゴミ袋ふたつ分の生きたゴキを捕獲。
彼らは生きたまま、燃やされたという。
フタの閉じた焼却炉の中は、壁にぶつかって跳ね回るゴキでまるでドラムのようだったと
酒を飲みながら、親父は笑っていた。