美男美女が受ける体験を挙げる 36

高校時代、仲のいい同級生ですごくかわいい子がいた（ちなみに女子校）。
今アルバムを見ると微妙だけど、要するに時代が求める顔だった。

その子は学園祭とか他校生が大勢集まるような場所に顔を出すと、
ちやほやされたり、かげながら興味を持たれたりして、
厚かましい奴はすぐ電話番号を聞いたが、
彼女は当時人気の某アイドル以外に全く興味を示さず、
彼氏どころか男友達も作ろうとはしなかった。
それでもいろんなツテで番号を調べ、電話してくる奴も少なくなかったらしい。
当時は携帯電話なんかなかったから家族が取り次ぐことも多かったが、
父親が出ると名乗りもせずに切ってしまうような奴は彼女あてだと推察されるし、
何とか彼女と話せたとしても、
「私○○君（ジャニ系アイドル）しか興味ないから」と大真面目に答えるので、
振られた腹いせに、「顔かわいいけど頭からっぽ」と吹聴する男も多かったらしい。
「○○君一筋」発言は確かにちょっと痛かったけど、
性格もいいし、ちっとも浮ついていないのに、
電話がかかってくるたびに、お前にスキがあるからだと家族から責められ、
自分の知らないところで中傷されて、
かわいくてモテモテのはずなのに、少しもうらやましいと思えなかった。

この子ほどではないものの、そこそこかわいかった子たちは、
長ずるにつれて女としての自信やゆとりを増し、
仕事でも何でも頑張ってこなしているのに、
学校一の美少女とも噂された子が、
そのせいで自分自身に自信が持てない人間になってしまい、
何を血迷ったか、怠け者でつまんない男と19で出来婚。大学も中退した。
38になった今は、昔の面影も薄く、
見ていてイライラする小太りのおばちゃんになってしまった。
そうなったのは、この子のもともとの性質もあるんだろうけど、
もう少しいろいろテキトーにあしらえれば、もっと幸せになれたろうにと思う。