サッカーってつまらなくね〜か?Part12

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32テンプレ

「サッカーはなかなか点が入らない。」

だからつまらない。そういう意見もよく聞きます。得点経過が最大の楽しみで
あれば、確かにそうかもしれません。

でも、やっぱりサッカーの一番の魅力ってゴールが難しいことに有ると思う。

出口(得点)のハードルを高くすることで、ピッチ上に蓄積されるエネルギー
の 密度は上がり続け、得点の瞬間には、高いダムが崩れたかのような膨大な
エ ネルギーが、ゴールマウスからピッチの外への流れ出る。

また、目標達成の難易度が高いことで選手のモチベーションは上がり続け、
禁止事項が少ない事ともあいまって、身体能力・技術・思考力・創造性、人間
のありとあらゆる可能性が試される。

これがサッカーの魅力なのだと思う。

33テンプレ:2007/08/27(月) 01:22:02 ID:QgtOdGi0

 当然ながら、スポーツを観る時の楽しみは得点経過だけではありません。
たとえば体操、得点シーンは無いけれど、良く訓練され完璧に制御された
体の動き、驚異的な身体能力、我々の普段の生活からは想像することすら
出来ない動作、は見る者を魅了します。

 これと同様に、サッカーの最大の魅力は、超一流の選手が見せてくれる
超人的な身体能力、速く正確な状況判断、驚きに満ちたアイディアにあり
ます。ゴールシーンそれ自体も、なるほど興奮させられる物が有りますが、
私からすれば、ゴールマウスは”人間の潜在能力を引き出す”為の動機付
けをする為だけに在る存在に過ぎません。

 潜在能力を十二分に引き出すには、高い目標設定が重要となります。容
易く実現できる課題では、才能ある人間の関心を引き寄せることすらでき
ません。 また、ダイヤモンドのように、得難いからこそその価値を増す、
そんな側面も有るでしょう。

 ”手を使わない”このとてもシンプルな規制を設けただけで、ゴールへ
の道のりは極めて険しいものになりました。一方これを実現するのに、極
々シンプルなルールしか用いなかったことは、この課題へのチャレンジを
極めて魅力的なものにしました。 これこそが、サッカーの持つ最大の特
徴でしょう。

 多くの規制で縛られた社会は活気を失います。制約条件が多いほど現象
は単純になります。硬直を生む要素を持ち込まずに済んだことで、選択の
幅は拡がり、ピッチは、人間の知性・運動能力を、最大限にまで引き出す
フィールドとなったのです。

34テンプレ:2007/08/27(月) 01:22:38 ID:QgtOdGi0

サッカーは、殆ど偶然のような形で点が入る、だからつまらない。

というような意見も耳にします。 偶然性については、そうだなあ、
ゴールの場面に関しては有るかも知れませんね。ゴールに作られた
密集が生む、空間的、時間的、心理的なプレッシャーが、人間が対
応できる能力の限界とコンパラになる
まあどうでもいいけどね、結果的に、点入るかどうかなんて。良い
プレーさえ見れれば。

んが、代表の試合ともなると、そうも言ってられないんだな、これが。

そう、この点、つまり勝負の行方に対する関心という点でいえば、
この偶然性ってやつは、結構スパイシーな魅力になる。

特に代表レベルの試合とかで、DFの運動能力・組織力が一定レベル
を越えてくると、ゴールを割る為には、何かしらのプラスαが必要と
なってくる。まあ、運ともいうけど。

ただ、もちろん、このことイコール運だけで勝負が決まる、というこ
とでは無くて、高い攻撃力を持ってれば僅かな運が加わるだけでゴール
が生まれるし、決定機も多いだろうから、やっぱり強い方が勝つ。

でも逆に、大きな運に恵まれると、低い攻撃力しかない弱いチームでも
得点をすることができ、勝つこともある。

これがサッカーの怖さ、これが有るから強いチームも安心できないし、
弱いチームも完全には諦めることができない。これが有るからアジアの
一次予選からもW杯の本戦からも目を離すことが出来ない。

こうやって人々の心臓を締め付けながら、サッカーというスポーツは世
界中に拡がっていったのだろう。阿片のようなスポーツだ。
35テンプレ:2007/08/27(月) 01:23:40 ID:QgtOdGi0

偶然性について続き

ほとんどのスポーツ、というより、ほとんどのゲームの魅力は、 一つは
「プレイヤーの能力」と、もう一つはこの「偶然性」で構成されていると考
えています。

極端な例としては、偶然性で勝負が決まる"半丁賭博"や、逆に、当事
者同士の能力比較で主に勝敗が決する"重量上げ"や"短距離走"など
があります。仮に"背比べ"なんていう競技があれば、100%勝敗は事前
に分かるのでしょうが、ほとんどのスポーツは、両方の要素 をあわせ持
っているのだと思います。程度の差こそあれ。

この偶然性が勝敗を左右することが、ゲームの魅力を損なうとは思いま
せん。ポーカのカードを引く瞬間も、半か丁かが分かる瞬間にもドキドキ
固唾を飲むの瞬間を過ごせるのは確かなのですから、ゲームを魅力的
にすることは間違いないでしょう。

多くのスポーツでも、目標達成の難易度が、人間の能力限界とほぼ同
等になるように条件設定されており、これによって生じる人間の動作の
不確実性が偶然性を生み出しています。


36テンプレ:2007/08/27(月) 01:24:22 ID:QgtOdGi0

例えば、野球では、マウンドまでの距離を十数メートルに設定することで、
ボールのズレを不確定要素として利用しています。このズレの程度が有
意かどうかは人間の筋力、反応速度、etc.も含めて決まってきまります。

さらに、打球の落としどろも、そうそうコントロール出来きなくなるので、不
確定性を持ち、野手の運動能力が及ばない領域に飛ぶと、ヒットになる。
これらを含めてだいたい打率が3割前後となってるわけです。
(もし、マウンドまでの距離が10%違ったら、5割打者がいたり、逆にパ
ーフェクトゲームを沢山拝めたりするのでしょう )

この不確定性自体は、本質的には、ポーカの次のカードを捲るときの不確
定性と同じで、極めてドキドキさせられる瞬間で在ることは疑いようもなく、
野球の持つ大きな魅力でしょう。

そして、この瞬間の前にある間がまた効果的で、緊張感を高め、この魅力
を増幅しています。また、プレイする側にすれば、この間は、余分な思考時
間を与えられることになり、思考の揺らぎ、迷いを楽しむことになります。ジ
ャンケンで、グーを出すか、チョキを出すかで、真剣に悩めたりするみたいな
ものですね。

ところで、もう一方の「プレイヤーの発揮する能力」による魅力、これの大部
分は野手の守備機会に有るように思います。割と多くの野球ファンがプロな
らではの魅力として挙げ、好プレイ集として特集されるのも主にこのシーンみ
たいですし。ただ、サッカーを見慣れている私としては、全体に占める割合が
小く、本当に驚かされるシーンに出会うことも少ないので、この点での魅力は
やや乏しいように感じてしまいます。もちろん、この辺は個人の嗜好に依存
するのでしょうけど。
37テンプレ:2007/08/27(月) 01:24:54 ID:QgtOdGi0

次にサッカーにおける偶然性。前発言にも書いたように、当然、サッカーにも
偶然性が支配する部分が有ります。特に、ゴール前の密集での、時間的・空
間的にも制約された条件、相手からの物理的・心理的プレッシャーは、一流の
選手の動作にも不確定性を生み、結構な実力差があっても、なかなかボール
は枠に飛ばなくなります。このため、相手がオマーンやカザフでも、ブラジルや
アルゼンチンでも、我々は勝負の行方をドキドキしながら見守る羽目になるわ
けです。

サッカーの場合に面白いのは、この偶然性がプレイの”スタート部”ではなく、
主に最後の”ゴール部”にあるところではないでしょうか。出口のハードルを高
くすることで、ピッチ上に蓄積されるエネルギーの密度は上がり、得点の瞬間
には、高いダムが崩れたかのような膨大なエネルギーが、ゴールマウスから
ピッチの外への流れ出る、そんなエクスタシーが味わえるわけです。

実際、目標達成の難易度が高いことで選手のモチベーションは上がり続け、
禁止事項が少ない事ともあいまって、身体能力・技術・思考力・創造性、人間
のありとあらゆる可能性が試される。

簡単に乗り越えられるハードルでは、だれてしまって潜在能力を引き出すどこ
ろではないし、あれもダメこれもダメでは、独創性を生むことも出来ない。これこ
そが、日本の大学教育が抱える最大の問題点なのです。ってこれは違う話。

38テンプレ:2007/08/27(月) 01:26:24 ID:QgtOdGi0

この能力の発揮を最大限求められるというのは当然思考力についても同様

 ただ、いわゆる我々の日常生活での頭の使い方とはちょっと違う。
 
 「サッカーは間合いが無くて、忙しすぎるから、頭を使う暇が無い」
なんて言う人もいましたが、もちろん、そんなことは有りません。

 野球のように「初球内角だったから・・・。」等と、言葉に置き換え
て考えてないから他の人には伝わり難いだけで、野球の方を「読んで
いて魅力がわかりやすい」と感じるのも単にそのためでしょう。

 そもそも、状況を"言葉に置き換える"ということ自体が、それなりの
演算を必要されることですから、サッカーのように瞬時の判断を要求さ
れるスポーツでは、そんな悠長な処理を行っている暇は無いのです。
 (BASICではなくマシン語で走らせてるようなものか? ヨクシランケド)