□ いい人・やさしい人のお話 13 □

このエントリーをはてなブックマークに追加
42おさかなくわえた名無しさん
数年前、通勤電車の中で急に胃が強烈に痛み出して、
途中で降りてホームのベンチでしばらく休んでた。
でもひどくなる一方で動けなくなって、最後には猛烈な勢いで吐いちゃって。
当然ホームにいた人なんかは(二日酔いとでも思ったんだろうけど)
いっせいに避けて、朝の混雑したホームにでかい空間ができた。

オレも痛いのとバツが悪いのとで顔も上げられずうんうん唸ってたら、
『メンズエッグ』とか読んでそうなチャラっとした高校生が一人寄ってきて
「はい」ってペットボトルのポカリくれた。
それからしゃがんでオレの顔、下から覗き込んで「大丈夫っすか?救急車呼ぶ?」
すぐそばにはオレのゲロがあるってのに気にする様子もなく。
オレも吐いて少し楽になったようだったから
「大丈夫、ありがとう」とだけなんとか言うと、
「これあげるから読んで元気出して」と少年ジャンプくれて去っていった。

その後結局は胃潰瘍で入院したんだけど、あれ以来、
とうに卒業したつもりだった少年ジャンプは、かかさず読んでいる。