三十代後半の事務系男性職員は十一月下旬、市職員労組がつくった新賃金の表計算ソフトで、
来年度からの自分の給与を試算してみた。妻と小学生以下の子供三人との五人暮らし。
期末手当や家族手当を計算に入れても住宅ローン、保育料などを差し引くと 平均月額十九万円そこそことなる。
男性が仕事を辞めて生活保護を受給した場合、一家の受給額は月額約二十五万円になる。
医療費や保育料、住民税は無料で、自宅を引き払った場合、アパートなどの住居費補助も別途加算される計算だ。
男性は妻と話し合い、本年度限りでの退職を決めた。
市職員は雇用保険に加入していないため、三月末までに次の仕事を探す必要がある。
住宅ローンはまだ二十年近く残っている。
それでも「子供たちの進学など将来を考えると、生活保護は受けたくない。
妻が『新しい仕事で頑張ろう』と言ってくれたのが救いです」と、声を詰まらせた。
男性の同僚は「生活保護費は、国が定めた『最低限度の生活』を守る基準のはず。 市職員給与がそれを下回るなんて」と憤る。
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