胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(44)

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165おさかなくわえた名無しさん
俺のじーちゃんが家から徒歩5分くらいの所で家庭菜園をやっている。
その土地は元は親戚の家だったのを数年前に取り壊して菜園+空き地になったものだ。
空き地は我が家に親戚が来た時には駐車場代わりに使ったり
近所の家に訪問者が来た場合にわりと自由に一時的な駐車場として利用されていた。
近所の人はじーちゃんとも知り合いで無断で停めていてもそれは特段問題なかった。

しかしここ数ヶ月ほど、土日になると終日無断駐車をしている知らない車があった。
県外ナンバーでたまに金曜の夜から停めていることもあった。
近所の人に聞いても該当者はなく、たまに来る我が家の客も停められずちょっと困っていた。
じーちゃんは仕方なく「私有地につき無断駐車お断り」の立て板をするも効果なし、
車に同様の張り紙をするも効果なし、警察に苦情を言うも私有地だから何も出来ないと断られていた。

そこでじーちゃんは「工事予定地につき立ち入りを禁じる」という柵を張った。
実は工事予定なんかなかったが、スコップやらブロックやらを空き地に置いてそれらしく見せかけていた。
しかし柵といっても埋め込み式ではなくただ立てただけのものだったので
無断駐車する車はその柵をのけてまで空きスペースに駐車し、その後柵を元に戻して立ち去った様子だった。
怒り心頭したじーちゃんはついに先週の金曜日に行動に出た。
知り合いから借りてきたユンボで空き地の入り口付近を深さ1メートル・幅2メートルくらいの溝を掘り、
青いビニールシートをその上からかぶせて前と同じように工事予定地の柵をした。

土曜の朝、じーちゃんに面白いもん見せてやると言われ俺は菜園に付いていった。
俺が見た光景は、後輪が少し浮いた状態で空き地に突っ込んでいる白い車。
近所の人が数人周りを囲んでヒソヒソしてたけど主は誰かわからなかった。
呆然としている俺にじーちゃんはニヤニヤと車を指差しながら
「これがのいたら穴を埋めるから手伝え。とーちゃん達には内緒にしとけよ」と言った。
その日の昼過ぎにはJAFが来た。犯人は近所の賃貸アパートの単身赴任旦那だったらしい。
謝罪にも来なかったのでうちの両親にはじーちゃんの罠はバレなかった。
翌日のイブの日に何の予定も無い俺は一日がかりでじーちゃんと二人っきりで巨大な溝を埋めた。メリークリスマス。