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おさかなくわえた名無しさん:
Gacktの「野に咲く花のように」を聞いて泣いた話を
書き込もうと思ってメモ帳で書いてたら
結構な長さになってしまったんですが、連投していいですか?
ここのところ、いろいろと不幸や不運がが続いて落ち込んでいた。
なんか無常観というか厭世観というかそんなものにとりつかれていた。
その夜、送別会のシーズンも近いので、何かカラオケで歌える新しい曲はないかと、
車で遅くまで開いているCD屋に行った。
シーズン的にぴったりだし、「みんなのうた」でも流れているから知名度もあるし、
そんな理由でガラにもなくGacktの「野に咲く花のように」を買った。
帰り道、さっそく車のCDプレーヤーに入れて聞いているうちに、
僕はふと、自分の通っていた中学校が近くにあることを思い出した。
思わず中学校に向けて車を走らせていた。
中学校に入る道の入り口まで来たけど、
そこから先にはどうしても車を進めることができなかった。
中学時代毎日通っていた桜並木が、なんだか無限の距離に感じられた。
もうあそこに帰ることはできないんだな、と思った僕は
「野に咲く花のように」のインストを聞きながら、一人暮らしのアパートに帰った。
(もっとも、よく考えたら夜更けに中学校の回りうろうろしてたらまるっきり変質者だ。)
就職でこの町を離れてから10年後、俺は転勤でこの町に戻ってきた。
しかし転勤先での仕事はうまくいかず、何とかその場その場をしのいでいる状態だった。
平日は仕事が忙しく職場とアパートの往復。
休みの日は近くの実家に帰り、疲れてると言い訳してゴロゴロ。
そんな日常を送っていた
中学時代いじめられっこだったこともあり、
戻ってきても当時の友達とはほとんど連絡を取らなかった。
友達も結構ばらばらになっているだろうし。
あの中学校にはろくな思い出が無かった。
…と思っていた。
いろいろなことを思い出して泣いた。
思い出が無かったんじゃない。思い出さないようにしていただけだ。
そういえば、この前(といってももう去年だが)同級生の一人にばったり会った。
彼女は、中学時代に僕のことを好きだといってくれた、希少な女の子だった。
(友達としての「好き」だったのかもしれないが、それでも稀少だった。)
しかし、いじめられてひねくれていた僕は、
彼女がからかってるんだろうと思っていた。
また当時の僕は、クラス一の優等生の美少女に片思いしていて、
地味な眼鏡っ子だった彼女のことはあまり気に留めていなかった。
卒業式の直前ぐらいだったと思う。彼女に泣かれたことがあった。
どうして泣かれたのかはよく憶えていない。
どちらかというと、「泣かされる」ことばかりだったので、
「泣かれる」という事態に面食らったことだけは憶えている。
そのあと、彼女に謝りたいと思っていたが、
そのまま卒業してばらばらになって、それ以来会っていなかった。
(優等生の美少女のほうには卒業後2回ほど会ったが、こちらもそれっきりだった。)
彼女は仕事中だったので、ちょっとお互いの近況を話しただけだった。
卒業式の前のことも話さなかった。
彼女の名札には、俺の知らない苗字があった。
きっと、共働きでがんばってるんだろうな。
それに対して僕のほうは、今の仕事はどうって聞かれて、あいまいにお茶を濁すことしかできなかった。
「チャイムの響く校庭の片隅に咲く花のように
やさしく笑ってくれた君だけに伝えたい
ただ「ありがとう」と」
もう少しだけ、がんばってみようかな。
今度、どこかで同級生にあったときに、もうすこし胸をはれるように。