あの映画・小説・ドラマ,etc.の結末が知りたい2
舞台は未来の地球。人口過剰のため、人々は密閉された都市(シティ)の中で、配給制の生活を強いられている。
都市の外に出る必要はないので、人類ほぼ全員が広所恐怖症デフォルトな社会。
さらに、かつて宇宙殖民していった人々の末裔が独自の文化を築き、地球を「原始的で野蛮」とみなして
管理下に置いている。その「宇宙人(スペーサー)」たちが、ロボットの労働力導入を促進しているため
失業者が増え、反宇宙人運動が過熱していたりと問題山積み。
主人公、イライジャ・ベイリは妻子持ちの私服刑事。ロボット嫌い。
ある日、もと学友で上司のジュリアス警視総監から、「宇宙人殺し」事件の捜査を命令される。
シティの近くにある宇宙人の居住区で宇宙人の科学者が殺されたのだ。熱戦銃で撃たれたらしいが凶器は未発見。
ゲートの出入りが完全管理され、居住区自体が一種の密室である状況での殺人と凶器消失事件である。
宇宙人にかかわること自体気が進まないのに、この事件で彼に課せられた条件は
宇宙人側が派遣してきた人間そっくりのロボット、R・ダニール・オリヴォーをパートナーにせよとのこと。
捜査が開始されるが、状況は遅々として進まない。現場が事実上の密室なのは述べた通り。
事件前後に出入りしたのは、第1発見者のジュリアス総監だけだが、彼は凶器を持っていなかったし
脳波鑑定によって殺人の意思がないことが確認されている。作業ロボットが出入りする通用門はあるが
ロボットは三原則により殺人ができないし、外の荒野に対して開かれている通用門を
広所恐怖症な地球人が使用できるはずもない。宇宙人は細菌感染を恐れて外に出ないので論外。
捜査が行き詰まる一方で、R・ダニールは「反宇宙人の秘密結社」の可能性を示唆し
イライジャの周囲にも怪しい人物がうろつき始める。そしてあろうことか、彼の妻が結社の一員だったことを告白した。
同じ日に、警察内のロボットが破壊される事件が起き、イライジャに容疑が掛けられる。
R・ダニールの捜査期間が満了する今日一杯のうちに事件を解決できなければ、イライジャは孤立して逮捕されてしまう!
以下解決編。ネタばれを好まない方は個人であぼ〜んして下さい。
犯人はジュリアス総監。彼は反宇宙人の結社の高官でもあり、宇宙人の計画の妨害を目論んだ。
彼は、警察のロボットに武器を運ばせ、宇宙人の居住区通用門で武器の受け渡しを行ったのである。
彼の目的は、宇宙人が地球人観察用に作った人間そっくりのロボットを破壊することだったが
誤ってロボットのモデルになった人間の方を殺してしまったのである(だから『殺人の意思』は無かった)。
発覚を恐れた彼は、武器の受け渡しを行ったロボットを破壊し、その罪をイライジャに転嫁しようとしたのだ。
現場に落ちていたガラスの破片が、ジュリアスの眼鏡のレンズであることを見抜いたイライジャは
畳み掛けるように推理を披露してジュリアス総監を追い詰め、彼から自白を引き出す。
ちなみにダニールの真の目的は、事件捜査を通じて「地球人の新たな宇宙殖民」の糸口を見出すことだった。
宇宙人が地球人に社会的圧力を掛けていたのは、宇宙殖民への意欲を高めるためだったのである。
イライジャとR・ダニールは、反宇宙人結社を殖民運動へ転向させることを条件に真相を秘匿する。