幼稚園時代、俺はまあちょびちょびした子供だった。
ある日曜日、一人で駅から電車に飛び乗ったorz
数駅すぎたところで降り、店先のガチャガチャ機に張り付いて見てたらしい。
そこに少〜中坊くらいの兄ちゃんたちがやってきて、買いたいからどいてくれーと
俺をどかし、周囲を見ても親が居ないことを不審に思ったのか、
俺を迷子と疑っていろいろ質問してきた。「お母さんは?」「おうち」
「おうちどこ?」「ジャスコの近く」「今日誰と来た?」「ひとり」こりゃ迷子?だということで
「交番連れてって警察に任せるべ」つーことになったのだが、数日前にドラマ見て
警察に捕まる=ろうやに入れられる と思い込んでいた俺は「けいさつ嫌だ」と言い張り
……結果、駅前のベンチの上で電話帳持った兄ちゃんたちの忍耐強い捜査が始まった。
「名前は?」「やまだモナー」「山田って多いな」「ジャスコの近くっつってたぞ」「○○駅か」
「幼稚園なに幼稚園?」「ギコようちえん」「ギコ幼稚園……ギコ…マジで○○駅から乗ったのか」
「幼稚園にかけようぜ」「いや今日日曜だし」「他にうちの近くに何ある?」「かわ」
この調子で絞り、ある程度絞った端から持ち金出し合って電話かけてくれた。
何十件かかけ、うちにヒットした頃には数時間過ぎ、そこから
血相変えて親がすっ飛んでくるまで更に一時間はかかった。
俺はこってり絞られた。んで後日、菓子折りと金と、確か図書券を持って
謝りに回り、親は必死で頭を下げ、俺はそのうちの一人の家で、
見ていたガチャの中身と同じ、ビックリマンシールのダブりをしこたま貰い
ご満悦だった・・。
んで先日実家に戻ったら、母ちゃんが「これ」と何かを出してきたんだが
もうバリバリに風化しかけたチラシの裏に、電話機備え付けのボールペンか?で
稚拙な字で「○○駅」「山田モナー」「ジャスコ」「ギコ幼ち園」
「父 ?」「母 おかん子」「4才」「 さくら組 しぃ先生」「マンションじゃない」
「二階だて」 などと書かれた、例の供述書だった。
なんか、胸が熱くなった。