589 :
おさかなくわえた名無しさん:
年取ってから話が長くなったおふくろ。毎日のように、つまらないことで電話してくる。
ある日、心底疲れ切って会社から戻り、風呂から出てくつろいでたら、またおふくろから
電話があった。女房が電話に出て、口調でおふくろだと分かったから、今日は話を聞いてる
余裕もなかったし、手で×を作って留守だと言ってもらった。女房の微妙な口調の違いで
居留守だと分かったのか、次の日から電話が来なくなった。
3日後、おふくろから荷物が届いた。開けると俺の好物の、おふくろ手製の漬け物が
詰まっていた。寒い中、また今年も一生懸命に漬けたんだろうと思うと、居留守を
使った自分が悲しくなった。
あれから電話の回数は減り、すぐに切ってしまうようになった。こっちから話を
引き延ばそうとしても、あまり話に乗ってこなくなった。そうこうしているうちに身体を
壊し、入院してあっけなく死んでしまった。もちろん俺が冷たくしたから病気になった
とか、そういうわけじゃなくて、たまたま偶然タイミングがそうだったんだろうけど、
かなり落ち込んだ。
死ぬまでに話をできる時間は限られていたんだよな。気付くの遅かったな・・・