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季節ものの話を一つ。
去年の冬。
俺は彼女にプレゼントする為、必死にバイトして貯めた金で指輪を買った。
喜ぶ彼女の顔を思い描きながら彼女の家へと急いだ。
約束の時間に遅れそうだったので少しでも近道しようと公園を通っていく事に。
綺麗にライトアップされた噴水やツリーを横目で見ながら歩いていた。
ふと誰かに声を掛けられた。正面に視線を戻すと4人の男達が俺を阻むように立っている。
ビビリながらも「なんですか?」と尋ねる。
「お金貸してくんねぇ?ちょっとでいいからさ。」
「…無いです。」と言うと、いきなり殴ってきた。
「無いじゃ困んのよ、こっちはさぁ。ちょっと位あんだろ?」
と漫画のようなセリフを吐きながらもう一発殴ってくる。
すると、その拍子にしまっておいたポケットからプレゼントが落ちた。
DQN達はそれに気付くと「なんだ?これ?」と言いながら踏みつけた。
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2/2:03/12/13 06:28 ID:CZ6b5GZE
その瞬間、俺は切れた。
ポケットにあったライターを握り締め、DQN達に向かって殴りかかる。
が、ケンカなどした事が無かった俺は当然やられてしまった。
倒れた時に頭を打ったのか、ボーッとする意識の中で、
「彼女に謝らなきゃ…」とか考えていたのだが、なんだか辺りが騒がしい。
体を起こして周りをみると、DQN達が数人に押さえつけられている。
大学の柔道部の方々でした。
飲み会に行く途中に騒ぎに気付き、助けてくれたそうです。
地面にDQN達を正座させて俺に謝らせ、指輪代まで出させました。
指輪自体はほぼ無傷だったので「ソコまでしなくても…」と言ったのですが、
無理やり俺に金を握らせ「俺達からのクリスマスプレゼントだ。」と言い残し、
DQNを連れて去っていきました。
サンタさんはいるんだな、と思いました。
今、俺の指にはペアリングが輝いています。