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おさかなくわえた名無しさん:
俺の父親は病院の勤務医だが、水呑み百姓の極貧家庭で育ち、苦労して
府立医大を出て医者になった点は尊敬するが、非情に恥ずかしい性癖が
残っている。親父は味付け海苔に異常に執着する。子供の頃、同級生に
開業医の銅鑼息子がいて、そいつの家に遊びに行くと、そいつはいつも
海苔の缶を抱えて、味付け海苔をパリパリ食べていたそうだ。なんでも
海苔は脳の発達に良いと、そいつの母親が思い込んでいたらしい。朝食
は麩と葱の味噌汁、昼食は日の丸弁当、夕食は油で炒めた味噌を食べて
いた親父にとって、味付け海苔をパリパリ食べる開業医の息子が憧れだ
った。親父は、子供心に、将来は医者になって、味付け海苔を思いっき
り食べたいと、誓ったらしい。それが、トラウマになっているのか、3
食必ず味付け海苔を食べる。それだけなら可愛いが、その量が半端じゃ
ない。下手すると、1回で1缶食べてしまう。旅行に出かけて宿泊する、
旅館やホテルで、朝食がバイキングのところが増えて来たが、バイキン
グだと、必ず、山のように海苔をプレートに積み上げて、1袋に入って
いる5〜6枚の海苔を、いっぺんにご飯に巻いて食べてしまう。後には
大量の海苔の空袋が散乱している。勤務医だから、開業医ほど収入は無
いが、それでも、普通のリーマンよりは裕福なはずなのに、子供のころ
受けた傷は齢50を越えた今でも、根深く親父の心を支配している様で
ある。恥ずかしいやら、哀れに思うやら。しかし、そんな親父が嫌で、
俺の兄妹は、親父と一緒に旅行したがらない。和食の店に行くのも嫌だ!