【再度】思い出してホローリくる家族との思い出part4
衝動的に書いてみた文だから、所々支離滅裂なとこあると思うんで、先に謝っておきます。
結婚してからは殆どあうこともなかった姉と二人だけで飲んだ席でのこと。旦那はどうだとか、
育児の辛さだとかの報告を聞いてるうちに、自然と死んだ兄のことを二人して話し合ってた。
兄は兄弟では一番上だった。何か特技ががあったわけでもないし周りからの印象も薄かったが、
俺たちにとっては彼以上はいないって言えるほど印象深い人間だった。
兄は頭が頗る良かった(成績云々じゃなくて考え方とか)んだが、
それ以上に繊細というか、鋭敏な感受性を持ってた。
そのせいで傷ついたりしていたんだってことは、俺も姉も当時から気付いてた。
というか、そのことに気付いてたのは俺たちくらいだった。
後で知ったんだが、兄はあえて俺たち以外には自分のそういうところを悟らせないように
していたらしい。それは自分の内面が人一倍理解され辛いことを理解していたからそうした
らしいんだが、同時に赤の他人にさえ理解した風を装われるほど簡単な人間でありたくない
からだ、とも告白していた。実際、俺たちも兄のことをきちんと語れるようになったのは
兄が死んだ後だった。それくらい複雑な人だった。
俺たちはというと、姉も俺もそんな兄を尊敬しつつも怖がっていたと思う。なんでかて言うと、
俺が中学の頃にいじめられたことがあって、それを知った兄は俺をいじめたやつらを
問答無用で暴行した。ナイフまで持ち出して。そんときは近くにいた人が止めに入ってくれ
たから収まったけど、放っておいたらあれは本当に刺していたと思う。
事実、後で兄と話したとき「俺はお前らを守る為ならなんでもする」と言い放ってた。
兄は18のときに死んだ。自殺だった。自分の部屋で首吊ってる姿は冗談みたいだった。
周囲の反応はある意味予想通りとも思えるほどあっけなかった。兄の置手紙を読んでいな
かったら、もしかしたら俺たちもそんな感じに諦めてしまったかもsれない。
所謂遺書になるその置手紙は、かなり長いし俺たち以外には誰にも見せないでくれと
書かれていたので、内容をそのままここに書くことはしないけど、俺が理解できたことを
紹介するとこんな感じだった。兄は、自分が死んだのは誰のせいでもなく、自分に問題がある。
自分は若くして老人になってしまったのだと。頭の堅い、生産することをしない、
ただ他に対して求めるばかりの馬鹿としか言いようの無い存在になってしまった。
それは自分が今まで嫌悪してきた存在そのもので、このままで居続けることは苦痛だ。
だが、それだけで生きることを止めてしまうのは逃げている気がするので、今日まで
足掻いてきたのだ。希望はあったらしい。兄曰く俺たちはそれぞれ素晴らしい人間だ。
姉はしっかりしており、快活な女性だ。それは自分にとって大切なものと
そうでないものを認識しており、自分に自信を持っているからだと。
俺は兄弟一優しくて、強い人間らしい。自分が傷つくことを恐れないで、
常に誰かのことを気遣ってしまう。そういう人間こそ、本当に強いのだと。
姉は少し自分(兄のこと)に似てしまったところがあるが、それでも彼女は一人は勿論、
他人と共に生きていくことを苦としない点で自分よりずっと優秀だ。
俺のことは…もう本当に憧れていたようで、俺が今後幸せであることを生前から祈ってやまなかったらしい。
そんな風に分析した俺たちのことを(この分析は当っていることに兄の慧眼を誇らずにいられないです)
兄はやがて指標にして生きることを続けたようだ。勿論誰かになることは無理だという
ことは兄も分っていたので、兄なりに新しい可能性を模索していたらしい。
やがて答えが行き詰まった。何度新しい答えを出して見ても、それらは全て今まで
作り上げてきた「自分」を越えることはできなかったらしい。
自分という人間の限界を感じ、そんな自分に絶えかねたのでは。
(兄が自分というものを何より大切にする人間であることを知っていた俺の考えですが)
俺が兄の手紙から感じ取れたことは、そんな感じです。読み終えた後、俺も姉も泣いてました。
姉は途中から既にぽろぽろと零してて、母が死んだときの比じゃないでした。
兄が言ってくれた俺たちの良いところってあれ、兄自身にも当てはまるってこと、
兄は気付いていたのか聞きたかったです。
葬式も、俺たちに多大な迷惑を掛けてしまって本当にすまないということで、
しなくても良いとさえ書いていましたが、身内だけでもという(というより、
他の人間は呼びたくなかった)ことで執り行いました。親戚の誰かが自殺の原因が
不透明なことに対して「よく分らない子だったからね」などと言っているのを聞いたときには、
形振り構わず殴り飛ばしてやりたい衝動にかられました(結局、姉に諭されて抑えました)。
同時に、兄が俺達以外の人間に対して取っていた態度の意味が痛いほど良く分りました。
そうして兄が死んでから数年が経った今ですが、今でも兄のことは俺達にとって一つの謎です。
兄はどんな人間だったのか、何故死を選んだのか。やはりどこかで俺たちは思い違いをしてる
んじゃないかと、その日も延々と話し合いました。ただ、一つだけ確かだったことは、
兄が心から俺たち姉弟を愛していたんだということでした。嬉しくもあり、何より悲しかったです。
長文ですいません。冒頭でも言いましたが、見苦しい点が多々あると思われます。