一番思い出に残る弁当は、俺が幼稚園の遠足の時に作ってくれた親父の弁当かな。
母親が事故で死んじまって、それからは俺と妹を育てるために我武者羅に働いてた親父。
幼稚園の遠足は近くの公園までハイキングだった。
親も同伴だったんだけど、忙しかった親父は休めずに同伴出来ず・・・。
幼稚園からの連絡表をしばらく睨み、「お父さんは行けないけど弁当は作ってやるぞ」と一言。
幼心にすんごい嬉しかったのを覚えてる。
親が同伴じゃない子供は俺一人だったんだけど、弁当の時間は先生と2人で食べた。
大きな握り飯と野菜炒め、それから不恰好に切ったリンゴのウサギが入ってた。
事情を知ってる先生は俺の分まで弁当を作ってくれてたんだけどね。
俺が「お父さんのお弁当を食べてもいい?」って聞いたら、その先生は急にボロボロ泣き出した。
幼心に”女の人を泣かせてしまった”と焦ったけどね(ワラ
先生は「○○君はイイ子ね。お父さんもイイ人ね」って泣きながら言ってさ・・。
なんでそんな事で泣くのかってその時は不思議だったけど。
量がたくさんあったから残さず食べるのに苦労したが、マジで旨かったな〜。
親父はそん時27歳。今の俺と同年齢。俺には出来ない・・・きっと。
弁当作るのだって初めてだったんじゃないかな?
親父しかいなかったせいか、子供の頃の記憶って強烈に残ってるんだよね。
再婚もせずに俺達を育て上げた親父に感謝。
親父の弁当は旨いぞ(゚Д゚)ゴルア