白熱灯のメリットとして点光源に近いことばかりがこのスレでは挙げられていますが、
演色性についてはあまり触れられていないようです。
演色性についてはもちろんご存知の方も多いと思いますが、
誤解されている人もいるでしょうからここで一寸まとめてみました。
参考になれば幸いです。
要するに光源によって物の色の見え方が変化するとき、それが
基準となる光(自然光と白熱灯)からどの程度ずれているかで決めます。
なぜこの二つかというと、昼間は自然光、夜はランプの光りや白熱灯で見た色、
というのが人間の目(または脳)が最も自然に思う色だからです。
蛍光灯の場合は、色温度(色味)自体は自然光や白熱灯に近くとも、
含まれるスペクトル成分が自然光や白熱灯と異なるため、顔色が青黒くなったり、
食べ物がどす黒くなったりすることがあり、人間はそれを見て「おかしい」と
感じてしまうわけです。
なお蛍光灯の演色性能を改善する努力は長年各社で行われてきており、
最近は三波長型の演色改善タイプの蛍光灯も普及しています。
三波長型であればそれほど演色性に神経質にならずとも電球色蛍光灯を白熱灯の代わりに
用いることが出来ます。
こうした演色性能については、JISで評価基準が定められていて、Ra(平均演色評価数)で示されます。
(100が満点で、白熱灯、ハロゲン灯は当然100)
蛍光灯は高演色タイプ(三波長タイプ)ですと85程度、博物館・美術館用で95-99です。
演色性が悪い照明として有名なのが道路照明に用いられるオレンジ色のナトリウムランプです。
演色性は高効率タイプで25(色温度2050K)、演色改善タイプで60(色温度2150K)です。
(高効率タイプでは全ての色がオレンジか黒に見えてしまう)