テレクラでのいい思い出・やな思い出

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449テレクラ話
一日に三便くらい船が通ってて、アノニ島にはカンタンに行けるから、
わたし、花を持っていった。イナカに居たときは何回も行った。
私が花を持っていったときに、浜に花束があったけど、
多佳子のお母さんがお参りに着てたのかなあ。

バレンタインデーの前の日、2月13日が命日。ほんとは死んだ日はわからないけど、
発見されたのがその日だから。

小さな船がたくさん行き来してる湾内の海なのに、何で見つからなかったのかなあ。
風や潮の流れのせいなのかな。見つかりたくなかったのかなあ、多佳子は。
知られたくない真実ってあるじゃん、
…多佳子のお腹の中にいた子供のこととか。

去年もね、ちょうど命日のころ田舎に帰るから、
多佳子のおうちにお線香あげに行ったの。
でも多佳子のお母さんは、いま精神病院に入ってる。
やさしい、いいお母さんなんだけど…。

えと、2月にね、イナカに帰るのは小さい姉ちゃんの命日も2月だから。
小さい姉ちゃんはお薬を、百八十錠も飲んで死んだの。
多佳子が見つかる前の週にね、アパートで死んだの。

  ちいさいお姉ちゃんの話も長かったんだ。女の頭に敷いた右手がしびれてきた。
  なあんかネタって言われちゃいそうだなあ。まあ、つっこむ先はおれじゃあないよ。