テレクラでのいい思い出・やな思い出

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445テレクラ話
 ターミナル駅の二つ先の駅の改札で待ち合わせ、昔のまじめな大学生といった
風情の女。ストレートの短髪、ややぽっちゃりめ。ベージュのステンカラーコート。
ぽっちゃりは、テレクラでの意ではなく世間的にいわれるそれ。

 夕刻のテレクラでの二十分ほどたわいのない話の後、ゴハンでも食べようという
ことで会った。二十六歳の公務員なんだっていう女の自己紹介が馴れていない感じで、
会いたいという気持ちを起こさせた。自分では意識していないが、
馴れてない女と会いたいというキモチは、"新鮮"な女とやりたい、
落としたい、というキモチなのかもしれない。

 バーに入るとオーダーを決めかねてたから、モスコミュールかなんかをあてがう。
しだいに頬が染まり緊張が解けてくる。予算の時期って大変なのよねえ、
とぽつりぽつりと話し出す。フランクに話せそうな相手だ。
タバコを吸いながら男の話なども。個人情報にはあまり触れないようにしつつ
例によってセックスの話題もとりまぜるが、その話題は避けられた。
正直だが性的な話は得意じゃないタイプ、そう理解する。

 おれは女と話すとき、それほど自分を装ってしゃべることはない。寝るために
自分の価値を高そうに見せて完全防備で変装してしまったら、せっかく
女と肌を合わせたときにウェットスーツを着てるような気分になるだろーからだ。
おれは生身のカラダを触れあわせたい。