【議論の流れ】
261 名前:なまえを挿れて。[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 01:05:58 ID:???
唐突ですが質問させて下さい
近親間の恋愛は古くからタブー視されていますが…
その嫌忌感情は本能的なもの?それとも情報によって後天的に刷り込まれたもの?
近親相姦者は遺伝子学的に欠陥者なのか?それとも社会的統制からの逸脱者なのか?
遺伝に関する知識のない太古の人類の恋愛事情はどうだったのだろう?
制御されなければ社会崩壊を引き起こしてしまうほどの禁忌行為なのか?
避妊技術が確立した現代において、肉体関係のみならず恋愛感情までもタブー視することに意味はあるのか?
なんとなくマズイ事だよなという思いはあるものの、それは非常に盲目的である気がします
有識である方や、実際に肉親と関係をもった方など、色んな視点からの意見をお聞きしたいです
263 名前:なまえを挿れて。[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 02:05:08 ID:???
>>261 それが家族という共同体を維持するための知恵だから。
264 名前:825[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 02:58:49 ID:???
>>261 遺伝子を他の血統と交配させるために、
近親相姦は本能的に制限されているという理論がまことしやかに囁かれているが、
それは詭弁ではないだろうか。
@遺伝病が発現する割合は大変低い。
近親相姦によって、生存に不利な遺伝病の発症する割合が高くなるのは事実だが、
仮に発現する割合が2倍になっても、微々たる差しかない。
Aまた、生存に不利な遺伝病の発症した個体が誕生した場合、自然淘汰される割合が高い。
(致死遺伝子の組み合わせとなった個体は、そもそも生まれて来ない)
@、Aの結果、重い遺伝病を患った個体は淘汰され、
危険な遺伝病を免れた、ほとんどの個体が個体が生き残ることになる。
つまり、部分的に近親相姦があっても無くても、結果的には人類の盛衰に関わるような影響はないことが判る。
近親相姦に、何かしらのブレーキが掛かっているのは確かなようだが、恐らくそれは後天的なものであるだろう。
これは、面識の無い肉親同士では、ブレーキが掛からないことから判る…って、掛からないのですか、耕四郎さん?
近親相姦のブレーキとして、エディプスコンプレックスが関係しているようなのだが、どういうメカニズムなのだろうか。
265 名前:825[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 03:38:01 ID:???
>>261 最初の質問に答えたので、続いて他の質問にも…
> 近親相姦者は遺伝子学的に欠陥者なのか?
欠陥者かどうかは、未だ不明です。
けれど後天的な要素が大きい以上、欠陥者ではない可能性が高いのではないでしょうか。
それとも、実は欠陥者が大多数で、少数派の非欠陥者は、
後天的要素の有無に関わらず近親相姦を受け付けない…ということなのか?
ここら辺、全く謎です。
> それとも社会的統制からの逸脱者なのか?
社会によって禁じられている以上、逸脱者ですね。
> 遺伝に関する知識のない太古の人類の恋愛事情はどうだったのだろう?
遺伝の理論が確立する前の中世でも、今と変わらず普通の結婚をする人たちが多かったから、
多分、今とあんまり変わらなかったんではないかな。
つまり、一部には近親相姦する連中がいたってことでおK?
> 制御されなければ社会崩壊を引き起こしてしまうほどの禁忌行為なのか?
社会崩壊は引き起こしません。あるのは家庭崩壊でしょう。
266 名前:825[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 04:04:23 ID:???
>>261 > 避妊技術が確立した現代において、肉体関係のみならず恋愛感情までもタブー視することに意味はあるのか?
肉体関係、恋愛関係ともにおKでいいじゃない…ってことを期待している質問と考えてよいのかな?
当人たちが恋愛感情やら性欲やらを覚えている以上、誰が何を言っても仕方がないことだろう。
ただし、そこに問題点を感じることが多いのもまた事実。
・性欲にかまけて一番近くにいる近親の女(あるいは男)に手を出し、自分に都合の良いように洗脳・調教した。
(近親相手でなくとも、非難されて当然)
・他人との接触を避け、身内のみで傷を舐め合うが故に、重度の相互依存、あるいは共依存に陥っている。
(社会適応能力が著しく損なわれる恐れがあります。そうでなければ無問題?)
・彼氏や彼女がいるにもかかわらず、近親相姦をやめられず、結果、恋人を騙していることになる。
(これは近親相姦を不倫に言い換えても同じだな)
これに該当する方が非常に多いせいで、近親恋愛のイメージは非常に悪い。
こういった問題点がない場合、あるいは克服されている場合には、タブー視しなくとも良いのではないでしょうか…
もっとも、近親に恋愛、あるいは欲情すること自体に嫌悪感を抱く人が大多数であるという事実が、
タブー視の最大の要因なのだが、それは一体何故なのだろうか?
269 名前:261[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 17:29:35 ID:???
>263
>264-266
レスありがとうございます
大変参考になりました
私も遺伝的リスクについては、近親恋愛タブー視の根拠とするには些か弱いように思われます
圧倒的多数の人々が知らずの内に抱いている根元的な嫌忌感情が最大の根拠といえそうですが、その理論的裏付けは未だハッキリしていないようですね
270 名前:261[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 17:30:30 ID:???
私も幼い頃から家族との恋愛は有り得ないと認識していましたが、その根拠を具体的に呈示された記憶はありません
ただ周囲の「有り得ない」という認識に影響されただけといえます
一般的にみても近親恋愛を拒絶する根拠としては、自己の情動反応以前に世間から白い目で見られる、法で禁じられている、周りにそんな人達はいない、といった社会的事実が強く影響していると考えられます
271 名前:261[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 17:31:57 ID:???
あくまで仮説ですが、社会性を保とうとする欲求が近親恋愛感情を無意識的に抑え込んでいるものと私は考えています
(社会参加欲求を本能に基づくものと考えれば、本能的抑制とする説もある意味正しいといえます)
言い換えれば、社会的容認のある状況下では近親恋愛は他血統間の恋愛と同様に発生し得るのでは、ということです
272 名前:261[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 17:32:56 ID:???
私達の属する文化における近親恋愛タブー視の根拠が今一つ不明確であることから、逆にそれが容認されている社会状況も可能性として考えられないでしょうか
この広い地球をくまなく探せば、そういった文化がどこかに存在しているかもしれない、というのは飛躍しすぎでしょうかね
274 名前:なまえを挿れて。[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 18:45:15 ID:???
>>269 遺伝的リスクが低いと考えると、動物全般に普通に回避本能がある事実と整合性が無くなる。
遺伝病の知識があるからこそミスリードされているのではないか?
そもそも男女の性別が分かれて、遺伝子を混合するようになった理由は遺伝病のためではない。
多様性を確保しないと、全滅の可能性が高いから。
近親婚では、この遺伝戦略に逆らってる。子供が親に似すぎる事が、タブーの元の一つだと思える。
275 名前:825[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 19:21:33 ID:???
多少スレ違い気味なのを承知で…
>>261 > 一般的にみても近親恋愛を拒絶する根拠としては、
> 自己の情動反応以前に世間から白い目で見られる、法で禁じられている、
> 周りにそんな人達はいない、といった社会的事実が強く影響していると考えられます
そもそも、法で規制されている根拠とは、近親相姦を野蛮なものであると認識する風潮が存在するからだろう。
それ故に、当事者達は白眼視される訳だ。この認識は、ほぼ万国共通と言ってよいほどのものだな。
> 逆にそれが容認されている社会状況も可能性として考えられないでしょうか
> この広い地球をくまなく探せば、そういった文化がどこかに存在しているかもしれない、というのは飛躍しすぎでしょうかね
未開の部族だとか、新人類だとかにその究極形を求める人が多いな…
(類人猿ボノボの場合、母×息子の性行為が頻繁に見られるが、
これは親愛のスキンシップのようなもので、生殖のためのものではない。)
近親相姦が容認されている社会は無いことはないかもしれないが、
貴族階級のような特殊な閉鎖的、制限的状況に限られるのではないかな。
それ以外だったならば、せいぜい一時的(一世代的)なものになるだろう。
(仮に、無人島に移住した男女2人がいたとすると、その島で子孫を残そうとする場合、
途中に近親相姦を避けて通ることは出来ないが、やがてある程度繁殖が進んだら、近親相姦に頼る必然性がなくなる)
276 名前:825[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 19:22:26 ID:???
> あくまで仮説ですが、社会性を保とうとする欲求が近親恋愛感情を無意識的に抑え込んでいるものと私は考えています
> (社会参加欲求を本能に基づくものと考えれば、本能的抑制とする説もある意味正しいといえます)
近親相姦願望を抱いてしまった当事者は、社会参加欲求を優先させる場合、
近親相姦願望を「意識的に」抑え込んでいますよ…
それ以外の人々の意識下には、果たして本当に近親相姦願望はあるのか?
案外、無いんではないか?だからこそ、近親恋愛者を理解できず、気持ち悪いと感じるのだと思うが。
人間の場合、家庭生活(孤児院などの擬似的な家庭生活も含む)を営んで、社会生活への適応能力を身に付けている。
心理学者フロイトによれば、この過程でエディプスコンプレックスが発生すると言われている。
しかし、「エディプスコンプレックス」≠「近親相姦願望」ではないだろうか。
エディプスコンプレックスとは、そもそもは親和欲求であり、必ずしも性欲とは結びつく代物ではない。
しかし、中にはこれを性欲に結び付けてしまう奴もいるだろう。フロイト博士のように…
そういう奴の一部が、親子で近親相姦に陥るのだろう。
同じく、兄弟姉妹の情を性欲に結び付けてしまった奴の一部が、兄弟姉妹で近親相姦に陥るのだろう。
> 言い換えれば、社会的容認のある状況下では近親恋愛は他血統間の恋愛と同様に発生し得るのでは、ということです
容認がなくとも、近親恋愛者は必ず発生します。ただ、成就するのは社会的に非常に困難だが…
277 名前:825[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 19:24:18 ID:???
>>274 > 遺伝的リスクが低いと考えると、動物全般に普通に回避本能がある事実と整合性が無くなる。
> 遺伝病の知識があるからこそミスリードされているのではないか?
回避本能については遺伝子的な観点の仮説が提唱されているものの、それが遺伝的なものなのかは未だ実証されていない。
だが、遺伝的リスクの低さについては、ある程度の調査がなされている。
一族が致命的な遺伝病のキャリアでない限り、子孫に影響が出ない場合の方が圧倒的に多いはずだ。
> そもそも男女の性別が分かれて、遺伝子を混合するようになった理由は遺伝病のためではない。
> 多様性を確保しないと、全滅の可能性が高いから。近親婚では、この遺伝戦略に逆らってる。
多様性に関しては突然変異があるため、そう心配ないでしょう。
多様性確保の観点から考えると、近親相姦は遺伝戦略に逆らっていることになるが、
ほとんどの個体が無事に生存できる以上、あまり大きな問題はないのでは?
279 名前:なまえを挿れて。[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 19:48:29 ID:???
>>277 その調査されている遺伝的リスクは、遺伝病のリスクであって、遺伝的多様性が失われるリスクでは無い。
野生生物では個体数が200以下になると、その種の遺伝的多様性が、野生生活を行えないほど減るとされている。
実質上の絶滅種扱いになる。人間でも島の住人などが、一種類の病気で全滅したりする事例は多い。
この手の、多様性が失われての全滅を突然変異で回避するには、鼠算式に急速に増える生物で無いと無理。
人間はそこまで繁殖力が旺盛ではない。
282 名前:なまえを挿れて。[sage] 投稿日:2005/05/19(木) 21:34:10 ID:???
んーと、遺伝的リスクどうこうなんてのはよーわからんけどさ。
元々
「違う遺伝子の交配で環境に適した種として変化・対応し生き残る」
のが生物的本能なので、
「ほぼ同一なので交配してもあまり変化しない遺伝子同士の掛け合い」
である近親相姦は回避しようとするのがあるんじゃないかなぁ
-------------------------以下、再開↓-----------------------------
大きく分けて、以下の2つの議論に分けられると思うのだが。
@生物学的思考
遺伝子、本能、遺伝病など…
A心理学的思考
近親恋愛の心理、近親相姦の精神状態、近親恋愛者を忌避する心理など…
なお@については、当事者にとってはほとんど意味のない仮説と空理空論ばかりなのだな。
Aについては、より実りの多い考察ができるはず。むしろそこに重点をおきたいのだが…
12 :
元スレ261:2005/05/20(金) 01:41:57 ID:???
>1=290=825氏
スレ立て乙ですm(_ _)m
まさかこんな展開になるとは思いませんでしたが…
まぁこれで遠慮なく意見を交わせるってことですね
ただやはり当事者あるいは一般論者の方々からも幅広く意見を頂きたいところです
なかなか難しいことなのかもしれませんが、そのためには論者が当事者の立場からも考察を展開していく必要があるでしょうね
心理を語るにあたって、既存の理論ばかり一辺倒に並べ立てるのはナンセンスです
生の人間の感情、思考に基づく叙述を大切にしていきましょう
>>12 元スレ261氏
カキコどうも。いやはや、仰るとおりです。
荒唐無稽な理論ではなく、なるべく個人の実感に即した、血の通った議論をしたいものですな。
こちら、一応近親相姦当事者であるので、いくらかは役に立てる事があるかも知れません。
---------------------------------------
余談ですが、近親相姦の原因は、DNAだとか遺伝子だとか、動物的本能だとか
脳内物質だとか…という風に、深い根拠も無しに理論に持ち出すのは、
個人的には好きではありません…
もしそうだとしたら、近親相姦をする、しないは個人の力ではどうしようもない部分に由来することになる。
けれど物事は、そんな単純な問題ではないと思うのです。
例えば、世の中には殺人を犯してしまう者がたくさんいるけれど、
そいつの行動を、動物的本能だとか遺伝だとかで説明していますか?
殺人を犯す連中もいれば、犯さない連中もいる。
その差は、そいつの生育環境、生活環境に左右されるはず。
そこに本能だとかを議論しても、ほとんど意味をなさないことは理解できるでしょう。
近親相姦を考える際にも同じ事が言えるのではないだろうか。
それが心の問題に関係している以上、生物学的誘発因子云々だけでは、本質的な議論にはならない。
近親相姦誘発のほとんどは、当事者の生活環境によるものだと思う。
これの逆で、近親相姦を回避する生物学的要因についての議論も、
あまり本質的たりえない事が判るだろう。
14 :
261:2005/05/20(金) 04:01:21 ID:???
ウエスターマークの仮説によると、幼児期の接触体験が思春期以降の性的嫌悪に影響しているそうで、現代文化人類学では概ねこの仮説が支持されているようです
そのメカニズムは解明されていませんが、どうやら私達はインセスト回避機構を先天的に有しており、生後の体験によって発動する仕組みになっているらしいです
自分には母と姉がいますが、子供の頃ためらいなく触れ合った感覚をもったまま彼女らについて性的イメージを想起したとき、堪らない嫌悪感を感じましたし、
一方で会う機会も少ない従姉妹達に対しては逆に性的な憧れを抱いていた記憶があります
これらの体験を振り返ると、ウエスターマークの仮説も一理あるかなと思ったりしますが…
15 :
261:2005/05/20(金) 04:02:21 ID:???
近親相姦が起こるケースとしては、幼児期の接触体験が少なかったためにインセスト回避が働かなかった、
あるいはその回避機構が何らかの原因で機能不全に陥った、
あるいは恋愛感情を伴わないスキンシップとしての性行為が行われた、といったものが考えられます
このあたりは当事者の方々の体験談を基に検証する必要もあるかと思います
生育環境や家族関係などに何らかの共通因子が見い出せるかもしれません
16 :
261:2005/05/20(金) 04:05:20 ID:???
あとインセスト・タブー(近親相姦に対する社会的な忌避観念)の根拠については、遺伝的リスクの回避だけで説明できないのは確かです
(遺伝学が興る以前からインセスト・タブーが存在していた事実がある)
インセスト・タブーのルーツを辿ると、家族関係の混乱や家族の社会的閉塞を回避するといった意図などが絡んでいるようですが、
それが社会的観念として発達していく過程は文化によって様々であるようです(例えば日本とイスラム圏ではインセスト・タブーの意味合い、程度が異なるというように)
つまり、インセスト・タブーは絶対的な普遍的観念ではないともいえるわけで、状況によっては容認され得るものだと私は思っています
17 :
261:2005/05/20(金) 04:14:23 ID:???
人間のシステムとしてインセスト回避があるため(仮説を前提に論じています)、異端扱いされることは避けられないでしょうが、
権利を剥奪されたり迫害されたりといったことは、少なくとも今の日本ではないように思います
今の日本におけるインセスト・タブーは、根拠のない否定、云わば同性愛者に対する偏見のようなものである印象を受けます
自由主義傾向な私などは、当事者達が望むことなら他人に損害を与えない限り何したってイイじゃないと思ったりしていますが、こういったスタンスの方は案外多いような気がします
また、インセストが元々マイノリティな存在であることからも、わざわざ法でまで規制しなくてもいいんじゃないかとも思います
同性愛については世界的に規制緩和の流れが進んでいますが、近親恋愛についても同様の視点から活発に論議を進めてもらいたいものです
18 :
261:
>13=825氏
私も生物学的理論に偏った論議は好みません
私は人を援助する職を志している者ですが、心身を含めて全く同じ人間など一人として存在しないということを強く実感しています
人間の性質というのは、その大部分が遺伝情報よりも環境や体験といった後天的要素によって形成されていくものだと確信しています
一冊のノートが使い手や用途、使用環境によって様々な姿に変容するように、
人間の成長も生き方も千差万別、あらゆるものから影響を受け、無限に変化し続けます
人間を理解する上で一番大切なのは、一人一人の生の声を聴き、その心と向き合うこと
そこからは嘘のない全くの事実を得ることが出来ます
ひとまとめにして記号化された「人間」ばかり追いかけて解ったつもりになる…馬鹿げてますよね
とはいえ、この限られた空間では出来ることも限られてきます
少しでも有意義な議論が出来るように努力していきましょう