松下さんBCLラジオを作ってください

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57デムパ基地害
【ラジオ受信機の感度】
最近はどうなっているかは知りませんが、昔のラジオや無線機の感度の表わし方です.
★最大感度:(ポータブルラジオのAM,FM感度表記に使われていた)
AFボリュームは目一杯上げる(RF,IF)のゲイン調整器がある場合これもMAX.ToneSWがあるならHi.
_この条件でBar.ANTのバンドはループ輻射で、ホイップAnt.のSWバンドはAnt等価ダミーで、FMなら75Ωの
_パッドで、無線機ならSSGから50Ω同軸直でsetのAnt端子に、標準信号発生器(SSG)の信号を入力させます。
_最大感度はセットのSP出力を等価Imp.の抵抗(8Ωが多いが)で置き換えた負荷の両端の電圧をオーディオ(AF)
_用の電圧計で計ります(モニターのオシロスコープをパラに繋ぐ)。 信号発生器の変調度はMW,SWのAMなら30%
_変調周波数は、大口径SPの物なら400Hz、小口径SPの物なら1kHzを使用します。FMのバンドなら変調度は22.5kHz
_の偏移とします(変調周波数はAMと同じ)。 ここでSetの標準出力を小型の物なら5mW、普通のセットなら50mW
_とします(8Ωの負荷なら0.2Vrms、0.63Vrms)。
_SSGの出力を上げていって、負荷にこの電圧が出た時のSSGの出力(輻射ループやパッドがある時はそのロス分を補
_正する)を読んで標準AF出力が出る最大感度とします。(一般的にSSGのemf電圧でのdBμV,又は輻射ならdbμV/m
_で表わします。
*あまり、感心した感度の表記方法ではないですね。AFのゲイン(=ボリューム)を上げれば最大感度が幾らでも
_(飽和クリップすれば別ですが)上がる事となります。 そこで、少しマシな感度のあらわし方として、
★S/N感度(ポータブルラジオのAM,FM感度に使われていた)
_最大感度では実際の状態を表わさない(ノイズが多くて聞き取りにくいからボリュームを廻して音を大きくする人
_はいない=ノイズも一所に大きくなる)ですね。 其処で希望Signalと無音(無変調)時の残存noiseの比がある
_値になる信号入力の値をもってSetの感度とすれば、AF段(ボリュームの位置)に依らない感度が出せるはずです。
_このS/N比はAM系でS/N=20dB(電圧比10倍、電力比100倍)、FM系でS/N=30dB(電圧比31倍、電力比100
_倍)となる入力信号をもってS/N感度として表わしていました。 実際には変調度、変調周波数は上記最大感度
_の場合と同じ条件で、変調をONした時(400Hzとか1kHzの信号が復調されている)のAF出力をボリュームで5mWと
_か50mWの標準AF出力と成るようにVRで合わせて、変調をOFFにした(キャリアだけの無変調=無音時)にした時
_に負荷に発生している残存ノイズ電圧が20dB、又は30dBダウンになる時のセットの入力(SSGの補正後の読み)
_レベルをS/N感度とする訳です。 正確には変調時のAF出力信号にはセット内部でのNoise分も含まれています
_S/Nではなくて、S+N/N分を計っている訳です。
*然し最大感度表記方に比べ少しは現実に近い感度のあらわし方ですが、これも現実的ではありません。測定変調
_信号が400Hz又は1kHzでしかも変調度が30%又は22.5kHzの偏移のポイントのみでの感度ですから、見てくれ
_の公表値だけ良くしようと思えば、IFの通過帯域を狭くし測定AF信号分のみのfまで通し、それ以上の変調fは
_減衰させる。 AFの周波数特性の1kHz以上をカットする。 この様にすれば感度測定時のノイズ高域成分は落
_とせますから、見かけ上のS/N感度を上げる事が出来ます。 しかし実用上ではHiが切れたこもった音質に成りま
_すし、FMでは変調度が深くなると一発で歪みが増大し使い物にならないSetになります。
_でも、最終的には市場で受け入れられる音質に落ち着きますのでこのS/N感度表記方でそこそ他社との感度比較
_は可能です。
P社の昔のSetでクーガーシリーズの様な大寸法のBaAntを使用していたSetでMWのS/N感度は34〜35dBμV/m,
FMで 0〜3dBμVemfぐらいでは無かったかな??
普通のBarAntサイズ(φ10,L=80〜120)のMWラジオだと40dBμV/m前後、BarAntが小さいポケッタブルでは
S/N-20dB感度は46〜52dBμV/m程度ではなかったかと思います?
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次回、時間が出来た時にVHF帯のFM無線機の感度表示に使われるSIND感度の意味とかAM系受信機の耐大入力特性
について述べてみましょうかね。