【日本の夏】ミルコ・クロコップ統一スレ57【ミルコの夏】
いよいよ、志願して出場する7月19日PRIDE武士道の対戦相手が決まった。大山峻護だ。
あまり知られていない事だが、彼とは2001年8月にロサンゼルスで会った事がある。
ミスターフジタと初めて総合ルールで試合をする事が決まっていた俺は、その頃、
柔術家マルコ・ジャラの道場で来る日も来る日も、慣れないグラウンドでの練習に明け暮れていた。
毎日、快晴のカリフォルニアの空の下、フジタという怪物との闘いに向け、ナーバスになりながら、転がされ、畳を舐め、
レスリング出身の黒人のスパーリングパートナー(名前も忘れてしまったが・・)に子供扱いされてK−1での実績やプライドを
木っ端微塵に砕かれながら、のた打ち回っていたある日、彼が関係者に連れられて道場にやって来たんだ。
今は94`くらいだと聞いたが、あの頃の彼は多分80`台後半だったと思う。でもスパーリング付き合ってくれた彼の柔道出身
らしい抑え込みから、俺は力んでも、もがいても抜け出せなかった事を覚えている。とても礼儀正しいナイスガイという印象だった。
あれからもう3年か・・・。未だに俺は無冠だな・・・。
今年こそは頂点へと挑んだPRIDE GPも、今はみんなの活躍とトーナメントの異常な盛り上がりを、横目でにらみながら、
敗北からしか学べない弱点や課題を克服するために、ひたすら黙って牙を研ぐしかない。
今の俺には、本当は語る資格がないんだから、こんなところで偉そうに手紙を書いてるべきではないんだが・・・。
仕方が無い、あえて課題について書いてみよう。
マネージャーから送られてきた6・20のビデオを食い入るように見た俺の脳裏に、最も強く印象に残ったのは、試合に勝ったミノタウロ
を囲んで、ブラジルの国旗と一緒に写真に写るBTTのメンバーのなんとバラエティーに富んだ猛者達の集まりだったかということ。
あれだけのメンバーが一つの目標の為に毎日一緒に練習し、モチベーションを高め合い、しのぎを削りあっていれば、そこに強さが
伴ってくるのは当然の結果だ。去年の11月に、1Rで俺の攻撃によりあれだけのダメージを受けながら、ミノタウロの心が折れなかったのは、
あれだけの同士達の期待を一身の受け、その代表として闘う彼の「ここで負けるわけにはいかない」という一種の責任感めいたものが、
彼に痛みやダメージを超越させたのではないか。チームという運命共同体、そしてそれがもたらす計り知れない何かの力。
俺だって、もちろんチーム・クロコップ強化に向けて動き出している。すでに二人の新しいスパーリングパートナーが加わった。
195a、98`のレミー・ボンヤスキーばりの蹴り技を持つ打撃系の若手、198a、120`のマウントを取られたら、ウォーターマンのように
厄介な荒くれ者、そして更にこの7月の世界選手権(ムンジアル)後にザグレブに引っ越してきてチーム・クロコップに加わるのが、
ファブリシオ・ヴェウドゥムだ。柔術に詳しい人間なら、すぐわかるだろう。2003年のムンジアルのベサディシモ級で優勝、コパドムントの
ペサディシモ級とアブダビ99`級では準優勝した、現在の柔術界最重量級では間違いなく世界最強の三本の指に入る男だ。
193a、105`。最重量級にしてはスピードがあり、MMAにも出始めて、先日のジャングルファイトでPRIDEやK-1でも活躍した
エベンゼール・フォンテス・ブラガ相手にも慣れない打撃に付き合って2RにパンチでKO勝ちした気の強いやつだ。
俺にとっては理想的なトレーニングパートナーになるだろうし、俺が打撃を教えるので用意が整ったら彼をPRIDEに出してほしいと、
ミスターサカキバラにお願いしたところだ。チーム・クロコップも、結束の固い戦闘軍団になるだろう。
さて、そろそろ練習に行く時間だ。7月19日、名古屋で会おうぜ!
2004年7月17日 クロアチアにて。 ミルコ・クロコップ