“頭の水虫”道内上陸 道央圏、柔道選手に流行の兆し
道央圏を中心に、高校の柔道部員の間で、“頭の水虫”と呼ばれる
トリコフィトン・トンズランス感染症が相次いでいる。清潔にすれば感染
しないが、症状のない保菌者も多く、専門家は「全道に広がる恐れもある」としている。
感染症は主に欧米で見られる水虫菌の一種、トリコフィトン・トンズランス
が原因。練習などで皮膚が激しくこすれ合うことで感染し、頭皮がむけたり、
顔や首筋に赤い斑点が出たりする。
初期は塗り薬で治るが、脱毛が始まると約三カ月の内服薬治療が必要。
症状が軽いため、放置されて無症状の保菌者になりがち。ここ三年で、
格闘技選手の間で全国的に拡大している。
江別市の江別皮膚科クリニックによると、昨年十月以降、札幌と近郊、
岩見沢で九例見つかった。高校の部員のほか、高校で練習した中学生も
いた。旭川でも報告が一例あり、久保等院長は「症例は氷山の一角。
大会や交流試合を通じて広がりかねない」と危ぐする。
予防策は試合や練習の直後に体を洗い、道場や柔道着を清潔に保つこと。
順天堂大の広瀬伸良助教授は「患者が出たら部全員が検査を受けてほしい」と話している。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20040615&j=0045&k=200406157928