タイソンがK1に出るわけねえだろヴァーカwG

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380紙プロ
 ところで、前記した「ニューヨーク・タイムズ」の記事には、タイソンの契約金が20万
jで、試合すればさらに400万j(5億円弱)保障というコーカー氏のしゃべった数字
まで掲載されている。しかし、業界の慣例に従えば前者はわざと実際に払った額より
小さく書いて、後者は大げさになりがちだ。おそらく実際は25万ドル程度の手付金で、
ピーク時に比べて下がっている試合ギャラは、日本で書かれているような10数億円
にはならない。マネージャーに無断で顔面に刺青を入れたせいで世間的な価値が暴
落したことは周知の事実である。
 値段というのは対戦相手と他の競合プロモーターとの比較で決まるものだ。レノック
ス・ルイスと再戦するのではなく、北米では知名度のないボブ・サップが相手という事
実を無視してはビジネス分析が出来ない。すると確かに金銭面では、ジャパン・マネ
ーがタイソンの社会的地位の回復に貢献できる範囲ではある。ここに今回のタイソン
対サップの実現可能性の根拠のひとつがあるわけだ。
381紙プロ:03/09/30 23:52 ID:qMCLXM7C
 しかし前号でレポートした、北米でタイソンのPPV放送権を持つケーブル局Showtime
と、K−1の権利があるESPNの障害だけでなく、ボクシング協会と帝拳プロモーション・
本田会長への仁義などにも触れておいたほうがいいだろう。
 谷川貞治K−1イベント・プロデューサーは、年末『紅白歌合戦』裏番組のパートナ
ーには昨年に引き続きTBSと合意していると伝えられている。製作担当の子会社DRE
AMAXの樋口潮社長が『タイソン・ボンバイエ』の方向を了承したからだ。しかし、そうな
るとこれまでタイソンと関係の深い日本テレビ(現在K−1ジャパン放送中)と本田会長
は面白くはない。
382紙プロ:03/09/30 23:55 ID:qMCLXM7C
 究極格闘技UFCのWOWOWO放送権を買ったとされるのが本田会長だ。ボクシン
グがキングであり、ボクシング業界の意向が最優先されるラスベガスという『悪魔のゲ
ーム』の聖地は、ビジネスの宣伝上はイリュージョンとの建前だが、実態はマジックな
のである。
 8・15『K−1ラスベガス大会』のアメリカでのPPVの正確な数字は現時点では出て
いないが、3万世帯の初期予想が報道されている。
 もともとK−1のアメリカPPVと言えば、97年に『ニュー・ファイティング・スポーツ』と
してWCWとの提携で二度日本からの録画が放送されたのが最初。このときは実況席
がエリック・ビショフ代表とサニー・オノオという空手道場の師弟コンビで、宣伝もプロレ
ス番組枠内だけだったのが響いて約2万5千世帯だった。
 仕切り直しで98年8月、アンディ・フグをメインに起用したK−1ラスベガス初進出は
約4万世帯だったが、こちらは現地プロモーターや広報担当の広告代理店に食い物
にされて、1億円の赤字興行になってしまったとされている。そして今回は、3万世帯。
サップの北米一般メディア露出やESPNでの前宣伝にもかかわらず、K-1浸透はま
だまだ道は険しいようであった。
 もっとも日本でのライバル『PRIDE』が北米で一般ケーブルになったのは6月8日か
らの横浜アリーナ大会からで、それまでの中継はディレクTVなどの受信アンテナを設
置可能な住宅のみに限られていたから実数は1万世帯にも届かない。それに比べたら、
一部の衛星放送受信可能な世帯だけでなく、北米では広く普及しているケーブルでの
一般PPV中継として放送されたK−1は恵まれたほうだ。しかもアメリカ発の総合格闘
技UFCですらPPVは大苦戦なので、悲観的になることはない。
 ちなみに、月一度のペースで行われるWWEのPPV契約数は約50万世帯。プロレス
ファンはこの数字を誇っていいだろう。
 北米で一般家庭に完全普及しているケーブル放送事情を紹介しておきたい。数ある
チャンネルの中でもWWEの『RAW』や『スマックダウン』はもとから基本セット内にあ
る局が放送している人気看板番組だ。ところがタイソンと契約を結んでいるShowtime
の場合だと、ライバルのHBOと並んでプレミア・チャンネルという扱いになる。つまり日
本のWOWOWのように毎月別料金を払う必要があるわけだ。普段は映画番組が中心
だが、ボクシングの場合はPPVにすると、プレミア・セット料金を払っていれば普通に見
られる大会に分けられてしまう。
 HBOのボクシング番組は長年ジョージ・フォアマンの実況が売りで、Showtimeはタ.
イソンが見られることが目玉だった。ただし全盛期を過ぎたタイソンの場合、すでに相手
によってはPPVになっていない大会がある。これらの事実は日本には報道されていない。
 「タイソン戦が実現するならボクシングルールでもかまわない、それなら米国は(権利
を持っている)Showtimeが放送すればいい」と、信じられない安易な発言が出ているが
、K−1の名前すら使わないのなら、そもそも米国進出の意味がなくなってしまう。K−1
の権利を買ったESPNも黙っていないだろう。
 
 一切北米市場を考えず、日本で『タイソン・ボンバイエ!』名義で開催して、石井館長
のポケットマネーでタイソンのギャラも払うというなら誰も止められない。ところが、そも
そも入国が難しいから順調に進む話ではないわけだ。 
 財源に北米からのPPV収入をアテにするなら、場所もルールも決まっていないプラ
ンなのに年末に間に合うのだろうか?タイソンだからPPVというのも昔の栄光であって、
現地で無名のサップ相手だとお金が取れない可能性が高い。米国開催となった場合
「向こうに合わせれば日本が昼間になる問題もある」と書いたスポーツ氏もあったが、こ
れは現地事情を知らなさ過ぎる。なぜならこのカードに興味があるのは日本だけなの
だから。
 ところで、『SRS-DX』誌に8・15K−1ラスベガス大会のPPV件数が「少なくとも8
万はいく」と書いてあるが、もし米国スタッフが本当にそのような甘い考えを谷川プロ
デューサーに伝えているなら、首を傾げざるを得ない。日本ものの格闘技コンテンツ
はUインターやパンクラスの90年代中期からパターンが同じまま。初回数字が塞翁
で、そこから徐々に下がっていくデータがある。
 有料放送を盛り上げるためのレギュラー番組が始まったのなら話は別だが、アンデ
ィ・フグを切り札にラスベガス初進出した回4万世帯なので、日本でのサップ現象が一
般紙に取り上げらたぐらいでは状況は変わらない。北米の放送権を買い、宣伝を担当
したESPNがタイソン登場を報道しなかったので、PPV再放送回の数字がハネ上がっ
たとも考えられない。以上のことから、3万世帯との現地初期報道に近い数字に落ち着
くであろう。