向井亜紀、代理出産決意「私がサンプルに」
http://www.nikkansports.com/news/entert/p-et-tp0-020308-11.html 子宮頚(けい)がんのため、00年11月に子宮摘出手術を受けたタレントの向井亜紀(37)が「代理出産」を決意した。
7日、日刊スポーツの取材に、8月にも夫のプロレスラー高田延彦(39=高田道場)とともに米国に渡り、高田・向井夫妻の受精卵を現地の女性の子宮に着床させる治療を行うことを明らかにした。
倫理面や法律面から日本では認められていないが、生まれてくる赤ちゃんは遺伝的には100%夫妻の子供。向井は「人生最大のチャレンジです」と強調した。
がんを克服した向井が、まだ見ぬ赤ちゃんとの出会いを夢見て、この夏の米国行きを決意した。
この日、東京・品川区の高田道場で「アメリカで代理母を探すことに決めました。そのために、4月から公明正大に動きます」と話した。
一昨年11月の子宮摘出手術以来、ことあるごとに「代理出産」の可能性に言及してはきたが、体調面の不安と多忙な仕事で決断できなかった。
しかし、1月末にメーンキャスターを務める日本テレビ朝のワイドショー「レッツ!」が、3月いっぱいで終了することが決定。夫の高田と相談の上、州によっては代理出産の認められている米国での挑戦を決めた。
「覚悟して(がん告白の)会見をした以上、うちはすべてカミングアウトでいきます。
心臓病、膠原(こうげん)病、腎臓病…いろんな病気や原因で、出産をあきらめている人がいる。
たとえ失敗しても、次の人が間違えなくてもすむようなサンプルになります」と目を見開いた。
向井は手術で子宮はすべて摘出したが、2つの卵巣にはがんの転移も見つかっていない。
排卵誘発剤を使用し、成熟した卵子を採取すれば、高田の精子との人工授精に技術的には障害もない。
倫理的な問題はあるが、成功すれば「彼の遺伝子を絶対に残したい」という向井の悲願も成就する。
現在、向井はさまざまなルートで米国の代理出産についての情報を収集中という。
この春以降の精密検査などに異常がなければ、2〜3週間の夏休みを取る予定の8月にも渡米する。
候補地としてネバダ州の専門病院が有力。代理出産する女性への謝礼を含め、費用は総額3000万〜5000万円だが「ノブさんジュニアが、この世に生まれてくるなら…」と話した。
解決しなければならない問題も多い。日本の法律上、生まれた子供は2人の実子とは認められない。
第3者の女性が出産後、国際的な養子縁組をする必要がある。
また、米国では出産した女性が、子供を渡さなくなるトラブルも多発している。
「そうなってもいいんです。がんが再発して私が死んじゃうかもしれないでしょ? だったら『絶対大事に育てろよ!』と血判状取って(笑い)向こうにあげる。
海の向こうでも2人の子供が暮らしてくれればうれしいんです」と笑顔で言い切った。
有名タレントとしては、前代未聞の衝撃的な告白で、世間からの好奇の視線と批判にさらされることは覚悟している。
「いい意味でワクワクしているんです。
私の人生最大のチャレンジ。それが成功するのか、失敗に終わるのか、みなさんもオンタイムでご覧くださいね」。死の恐怖を乗り越えた向井亜紀は、常に前を向いて歩き続ける。