「K-1名古屋予選開幕」
一回戦、バンナ対セルゲイ・イバノビッチ
誰もがバンナの復活劇を期待していた
相手のイバノビッチは強豪。でもバンナの相手にはならないと
誰もが思っていた。しかしハプニングはグランプリの開幕戦から起こった
イバノビッチの首相撲からの膝がバンナの顎を捕らえた
バンナ、たまらずダウン。カウント5で立ち上がる
膝にきているらしく、足元がおぼつかない。
(バンナが初戦で負ける・・・)
誰もがそう思った
イバノビッチがここぞとばかりにラッシュを仕掛けた
バンナは見逃さなかった。一瞬イバノビッチのガードが下がった
右フック!!イバノビッチぐらつく
左ストレート!!イバノビッチの顎を捕らえた
バンナの衝撃KO勝ち。バンナ復活
しかしまだ一回戦。油断は出来ない
次回「意外な伏兵」
オナニーは人の見てない所でシヨウネ
「意外な伏兵」
バンナは一回戦のKOにより調子ついた。2回戦の相手アメリカの強豪
ジャン・クロードも右ストレートでKO勝ち!簡単に決勝にたどりついた
会場はバンナのKOにより、まだざわついていた
この大会バンナ優勝の予想が一番多かった
たしかに今大会の出場選手をみても、バンナ優勝は当たり前のように思えた
唯一対抗できると思われてたのは、オーストラリア予選優勝のロニー・セフォー
南アフリカ予選優勝のトムソンだ。
この二人はバンナと別ブロックにいる。この二人の勝者が決勝でバンナと
戦うと誰もが思っていた。
でも決勝の舞台に立っていたのは、トムソンでもなくロニー・セフォーでもなく
ウクライナ予選優勝のセルゲイ・モロゾフだった
次回「セルゲイ・モロゾフ」
「セルゲイ・モロゾフ」
誰だこいつは?会場がざわつく。一回戦のトムソンを喧嘩ファイトといえる
ような試合で1R続行不可能においこみ、準決勝のロニー・セフォーを3R
レフリーストップまでおいやった。
その試合はまるでアーツを倒してブレイクしたアビディーとかぶっていた。
しかもアビディーよりは身長も体重も多い。ハートも顔に似合わずアツイ
得意技は蹴り。ロー、ハイ、膝。なんでも優れている
パンチもロシアンフックを出すかと思えば、きれいなワンツーも打てる
会場はあのアビディー、ハントが芽を出した時と同じような雰囲気をもっていた
谷川が言った
「この選手は喧嘩も強いですよ」
次回「衝撃の決勝 バンナ対セルゲイ・モロゾフ」
「衝撃の決勝 バンナ対セルゲイ・モロゾフ」
カーン。決勝の始まりの合図
バンナは相手の様子をうかがっている。
モロゾフは初対戦なのに、相手を見ようとはしない
いきなり仕掛けた。ジャブからローのコンビネーション
K-1ではお決まりといったコンビネーションだが、一瞬バンナの顔が
変わる。バンナが獲物を狩る目になった。
バンナのワンツー。バンナには珍しい1R早々のワンツー
モロゾフ、なんとかクリンチ。レフリー猪狩がブレイクに入ろうとして
体の密着が解けたその瞬間、モロゾフがクリンチから膝3連発
バンナ、力いっぱいに体をはねのける
レフリーの顔を睨んで「これは反則だろう」と怒鳴った
バンナが一瞬モロゾフから目を離した。油断したのだ
次の瞬間、リング上に倒れた選手がいた
バンナだった
次回「バンナの敗北!?」
ぴゅっぴゅっ
え?もう終わり?
今年はトーナメントじゃないぞ・・・
「バンナ敗北!?」
会場にスローが流れる
モロゾフがバンナにつっこんで、右フックだった
会場が一瞬静まりかえった。次の瞬間ダウンのカウントも
聞こえないくらいの大歓声が訪れた
誰もモロゾフが卑怯とは思わない。試合中に油断したバンナが悪いのだ
いつのまにかバンナを応援する者はいなくなっていた
ただセルゲイ・モロゾフという怪物に見とれていた
歓声がまた静まり返った。なにが起こったんだ
そこには、もう勝ったと思って喜ぶモロゾフをすごい形相でにらむ
バンナがいた。カウントは8
試合続行か?
次回「バンナ、怒る」
「バンナ、怒る」
レフリー猪狩がバンナになにやら話している。
バンナは猪狩の顔を見ようとしない、ただモロゾフを睨んでいる
「ファイっ」
続行の合図と同時に観客はすごい歓声
しかし、バンナは顔とは逆に足は正直だった
膝にきている。立っているのもままならない
モロゾフ、大金星を狙いすごい勢いでラッシュをかける
ワンツーから左膝、右フック、左アッパー
一瞬モロゾフの攻撃が止まった。
バンナ、大振りの左フック一発
すごい空振り音だ。かすっただけでも倒れそうだ
「ダウ〜ン」猪狩が叫び選手の間に入った。ダウンしたのは
バンナだった
次回「ダウンした男の目に映ったもの」
「ダウンした男の目に映ったもの」
バンナの左フックに合わせて、モロゾフの右ローだった
(もう立てやしない・・・)会場にいるほとんどの観客はそう思った。
バンナの完敗だった。油断してたとはいえ負けは負けである
バンナはもうろうとしていた。まさか自分がこんな奴に負けるとは
と思っているようだった。
バンナの目が会場にいった。自分がダウンして喜んでいる観客を睨んでいる
ようだ。
いや、違う。その目は確実に誰か一人だけを睨んでいた
バンナの目線を追ってみた。
そこには、グランプリ王者ハントの姿があった
次回「クリンチしない男」
「クリンチしない男」
カウント6でバンナは立ち上がった。
モロゾフはびっくりしている。(なんで立てるんだ?)と言いたげそうだ
「ファイっ」猪狩が今までで一番大きな声で叫んだ
残り時間 47秒
クリンチしてしのげば、なんとか逃げれる時間帯だ
モロゾフはこのラウンドで勝負をつける気だ。
決勝はダウン3回。あと一回ダウンすればモロゾフの勝ちだ
モロゾフが一気に間合いをつめて、パンチのラッシュだ
誰もがバンナはクリンチで時間を稼ぐと思った
だが、それは間違っていた。パンチで応戦だ
でもバンナのパンチにあのすごいパンチ力の面影がない
モロゾフのパンチが的確にバンナの顔をとらえる
その時、レフリー猪狩がものすごい勢いで両者の間に入った
「スト〜プッ」!!スタンディングダウンでレフリーストップか?
1ラウンド終了の合図だった
次回「ウイルス」
「ウイルス」
バンナがコーナーに戻ってきた。
セコンド陣は予想外の結果だと慌てている
必死に止血をしている。
「カーン」2ラウンドの開始の合図がなった。
(このラウンドが限界だろう)と誰もが思った
先に攻撃を仕掛けたのは、バンナだった
右ローからのパンチのコンビネーション。右フック、ワンツー
すごいパンチの連打だ。あのペタスを倒した時の再現のような試合展開だった
モロゾフはガードが精一杯だった。
こんな攻撃できるはずがない。なんでこんな攻撃ができるんだ?
さっきのラウンドでの攻撃が効いてるはずだ
バンナの顔を見た。
鬼だった
会場の観客はそこで悟った
バトルサイボーグに凶暴野生というウイルスが侵入したと・・・
次回「決着!名古屋予選の優勝者は?」
まさかお前リアルタイムで書いてるんじゃないだろうな?
てめー、結構おもしろかったのに
寝てんじゃねーよ!
おーよ
「決着!名古屋予選の優勝者は?」
結果は予想外だった
誰もが新星セルゲイ・モロゾフの勝利だと思っていた
モロゾフも観客も石井も
そして谷川も
試合終了のゴングがなった。
レフリーが手を持ち上げて、勝利をたたえていたのは
バンナだった。
そのバンナの目線の先には、バンナの左ストレートで失神してる
モロゾフの姿があった
やはりこいつは強い。ディフェンスは多少問題があるが、それを
あまりある攻撃力で補うだけのパワーがある
でもこの大会でモロゾフの力が目立った。これからいろいろ課題
があるだろう。メンタル面、パワー、テクニック。
観客はリングを立ち去るモロゾフに大拍手を送った
バンナがリングを立ち去る時は拍手は止まっていた
それはバンナの圧倒的な凄さに拍手を送ることも観客がビビッテいた
だが、バンナの静かな退場の誰もがこう心の中で思っただろう
(今年、今年こそはバンナがやってくれるはずだ)と
リングに目をやった。そこには大量のモロゾフの血でリングが赤に染まっていた。
次回「K-1メルボルン予選開幕」
「K-1メルボルン予選開幕」
バンナが去年と同じく、一番にグランプリの切符を手に入れた
2番目にグランプリの切符を手に入れるのは誰だ?
予想は難しかった。というもの有名選手がたくさん出場してるからだ
シリル・アビディー、ステファン・レコ、レイ・セフォー、アダム・ワット
マット・スケルトンの人気もある5名がエントリーした
これに館長推薦のグラウベ・フェイトーザが出場が決まった
あきらかに名古屋予選とはレベルが違う。
また激戦区になると誰もが思っていた
そしてそれは現実のものになった
一回戦アダム・ワット対マット・スケルトン
アダムのスピード、テクニック対スケルトンのパワーの対決だった
1、2ラウンドはアダムがスピードを生かした攻撃でペースをつかんだ
しかし、3ラウンドスケルトンの右フックがワットのテンプルをかすめ
ワットはダウンした。なんとか立ち上がったが3ラウンドはスケルトン
の猛ラッシュでワットはなんとか判定まで持ち込んだ
結果2−1でスケルトンの判定勝ち
次回「アビディー登場 喧嘩対極真」
やったああああ!!!アビディーアビディー!!!!!
早く書いておくれーーーー
1、あんたけっこうイケてるよ!
「アビディー登場 喧嘩対極真」
注目の一回戦が始まった。
喧嘩ファイトのアビディー対最近不調のグラウベ
誰もがアビディーの喧嘩ファイトを予想していた
しかし、去年のトムソンの例もある
アビディーは慎重にジャブでリズムをはかっている
グラウベはジャブから左ローの左でのコンビネーションで攻める
グラウベの前蹴りでアビディーはなかなか間合いをつめれない
イライラがつもるなか、1ラウンドが終わった
ジャッジは10対10。互角か?
2ラウンド、アビディーが突進、ジャブから右フック
フックのコンビネーション。観客すごい歓声
グラウベ何発か食らうが、クリンチからの膝で反撃
アビディーは相変わらず、喧嘩ファイト
アビディーのセコンドは大声で叫ぶ。「落ち着け、落ち着け」
しかし、遅かった
「ドスッ」
歓声を消し去る寒気がでるような音が会場に響いた
次回「縦蹴り」
「縦蹴り」
アビディーがふらふらと倒れていった
ダウンは滅多にしない男が、まぎれもなく意識が飛んだ瞬間だった
一瞬会場が静まり返ったと同じにすごい歓声がおとずれた
グラウベの左の前蹴りから、右の縦蹴りだった
もうグラウベはよほど手ごたえがあったのか、セコンドのフィリオと
喜んでいる。カウントは進む
「シーックス、セーブンっ」
アビディーはなんとか立った。たった一発だったとしてもかなり足に
きている。残り2分16秒。逃げられる時間じゃない。ストップだ
「ファイッ」無常の続行の合図
グラウベが一気に間合いをつめる。仕留めようとした瞬間
グラウベがバックステップで距離をとった
なんでだ?仕留めるなら今しかないぞ。なぜ距離をとる?
アビディーの目をみた
いつもの目だった
次回「シリル・アビディーという男」
1〜22=1 オマエノオナニーニツキアッテルジカンハナイ
「シリル・アビディーという男」
「…青い月、見てみますか?」
不意に仕掛けて見たい、そう思った。もうかなりの重傷なのだろう。オスカーは益々膨れ上がる誘惑をふり払えないでいた。
「……あぁ? 何言ってんだか。もう酔ったのか?」
「本当ですよ。見せて上げましょうか? …ほら」
ゆるりともたげた指の先には、零れ落ちそうな大きな満月。
「…青くねぇじゃん…」
「まぁそのまま、僕が良いと言うまで見てて下さい」
普段の彼なら途端に笑い飛ばして、何もなかったような態度をとるような展開に、それでも素直に従っているのは、やはり酔いの手伝いもあったからか。
いい加減飽きがくるような、じれったい時間の流れ。
「…おい、まだかよ」
「そうですね、そろそろ良いかな…。さて、こっちを見てもらえますか?」
言われた言葉に、訝しげな表情を見せながらも視線を巡らす。
「…………あ…」
暗がりに滲む、青白く丸い光。婉然と微笑むオスカーの姿が、ゼノスの目には薄ぼんやりと浮かび上がって映っていた。
「ご所望の青い月、いかがですか?」
悪戯を企む子供のような態に、それでもゼノスは呆然としたまま反応しない。まさか本当に見えるとは思っていなかったのだから、当然と言えば当然だろうが…。
それは簡単なトリック。長い時間黄色いものを見ていれば、その反対色である青が目に残る。ただそれだけの、他愛もない仕掛け。
「まぁこれは、ささやかな余興…ってところですか…。…未来の恋人が映っていると良いですね…」
「あ……あ、あぁ…」
ようやく我に返り、目を瞬かせる。まだ少し残像が焼きついているらしい。
青い月と言うより、オスカーの常にない雰囲気に呑まれ、夢うつつに盃を重ねてしまうゼノス。奇妙な、それはまるで魅入られでもしたような…。
「余興ついでに、もう一つ教えてあげますよ。…アクア・フィートの美味しい飲み方…ってやつ」
「え…?」
月明かりに一層の白さを見せる指先が、ゼノスの持つグラスを彼の手ごと包み込む。寄せられる口唇、ゆっくりと流れる液体。
あまりにも幻想的だった。それが動けなかった理由になるだろうか。自分の口唇に触れる艶めかしい感触と、注がれる酒。先刻まできついと感じていたそれが、円かな甘い味へと変ってしまったような錯覚。
酔いが、一気に回った気がした。
口唇が離れ、オスカーの指先が口元を拭う。
「随分と…タチの悪い冗談だな…」
そう口にするのが精一杯だった。動揺ばかりが先立つ自分に内心叱咤を送りつつ、それでも眼前にある紫紺の瞳から視線を外せない。
「…冗談で、貴方に口付けるような男に見えますか?」
総てを理解している、と言うには付き合いが長いわけじゃない。だが、本質を見誤るほど浅い関係でもないはずだ。
目眩いにも似た陶酔感が、徐々にゼノスを支配する。
「冗談じゃなけりゃ、なんだって言うんだ…」
「……きっと…―――― ”青い月”の誘惑、ですよ…」
多分、これは酒のせい。オスカーの腕に誘われるように倒れ込みながら、この一時だけはそう思い込むことにする。
かすかな川の音。虫の声。草の息吹に包まれた、一夜の夢が静かに幕を開けた。
おもしろい!!!!!!!!!!!!!!
1さんは作家3ですかね?
やっぱり2ちゃんねるには凄い人材が沢山
集まってくるんだなあ
ナンテオモシロインダー
スゲースゲー
サイコー
ダヨー
キモいスレだな、しかし
コンナコトハズカシゲモナクカケルアナタハテンサイ?>1
イカクサイデスヨ
サイコー
つづきは?
次回「サダウ・ゲッソンリットの夏休み」
キモいので晒しあげしていいですか?
1、出て来いごらぁ
「…青い月、見てみますか?」
おい、1よ・・・
アビディーはどうなったんだ!!!
使い捨て
37 :
19 ◆/rN/aQjU :02/01/30 18:38
アビディーが物凄い気になる・・
頼む、本物の1よ続きを書いてくれ。
中途半端イヤアアア><
あんたは 信二か?
まーどっちにしても
続き頼むで
待ちage
期待age
だから今年はトーナメントじゃないって言っただろうが。
ファンならそれぐらい知っとけやボケェー
>>43 寺島兄い!!好きだ。BROTHER最高
1よ早く書いてくれ
これって全部1のジサクジエン?
>>30 それ読みたい。でも
>>3のジャン・クロードはもう壊れて使えなくなりましたよ。
ヤラレップリグランプリ決勝
ジャンクロードVSエスドンク
トーナメントじゃない事ぐらいシットルわage
「シリル・アビディーという男」
グラウベが一瞬ビビッてしまった
アビディーのワンツーがグラウベの頭をかする
グラウベ、目がさめたか一気にラッシュ
右フック、左ミドル
接近戦になった。グラウベ逃げるわけにもいかない
極真魂だ。コーナーですごい打ち合いだ
グラウベの膝がぐらついた。右フックをもらってしまったのだ
立ち直ることなく、グラウベはダウンした
アビディーKO勝利
次回「黒豹、凱旋」
「黒豹、凱旋」
Aブロックと同じく激戦が予想されるBブロック
はじめに登場したのは、レイ・セフォーだった
相手はヤン・ザ・ジャイアント・ノルキア
なんと身長差20センチ以上。セフォーの苦戦が予想された
昨年から腰の怪我により調子がでないセフォーが今年は腰も
完治し、パンチトレーニングを中心にさらなるパンチテクニ
ックを手に入れた
1ラウンド、セフォーが身長差を生かしローで攻める
パンチからのローのコンビネーションでノルキアの足
は赤く腫れ上がった。
ノルキア、パンチで応戦するがセフォーのテクニック
の前にノルキアのパワーがかすむ
2,3ラウンドも同じような試合展開が進み、3ラウ
ンド終了の合図と同時にノルキアが笑みを浮かべ
完敗をさとり、セフォーをたたえた
3−0レイ・セフォー勝利
なんなく2回戦に進出した
次回「波乱」
「波乱」
同じくBブロック、ステファンレコの登場だ
誰もがBブロック2回戦でのセフォー対レコの試合は今年の
グランプリ展開を予想できるいい試合だと思って、楽しみに
していた。
そのルックスとスピード、テクニック。昨年アーツを衝撃KO
した右ストレート。人気も最近うなぎのぼりだった
それが予選一回戦で敗者という形でリングを去るとは、誰も
が驚いた
勝者で颯爽とリングを去ったのは
フィリップ・ゴメスだった
次回「衝撃準決勝 スケルトン対アビディー」
「衝撃準決勝 スケルトン対アビディー」
縋り付く指。細い、白い、呪縛のような。
月明かりがオスカーの肢体を弾く。指で、口唇で触れる端から散り広がる朱の花弁。艶めかしい刻印を刻むごとに沸き上がる、独占欲。
それは酷く危険な想い。仕掛け、仕掛けられ、その瞬間から終末が透けて見えるほどに。
だが、こんな誘惑を振り払える人などいるだろうか。総てを晒し、総てを捨て、なおも貪欲に求め続けるこの一途な想いを…。
「…殺して下さい…」
不意に零れる呟き。途切れそうな吐息の影に埋もれ、それでもゼノスの胸を締め付ける”痛み”を伴った。
「オ…」
「殺して下さい…このまま、何も残らないくらい微塵に…。でないと、僕は……っ」
口に出してはいけない、それは呪詛。判っていてもオスカーはどうすることも出来なかった。
精一杯腕を伸ばし、背に縋る。肌を傷つけ、印を刻む事でしか伝えられない想い。こんな醜悪な想いを、彼に背負わせるなど欺瞞も甚だしい。そう判っていても…。
せめて、今宵の戯れ事を”夢”と言い切れる人であったなら…。もう遅いのに。何もかもが。
「もっと……っ」
罪は一人で追うべき。誰も知らない、これは”儀式”。
まるで娼婦のように淫らに求め始めるオスカーの憤りに、気付いているのかいないのか…。
ゼノスはそれから先、一度も口をきかない。名も呼ばない。それはもう獣たちの交わりのように、ただ激しさだけが満たす施しを以って応えているようだった。
互いの息遣いだけが、風に散るばかり…。
53 :
19 ◆/rN/aQjU :02/02/04 08:58
1さんよ!!ありがとう!!!
アビディVSスケルトン楽しみにしてるよ。頑張れ。
「衝撃準決勝 スケルトン対アビディー」
誰もが思った試合展開になった
アビディーがかかんに攻める。スケルトンはパワーをいかして
クリンチからの膝攻撃、接近戦でのフックのコンビネーション
明らかにスケルトンに分があった
着実にアビディーの体力を減らしていく。
膝が効いてるようだ。動きが鈍くなった
(スケルトン、強いな〜)誰もがそう感じた
その瞬間、アビディーの右ストレートが伸びてきた
ラッキーパンチのようだったが、スケルトンは顎に食らってしまった。
スケルトンの足が震えている。大英帝国の不沈艦が氷山にぶつかって
しまったのだ
右ストレートというデカイ氷山に・・・
次回「決勝に進んだのは?」
sageでやったらどうですか?正直、つまんないですよ。
つーか気持ち悪いです。
すいません、今日は休憩します
>57
読んでるくせに(w
このシャイボーイ
>>58 ばれた?
超面白い最高。
もう2度と書くな
次回「決勝に進んだのは?」
気怠い身体を無理に起こし、深いため息をつく。
なんて馬鹿馬鹿しい茶番を演じてしまったのだろ。オスカーはもう何もする気力が起らなかった。
「オスカー…俺…」
ゼノスの口元が、指でやんわりと塞がれる。
「そこまでですよ。……謝罪の言葉なんて聞きたくない。謝罪どころか、僕はただ……」
そこで軽く言葉を切り、次いで普段のポーカーフェイスで心を閉ざしてしまう。
「ただ…貴方と寝たかった。それだけです」
「おい…」
「結構良かったですよ。楽しませてもらいました」
「オスカー…っ」
「僕を早々イかせられる人もいないですよ。意外…と言ったら失礼かな」
「いい加減にしろ!!」
口を挟む機会を奪う勢いで言葉を綴っていたのに、さすがに怒声を挙げられれば止めるしかない。
オスカーは意固地な表情を俯くことで隠す。
「…馬鹿か、お前は…」
「………」
「そうやって、自分だけ悪モンにしちまえば総て良し、か? 意外と融通の効かねぇやつだったんだな」
今にも泣き出しそうな子供の顔になっていることに、オスカー自身は気付いているんだろうか…。
「ものには順序ってもんがあるんだ。こんな手間を省きまくったことしやがって。…俺が誤解するだろ?」
「…え?」
言葉尻の変化に、オスカーはようやく顔をあげる。
視線の先には居心地の悪そうな、耳の先まで赤くなったゼノス。
「お前ほどのヤツが、こんな馬鹿な茶番を企てちまうくらい、俺に惚れてるって自惚れちまうじゃねぇか」
夢が、一層の現実味を失ったような錯覚。これは幻聴なのだろうか…。
「初めにうっかり飛ばしちまったこと、結構あるぜ。急に全部…は無理だ。俺は不器用なんだから」
「ゼノ…」
「だから、一から始めようぜ。お前が本気なら、俺は逃げねぇから……」
正直、違和感がないとは言わない。同性同士なのだから。ただ、それ以上にオスカーの想いを知ってしまったから。
「…っと、その前に服着てくれ。目のやり場に困る…」
言われ、突然気恥ずかしくなる。全身に散る、予想以上に多い朱の刻印に、オスカーは慌てて着衣をかき集めてしまった。
手早く身仕度を済ませはしたものの、気まずさはどうにも消えない。
「あ…の、えっと…その…」
あぁ、まるで初めて恋に落ちた子供のようだ。自分はこんなにもはっきりしない性格だっただろうか。オスカーは頭の中を懸命に回転させ言葉を探すが、どうやってもたった一言しか浮かばない。
踏ん切りをつけるように大きく深呼吸をし、ゼノスに向き直る。ゼノスは、視線を逸らすことなく待ってくれている。
「……貴方が好きです…」
こんな馬鹿正直で飾り気のない言葉を、それでもゼノスは笑い飛ばさず聞いてくれた。それから、大きな熱い手で無造作に髪をくしゃりと撫でる。
「青い月の歌、あながち嘘じゃなかったのかもな」
そう言って、押し包むような笑顔を満面に浮かべる。
これ以上ない幸福にオスカーが少し泣いてしまったことは、ゼノスしか知らない秘密。これから、そんな秘密がいくつ出来るのか…。
空には、零れ落ちそうな ―――― 蜜月。